川崎 次雄 理事長、川崎 雄一 院長の独自取材記事
川崎歯科医院
(平塚市/平塚駅)
最終更新日:2021/12/08
平塚駅から歩いて3分の場所にある「川崎歯科医院」。1938年の開業から80年を超える歴史に培われたスタイルを大切にしつつ、デジタル化にも積極的に取り組んでいる。院内に足を踏み入れると、木のぬくもりを生かした空間が広がる。革張りのチェアとスピーカーから流れるクラシック音楽が、さらに居心地の良さを演出してくれる。笑顔で迎えてくれたのは川崎次雄理事長と川崎雄一院長。「先を見越した計画を立て、トータルに治療していくのが当院のスタイル」と異口同音に語り、治療の質に磨きをかけている。10年や20年先もできるだけ再治療をしなくて済むように、患者の口腔内を安定した状態に保つことが目標だという。そんな2人に、同院のめざす歯科医療について話を聞いた。
(取材日2020年11月21日)
将来を見据え、口腔単位でのトータルな治療に取り組む
80年を超える歴史を持つそうですね。
【川崎理事長】1938年に私の父が開設した歯科医院を引き継ぎましたから、80年を超えて診療を続けていることになります。現在は3代目である院長を中心に診療しています。2012年に改築をして、昔ながらの木のぬくもりと居心地の良さを追求した空間に。玄関ドアやキャビネットは開業以来のものを復元して使っています。
【雄一院長】父が祖父から受け継ぎ、私自身も継承したスタイルは大切にしつつ、新しいものも取り入れて発展させていくというのが当院のめざすところ。デジタルレントゲンや歯科用CT、マイクロスコープなど、新しい技術も積極的に導入し、伝統と革新の融合に取り組んでいます。
こちらの歯科医院の特徴を教えてください。
【雄一院長】法人名の「ORC」は「オーラルリハビリテーションクリニック」の略なんです。当院では、将来を見据えた口腔内の機能回復に軸を置いた診療を行っているのが最大の特徴です。虫歯や歯周病などの症状を単体で治療するのではなく、お口の中全体を広く見渡して、包括的な環境改善を図っていきます。噛み合わせの少しのズレも見逃さないよう、精密な治療を広範囲にわたって行う必要があるため、お一人にかける治療時間も一般的な歯科医院に比べて長めとなっています。
【川崎理事長】噛み合わせや歯並びの悪さは、見た目だけでなく健康に大きな影響をもたらすことがあります。当院は、10年後や20年後という長いスパンでの治療をご提供することをめざしていますから、口の中全体を改善して、安定した状態を作り出すということが必要になってきます。
治療前のコンサルテーションにも時間をかけていらっしゃるそうですね。
【雄一院長】診療時間後の夕方に時間を設け、1時間半から2時間をかけてお話しすることが多いです。エックス線や歯科用CT、口腔内スキャナーなどで得られた画像データをお見せして状態を細かく解説し、最終的な治療のゴールをイメージしていただきながら、行うべき処置についてご説明します。お悩みや予算、治療期間などについても相談に応じています。もちろん提案のすべてを受け入れていただく必要はなく、複数のプランの中から患者さんが納得できる治療内容で進めていきます。
【川崎理事長】患者さんへのコンサルテーションは、1回では終わらない場合も多くあります。その場で決めるのではなく、一度家に帰ってご家族と相談してから方針を決定するということも可能です。
デジタルとアナログを使い分けての精密な処置
デジタル機器を積極的に導入していると伺いました。
【雄一院長】マイクロスコープ・歯科用CT・口腔内スキャナー・レーザーをそろえ、治療に役立てています。デジタル化によりより精密な情報を記録として残すことができ、そのデータを劣化することなく保存できるようになりました。従来の模型にあった破損や紛失の心配はほぼなく、置き場所も必要ありません。型採りも石膏を使わずに口腔内スキャナーで撮れますから、廃材やカスが出ないという点ではエコとも言えますね。デジタルでできる範囲は年々広がっており、当院ではアナログをデジタルに置き換えている最中です。将来的にはデジタルの比率はますます上がるでしょう。しかしアナログな手作業がなくなるわけではありません。機械の進化や世の中の動きを見ながら、デジタルとアナログを使い分けていければと思っています。
デジタルとアナログ、双方の良さを生かしているんですね。
【雄一院長】当院では虫歯の治療から口腔外科的な処置まで、すべての治療にマイクロスコープを使用しています。歯科衛生士用のユニットにもマイクロスコープを設置して、クリーニングにも活用しているんですよ。肉眼では目視が難しい部分まで確認が行き届き、デジタルならではの細かな部分まで行うクリーニングを提供しています。口腔内の状態を即時にタブレット端末でシェアし、患者さんと一緒に確認することも可能です。一方、アナログにデジタルが追いついていない作業もあります。例えば「かぶせ物」ですが、丁寧な手作業にはデジタルはまだまだかなわないでしょう。
院内ラボに歯科技工士が常駐しているそうですね。
【川崎理事長】私が診療を始めた当時より、もう40年近くこの体制です。技工士が直接患者さんと会って、生の声を聞き、形や色などを確認した上で作ります。
【雄一院長】9割が院内技工ですが、口腔内スキャナーを使ってCAD/CAMで技工物を制作することもあります。院内ラボで作製が難しいものについては外注していますが、その際も必ず技工所へ赴き、技工士と直接話をします。データだけを渡して、あとは丸投げということはしません。写真は必ずこちらで用意し、撮影の際も実物と同じ色を出せるよう常に考えています。現段階では効率性のあるデジタルとクオリティーの高さでのアナログを使い分ける必要があり、両者のバランスを常に考え、ベストな道を模索しています。過渡期にある技術は現場で磨かれるべきという考えです。
次のステップは「顔貌との調和」
インプラントや矯正にも力を入れていると伺いました。
【雄一院長】インプラントは私の得意な治療の一つ。CT撮影により精密なシミュレーションを行った上で、マイクロスコープを応用しながらインプラント手術を行っています。骨移植の処置も行っており、骨の厚みが薄いケースにも対応しています。歯列矯正は子どもの頃から行うものというイメージが強いですが、最近では大人になってから矯正を希望する患者さんが増えてきました。従来のワイヤーを用いた方法のほか、お一人お一人に合わせてカスタマイズしたマウスピース型の装置を装着して、歯を動かしていく矯正方法もあります。マウスピース型の装置は取り外し可能性で衛生面でも強みがあり、ワイヤーでよくあるような、お口の中を傷つけることもありません。透明で目立ちにくく、これまで器具の見た目で矯正に踏み切れなかった方にも選ばれています。
今後の展望をお聞かせください。
【雄一院長】歯科医療の進歩により「歯をきれいに残すこと」は達成をめざせるような時代になりました。次のステップは「顔貌との調和」です。顔全体をトータルで診ていきたいと思っています。今注目しているのは、表情も含めた顔全体の3DCGを活用する技術。「笑った時にどう見えるか」を確認しながら、歯列をデザインしていくんです。さらにその先のステップとして、顎関節や噛み合わせとの連動を考えています。歯そのもの、見た目や表情、関節の動き。あらゆる角度から総合的に診るのがこれからの歯科医療の形だと考えています。患者さんのご希望やお口の状態に合わせ、あらゆる選択肢を提供できるクリニックでありたいですね。
最後に読者へメッセージをお願いします。
【川崎理事長】ご紹介やクチコミなどで当院のスタイルを知り、将来を見据えたトータルな治療を求めて来院される方が多くいらっしゃいます。そうしたご期待に添えるよう、これからもクオリティーの高い治療を追求し続けていきたいです。
【雄一院長】当院の特徴の一つは「時間をかけたコンサルテーション」です。1時間半から2時間をかけて行うのは、患者さんにお口の状態をきちんと知ってほしいから。そして治療期間や費用についての不安を解消し、納得してもらってから治療に入ってもらうためです。信頼関係がないと、総合的な治療を進めるのは難しいですからね。皆さんも気軽に相談できるクリニック、信頼できる歯科医師を見つけてください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療(上部構造含む):40万7000円
GBR法(骨再生誘導法):4万5000円~
マウスピース型装置を用いた矯正:50万円~80万円
歯列矯正:55万円~110万円
前歯部審美補綴:11万~16万5000円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。