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玉城 和弥 院長の独自取材記事

玉城歯科医院

(沖縄市)

最終更新日:2021/10/26

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沖縄市高原にある「玉城歯科医院」は3代続く歴史ある歯科クリニックだ。2014年に3代目院長を継いだ玉城和弥先生は地元への深い思いを持ち、町のかかりつけ歯科として活躍。「歯科医師と患者ではなく、人と人との縁を大切に関係を築きたいです」と優しく語り、患者たちに寄り添っている。患者は地元の高原エリアや隣接する北中城エリアの住民が中心。「祖父と父の築いた信頼を裏切らないよう、地域に貢献していきたいです」と語る玉城先生に、クリニックの歴史や現在注力している予防歯科のこと、地域での活動などを語ってもらった。

(取材日2021年9月9日)

70年続く地元密着の歯科クリニック

3代続く歴史あるクリニックだそうですね。

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祖父が1952年に開業し、70年間ずっとこの場所で地域の歯科医療に携わってきました。祖父は沖縄県歯科医師会の立ち上げメンバーの一人で、おそらくこの一帯では最初に開業したのではないかと思います。かなり広範囲から患者さんが来ていたそうで、開業当時は朝5時から20~30人が診療所の前に行列をつくっていたそうです。1985年に父に代替わりしてからも祖父は現役で診療を続けて、父が一般歯科と口腔外科、祖父は義歯を担当していました。祖父の時代は歯科医師主導が当たり前でしたから、祖父を知る患者さんからは「怖い先生だった」と聞いていますが、不思議と好かれていたようです。父の時代になると患者主導に変化していき、皆さんが「優しい先生」と言ってくださいます。僕の患者さんの中には、子どもの頃に祖父に歯を抜かれたおじいちゃん、おばあちゃんもいるんですよ。

今は先代院長とお二人で診療されているのですか?

2014年に僕が院長職を継いだ際に父は引退するつもりだったのですが、僕が引き止めて父のペースで診療に出てもらっています。祖父と父がそうしていたように、僕がメインで一般歯科や予防歯科、小児歯科、口腔外科を診て、父は義歯を担当しています。義歯は経験がものを言う世界ですから。祖父は僕が大学3年生の時に83歳で亡くなりましたが、亡くなる直前まで現役でした。学生時代は祖父、父、僕の3代で肩を並べて診療をすることが夢で、残念ながらかないませんでしたが、祖父が何十年も前に入れた銀歯を僕が新しいものに替えるという、滅多にない経験をさせてもらうこともあります。この地で代々受け継いできたからこそのエピソードですね。

やはり子どもの頃から歯科医師になりたかったのですか?

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子どもの頃は絶対になりたくなかったんですよ。自宅兼診療所だったので、学校の歯科検診に父が校医として来たり、町を歩くと大人たちに「玉城歯科の息子」と呼ばれるのが本当に嫌でした。今では近所の人たちが「あの時の子か」と声をかけてくれるので地元のありがたさを感じますが、子ども心には嫌でたまらなくて。祖父、父、僕と当たり前のように続いていくことに反発心もありました。その気持ちが変化したのは、大学受験の時。「この先自分が本当にやりたいことは何か」と考えた時に思い出したのが、祖父と父が2人で楽しそうに診療をしていた背中でした。それで「3人で並べたら楽しいだろうな」と、歯科医師になることを決意。それまで家族からは歯科医師になるように言われたことはありませんでしたが、祖父がとても喜んでくれたことをよく覚えています。

予防歯科を軸に、口腔の健康を支えていきたい

歯学部卒業後はどのような経験を積みましたか?

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開業医として地元に貢献したいと考えていましたが、一般歯科をメインにする中で専門性を持ちたいと、千葉県にある日本大学松戸歯学部卒業後は東京の町田市民病院の口腔外科に勤務しました。大学に残って勉強することも考えましたが、父が日本大学松戸歯学部の1期生で教授陣に知り合いが多く、甘えが出ては自分のためにならないと、大学を出て町田市民病院で勉強させてもらうことにしたんです。そこで縁あって大学の先輩で恩師とも言うべき方が声をかけてくださり、口腔外科と並行して、都内のマモル歯科クリニックで働かせてもらいました。同院は予防歯科に注力しているクリニックで、予防歯科のノウハウや地域医療のあり方を学ばせていただきました。

勤務医時代に予防歯科の大切さを肌で感じたのですね。

マモル歯科クリニックにはメンテナンスのために毎日50~60人の患者さんが来院していましたが、しっかり管理をしていると、何か問題が起こっても大きな治療が必要がないんです。予防をしながら継続してお口の中を見させてもらい、変化があれば修正していくことの大事さを強く感じました。その経験から、当院でも予防歯科に力を入れて、患者さんにも毎回予防の大切さをお伝えしています。以前の歯科治療は虫歯を治療したら終わりだったのですが、現在はゴールは決めずに定期的にお口の中の変化をチェックしていくことが重視されています。3代目として、祖父と父が築いてきた信頼を基礎に、これまで以上に地域に貢献していきたいです。

地域住民のお口の健康への意識はいかがですか?

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地域の学校の校医を務めさせてもらっていますが、関東と比べると子どもの虫歯が多いなと感じます。ただ当院の患者さんに関しては、予防の啓発の成果か、戻ってきた当初と比べて定期検診の方が大幅に増えてくれました。子どもの患者さんも多いですが、予防への意識を持ってもらうためには未就学児の頃からの介入が大切です。まずは子どもたちに歯科医院は怖くない、楽しいところとイメージを持ってもらうことが第一段階。いきなり治療するのではなくて、コミュニケーションをとって友達になろうという感覚からスタートすると自然と口を開けてくれます。お子さんの治療を入り口にファミリーで通う方も多く、親御さんへの働きかけも大切です。歯科医院は「痛くなってから行くところ」ではなくて「痛くなくても行くところ」と思っていただけるとうれしいですね。

人の縁を大切にするクリニックでありたい

3代目を継ぐ際にこだわった点はありますか?

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代替わりの際にリニューアルを行っています。外観に関しては地域の方がわかりやすいように看板を目立たせるなどの工夫をしています。昔からある歯科医院なのですが、祖父や父の代は看板などの設置をしていなかったため、地域の人でも場所がわからないという方もいらっしゃったんです。また内装は待合室に自然光が入るようにして明るくし、全体的に空間を広くとりました。キッズスペースをつくり、診療室では4台あったユニットを1台減らし、空いたスペースに子ども連れの親御さんが座れるようなゆとりを持たせています。患者さんは皆さん緊張して来ているので、圧迫感を感じさせないオープンな雰囲気にして、リラックスしていただけるよう心がけています。

地域での啓発活動などはされていますか?

子どもや若い世代だけでなく、高齢の方向けの予防教室を開いています。予防に興味があるけどやり方がわからないというお年寄りも多いので、正しい歯磨きの方法を指導するなどしています。お口の健康と全身の健康は深いつながりがあって、そのことも知っていただけるようにしたいですね。高齢になると何かしら持病があって当然です。持病がきっかけでお口の中の状態が悪くなることもありますし、歯を治療することで持病の改善につながることもあります。診療では、患者さんが入り口に入った時から歩き方などを見るようにして、全身の状態も意識するようにしています。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

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毎日たくさんの患者さんと接して思うのは、「自分は人が好きなんだな」ということです。歯科医師としての土台は人の縁から生まれたものが多く、患者さんに対しても人と人とのお付き合いを大切にしたいと考えています。その点はスタッフみんなにも伝えていることで、歯のことはもちろん、何か困っていることがあれば自然と手を差し伸べられるようにクリニック一同で心がけています。また、地域の皆さんのニーズに応えられるよう、予防という軸をしっかりと持ちながら、専門性を生かしてインプラント治療に対応したり、矯正治療を行える体制もいずれ整えたいと考えています。皆さんのかかりつけ医として、何かあった時だけでなく、「顔を見に来た」「お茶を飲みに来た」と気軽に来てもらえる場所をつくり、長くお付き合いをしていきたいです。

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