飯野 新太郎 院長、飯野 弘和 副院長の独自取材記事
飯野歯科
(名古屋市天白区/平針駅)
最終更新日:2026/03/24
平針駅から車で5分ほどに位置する「飯野歯科」。先代が1964年に開院して以来、60年以上地域住民の口腔の健康を支え続けてきた。歯学博士であり、歯科衛生士専門学校で校長も務める2代目院長・飯野新太郎先生と、根管治療を専門に経験を積んできた、3代目にあたる飯野弘和副院長が診療を担う。同院のモットーは「できる限り患者自身の歯を残すこと」。互いの得意分野を生かしながら技術を磨き合い、患者との信頼関係を大切にした診療を行っている。「やはり大切なのはコミュニケーションです」と朗らかに、そして誠実に語る2人。変わりゆく地域のニーズに合わせた新たな取り組みや、これからも変わらず大切にしていきたい方針について、詳しく話を聞いた。
(取材日2026年2月20日)
親子の知識と経験を共有し、一人ひとりの患者に尽くす
これまでのクリニックの歩みをお聞かせください。

【新太郎院長】当院は1964年に私の父が開院し、1988年に私が2代目院長に就任しました。代替わりの際に建て替えを行い、現在の建物となりました。そして、3代目にあたる息子の弘和が副院長として2024年からは常勤となり、現在は歯科医師2人の体制で診療にあたっています。ですので、3代にわたり、50年以上、地域の皆さまのお口の健康を見守ってきたことになります。当院は、平針住宅の団地内にあることもあり、幅広い世代の患者さんにご来院いただいています。3世代にわたって通ってくださるご家族や、引っ越し後も遠方から通ってくださる方もいらっしゃり、たいへんありがたく思っています。
弘和先生は、どのようなご経験を積まれてきたのですか。
【弘和副院長】愛知学院大学歯学部を卒業後、県内の歯科医院で臨床研修を経て、弥富市と津島市のクリニックに計8年ほど勤務しました。その後、緑区で5年間勤務し、2024年より当院に戻り、新体制となりました。いずれ当院を継承することを考えていたため、地域性の近い環境で経験を積みたいと思ったからです。勤務医時代は、特に「根管治療」や「歯周病治療」などを中心に、痛みを和らげたり、歯を長持ちさせるための治療など幅広い経験を積みました。
歯科医師が常勤2人体制になったことで、どのような変化がありましたか。

【弘和副院長】まず、施術時間も含めてお待たせする時間が減ったと思います。1人体制の頃は治療の合間にお待ちいただくこともありましたが、現在はより円滑に進められるようになりました。その結果、チェアに座っていただく時間の短縮にもつながっていると感じます。もう一つは、2人の得意分野や経験を持ち寄り、治療計画を立てられる点です。場合によっては、私と父だけで決めるのではなく、患者さんを交えて3人で相談することもあります。父は義歯、いわゆる入れ歯治療について、技工士学校の校長を務めていたこともあり、豊富な症例経験があります。私は根管治療といった神経の治療や歯周病治療に力を入れてきました。複数の視点から説明し、選択肢を提示できることは、治療の幅を広げることにつながっていると思います。
大切にしているのは「患者自身の歯を守るための治療」
診療において、重要にされていることは何でしょうか。

【新太郎院長】「一生、患者さんご自身の歯を使っていただく」ための治療を大切にしています。天然の歯に勝るものはありません。長く健康に暮らしていただくために、「いかに今ある歯を残すか」を常に意識しています。たとえ口腔内の状態が悪化していても、定期的な通院と適切な口腔ケアを続ければ、回復が見込める場合もあります。やむを得ず歯を失ってしまった場合には、ブリッジや入れ歯によって「1日3度の食事をおいしく噛めて、元気におしゃべりできるお口」を取り戻すことをめざします。入れ歯を装着する際も、土台となる歯をできる限り残して安定を図るなど、弱った歯を少しでも長く使えるよう工夫しています。根が割れている歯についても、症状や患者さんの希望を踏まえ、可能な限り残す方法を検討しています。
患者さんに接する際、心がけていることはありますか。
【弘和副院長】歯科医療では、やむを得ず抜歯を選択することもありますが、患者さんに「抜かれてしまった」と感じさせない対応を心がけています。どうしても残せない場合は、写真やエックス線画像を用いて現状や今後の見通しを丁寧に説明し、十分に納得していただいた上で判断しています。歯科医師が2人になったことで、これまで以上に説明の時間を確保できるようになりました。1人が治療を行い、もう1人が説明を担当することで、落ち着いてお話しできる環境が整ったと感じています。残せる可能性がある歯については、その方法やリスクも含めてお伝えし、患者さんと一緒に方針を決めていきます。「できる限り歯を残したい」という父の姿勢には、私も強く共感しています。その考えを自然な形で受け継ぎながら、患者さんに寄り添う診療を続けていきたいと思っています。
先生がお二人で診てくださって、とても手厚い診療体制ですね。

【新太郎院長】加えて、当院は歯科助手を置かず、スタッフは全員が歯科衛生士です。診療室はチェア2台のみですが、歯科医師と歯科衛生士が連携し、準備や予約対応まで診療の流れを理解した体制で運営しています。また、歯科衛生士は診療補助だけでなく、歯石除去や口腔ケアを専門的に行っています。歯石除去の際の機械音や水がしみる感覚が苦手な方も少なくありません。当院では、付着の程度やご希望に応じて、超音波機器だけでなく手用器具による除去も行っています。特に歯石除去が苦手な患者さんやお子さんには、痛みの少ない手作業での処置を中心に行い、できるだけ快適に治療を受けていただけるよう努めています。歯科衛生士が専門性を発揮できる体制も、当院の特徴の一つです。
「痛いときに、いつでも診てくれる」地域の頼れる存在
これから力を入れていきたい治療はありますか?

【弘和副院長】小児の歯並びや生活習慣の予防に、今後さらに力を入れていきたいと考えています。運動や専用の器具を取り入れながら、舌を正しい位置へ導き、口呼吸から鼻呼吸へと促すことで、お子さんの成長に合わせた健やかな口腔環境を育てることを目的としています。整った歯並びをめざすことで歯が重なりにくくなることが見込め、磨き残しの減少が期待できます。結果として、生涯にわたる虫歯や歯周病のリスク軽減にもつながりますので、小さな頃から正しい習慣を身につけていただきたいですね。開始時期は年齢で一律に決めるのではなく、お子さんの意欲や理解度、保護者のご希望を踏まえて判断していますので、お気軽にご相談ください。
長い歴史の中で、患者さんの世代層にも変化があるのですね。
【弘和副院長】そうですね。当院のある平針住宅の再建に伴い、お子さんや若い世代の患者さんが増えてきました。地域の幼稚園の園歯科医や障害者施設への訪問など、地域に根差した活動にも積極的に取り組んでおり、そうしたつながりを通じて来院されるご家族も多いですね。一方で、長く通ってくださっている患者さんがご高齢になり、通院が難しくなるケースも増えてきました。そのため、ご自宅や入所施設への訪問診療も行っています。実は、開院当初から診察券には自宅の電話番号も記載しているんです。診療時間外であっても、痛みを我慢してほしくないという思いからです。昔ながらの「痛いときに、いつでも診てくれる」「困ったときは、いつも助けてくれる」存在でありたい。そんな地域密着のかかりつけ歯科医院であり続けたいと思っています。
今後のご展望と、読者へのメッセージをお願いいたします。

【新太郎院長】息子への継承も順調に進んでおり、世代交代の形が少しずつ整ってきました。とはいえ、当院の軸はこれからも変わりません。長年通ってくださっている患者さんとの信頼関係を何よりも大切にしながら、これまでの歩みを振り返りつつ、地域の皆さんのお口の健康を守っていきたいと考えています。昔からの患者さんとは、これまでの経緯を共有しながら、今の状態を丁寧に確認し、これから先も安心して通っていただける診療を続けていきたいですね。
【弘和副院長】大切にしてきた診療の方針はこれからも変わりません。その上で、子どもの口腔習癖や機能面へのアプローチなど、近年注目されている分野にも必要に応じて取り組んでいきたいと考えています。新しい知見も取り入れながら、地域の皆さんにとって身近で頼れる歯科医院であり続けられるよう努めてまいります。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

