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平井 有依子 院長、平井 隆一郎 先生の独自取材記事

とうま歯科

(浦添市)

最終更新日:2021/12/10

平井有依子院長、平井隆一郎先生 とうま歯科 main

親子2代にわたり、地域住民の口腔の健康を守ってきた「とうま歯科」。平井有依子院長が、前院長である父からクリニックを受け継いだのは2020年3月のこと。夫である平井隆一郎先生も立ち上げに関わり、「親しみやすく、温かみのあるクリニック」をめざして内装をリニューアル、新規開業した。昔なじみの患者はもちろん、教育施設が複数立つエリアのため今ではファミリー層が訪れることも多いという。現在は虫歯や歯周病の治療などを行いながら、小学校の歯科検診などにも出向き、地域医療に貢献。患者の予防歯科への関心を高めるための工夫を凝らしつつ、夫婦で診療にあたる。そんな2人から、クリニックの変遷や先代から継承した際のエピソード、診療において大切にしていることなどを聞いた。

(取材日2021年10月13日)

身近な医療を仕事に。歯周病について専門性を高める

平井院長が歯科医師をめざしたきっかけは、ご両親とおばあさまの存在だそうですね。

平井有依子院長、平井隆一郎先生 とうま歯科1

【平井院長】父が歯科医師、母が薬剤師と、小さい頃から医療が身近な家庭で育ちました。両親からは「歯科医師になってほしい」と言われたことはありませんが、父や母が働く姿を見ていて、気づけば自然と医療の道に進むことを決めていましたね。本格的にめざし始めたのは高校3年生の夏です。若い時に苦労した祖母の「手に職をつけたほうが良い」という言葉を聞いて、身近だった歯科医師になることを選びました。もともと細かい作業が好きだったのも理由の一つです。歯科は治療の進度が比較的すぐに成果として現れやすいので、わかりやすく達成感を得やすいという点も魅力でしょうか。

長崎大学病院では、歯周病治療について学ばれていました。

【平井院長】研修医を終えて勤務医になった時、専門的に学ぶために長崎大学病院の歯周病治療室へ入りました。実は、最初はインプラントや審美歯科を学ぼうとしていたんです。でも、いろんなことを学ぶ中で、歯周病をコントロールすることが治療やお口の健康につながることに気づきました。虫歯などの治療やインプラントの場合はベースとなる部分をしっかりさせる必要がありますし、土台をしっかりさせることで治療が進めやすくなるというメリットもあるんですよ。そういったところに重要性を感じて、歯周病治療について経験を積もうと思いました。

隆一郎先生はどのような経験を積まれてきましたか?

平井有依子院長、平井隆一郎先生 とうま歯科2

【隆一郎先生】大学時代は歯周病を専門に学んでいました。卒業後、福岡県で勤務医として経験を積んだ後、出身地の東京に戻り、その時に働いていたクリニックの先生からインプラント治療についての知識を学びました。インプラントは治療の選択肢を増やすために有用だと思っていますし、学んだきたことは現在のクリニックでの治療にも今後生かしていきたいと考えています。

父の代から続く、地域密着のクリニックを継承

こちらのクリニックの変遷についてお聞かせください。

平井有依子院長、平井隆一郎先生 とうま歯科3

【平井院長】クリニックを建ててトータルで35年ほど、地元の患者さんを診続けていることになります。もともと大平で診療をしていたんですが、城間に土地があると聞き、20年ほど前に移転を決めたそうです。関西圏のクリニックで勤務していた時は、父がまだ現役だったこともあって、継承しようとは特に考えていなかったんですが、父から「一緒に働いている勤務医の先生に場所を貸そうと思っている」という話を聞き、一線を退くならば娘である自分が継ごうと思い、継承に手を挙げました。それまで勤務していたひだまり歯科では立ち上げから関わり分院長も務めていて、その時の経験が役立っています。でも、ひだまり歯科を去る時は、やっぱり思い入れが強くて……なかなか踏ん切りがつきませんでしたね。その後、沖縄に戻ってきてすぐに世代交代をしました。父が週2日、それ以外は勤務医の先生が診療にあたっていたので、交代もスムーズでした。

院長継承の際、内装をリニューアルされたそうですね。どんなところに配慮されましたか?

【隆一郎先生】温かみのある雰囲気を心がけました。木を使っているので木のぬくもりが感じられたり、白を基調としているのでやわらかく感じられたりと、歯科医院特有の「怖い雰囲気」を取り除けるよう配慮しました。院長と相談しつつ、決めていきました。
【平井院長】車いすの患者さんでも通りやすいように、院内は広々としたスペースをとりました。開放感があるので、明るいイメージの内装になって良かったと思っています。外観は父の時のものから変えていないんですよ。だから、以前から通い続けている患者さんは「外観はそのままなのに、中に入ったら内装が変わっている!」と思っているかも。あと、世代交代と同時に改装したので、院長が変わったことについてもびっくりされているかもしれないですね。

地元の患者さんはもちろん、継承されてからファミリー層の患者さんが増えたそうですね。

平井有依子院長、平井隆一郎先生 とうま歯科4

【平井院長】父がこの地で診療していたことも関係して、地元の患者さんが多いです。中にはクリニックが大平にあった時から長年通い続けてくれている方もいます。地域で言えば、大東島や伊江島などから来院してくださる方もいて、ありがたい限りですね。患者さんの年齢層が幅広いということがこの地域の特徴でしょうか。下は2~3歳のお子さんから、上は90歳くらいの高齢の方まで、いろんな患者さんがいます。幼稚園や小学校、中学校が多く建っているので、ファミリー層も多いです。学校の歯科検診もうちで引き受けていますが、児童生徒の人数が多いので、私と隆一郎先生、そして父の3人体制で検診に行っています。

親しみやすい歯科医院をめざし診療にも工夫を凝らす

沖縄県は、全国に比べて歯科疾患の罹患率が高い傾向にありますね。

平井有依子院長、平井隆一郎先生 とうま歯科5

【平井院長】はい、小さい頃から虫歯があるお子さんや、虫歯や歯周病の患者さんが多い傾向にあります。大阪府や兵庫県で勤務医として働き、沖縄に戻ってきて、改めて「エリアによってこれほど違いが出るのか」と思いました。沖縄では子だくさんなご家庭や、両親が共働きしているご家庭が多いというのもあってか、どうしても歯科医院に通う時間を作るのが難しいなど、歯に対しての意識が薄くなってしまうことが原因の一つではないかと思っています。早めに受診すれば早い段階で虫歯を発見することができ、治療に通う回数や費用も少なく済みます。けがなどとは違い、虫歯や歯周病は自然に治っていきません。予防という意味でも、半年に1度でもいいので、ぜひ定期的に通ってほしいですね。また、子どもの医療助成が今後充実すれば、経済的な負担も減るため、受診しようかなと思ってくれる患者さんが増えるといいなと思っています。

日々の診療において、気をつけていることはありますか?

【平井院長】お子さんに限らず歯科医院は怖いというイメージを持つ患者さんが多いので、あえて敬語を使わずフレンドリーに接することもありますね。初診時は、食生活や生活習慣、歯の定期検診に行っているかどうか、お子さんの場合は仕上げ磨きをしているかなどを聞いた上で、虫歯や歯周病の有無といったお口の中の状態を記した「お口の健康手帳」を渡しています。ご自身の歯がどんな状態なのか、どんな治療法があるのかなどを理解してもらうために活用しています。治そうと思って通ってくれる患者さんへのフォローを大切にしつつ、予防の意識を高めてもらい、診療やお口の中の健康維持につなげていきたいと思っています。
【隆一郎先生】県外出身なので、平井院長の、患者さんと接する距離が近くて最初は少し驚いた部分もありましたが、同時に「親身でとてもいいな」と思いました。その姿勢を見習って、今後の診療に取り入れていきたいですね。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

平井有依子院長、平井隆一郎先生 とうま歯科6

【平井院長】幅広い世代の患者さんに、ご自身のお口の中の状態について関心を持ってもらいたいと思っています。そのためには、まずは受診していただくことがベストかなと思っています。これからもこの地で長く診続けられる「かかりつけ医」でいられたら良いなと思っています。
【隆一郎先生】2020年に開業して間もないので、まだまだこれからだと思っています。地域の患者さんのために、診療の質を上げるための努力をスタッフ全員で続けていきたいですね。

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