山口 貴史 理事長の独自取材記事
医療法人明貴会 山口歯科医院
(京都市上京区/神宮丸太町駅)
最終更新日:2022/06/28

「最良の歯科医療の提供を通じ、生涯の健康に貢献する」を診療理念に、患者一人ひとりに合わせたオーダーメイドの治療の提供をめざす「医療法人明貴会 山口歯科医院」。山口貴史理事長はインプラント治療のエキスパートとして、現在までに多数の症例の治療にあたってきた。初診から診療後のメンテナンス管理までをシステム化した「MTP(メディカルトリートメントプロトコール)」と名づけ、生涯の健康につなげる治療を重視している。また、院内教育にも力を注ぎ、多くのスタッフの学びを促進している。「医療にとって大切なのは優しさ・思いやり・愛情・正義感」と語る山口理事長にインプラント治療や診療に込めた思い、今後の展望、趣味の日本拳法やサーフィンについて話を聞いた。
(取材日2019年11月27日)
最良の歯科医療の提供を追求し、生涯の健康に貢献する
まずは開院までのご経歴についてお聞かせください。

1982年に大阪歯科大学を卒業後、歯内療法学教室に入局し、研修を受けながら勤務医として働いていました。研修では補綴学や口腔衛生を専門とする先生や、治療のフォームをトータルにコーディネートする先生に弟子入りし、この時に現在の診療理念である「最良の歯科医療を提供することにより、患者さまの生涯の健康に貢献する」ことの大切さを実感しました。当時からインプラント治療に興味があったものの、まだ日本では情報が乏しかった時代。近代インプラント発祥の地であるスウェーデンに渡り、そこで専門の先生につきインプラント治療を学びました。そして、1986年に当院を開院。インプラント治療を本格的に開始したのも早い時期からでした。
開業場所にこの地を選んだ理由や患者層についてお教えください。
私が生まれも育ちも京都であること、またこの辺りは京都の中心で環境も良く、どこからでも来やすいことから開業場所に選びました。患者層はクリニック全体で見るとお子さんから高齢者までと幅広いですが、インプラント治療だけで見ると年齢は高めですね。近隣の方はもちろん、インプラント治療では、北陸・中部・四国といった近畿圏以外の地域はもとより、オーストラリアやイギリスからもいらっしゃいます。中には「歯がまったくない」「ほかで断られた」「何とか歯を作りたい」と来院される方もいらっしゃいます。
現在までに、多数のインプラント治療を手がけられたそうですね。

開始当時からスウェーデンの診療システムを取り入れ、問診、検査、エックス線、歯科用CT、血液検査、必要があれば主治医の先生に対診を取り、その後、治療のメリット・デメリットを説明して……というふうに、手順を丁寧に踏んでインプラント治療を行ってきました。この診療の流れは今も変わらず、保証や治療後のメンテナンス管理も確立しています。また、インプラントの専門知識を持つトリートメントコーディネーターが、治療期間やオペ前後の過ごし方、費用や支払い方法、保証や医療費控除などについて患者さまに寄り添って相談に乗り、トラブルのないよう努めています。
診療後のメンテナンス管理まで視野に入れたシステム
「MTP(メディカルトリートメントプロトコール)」とはどういったものなのですか?

当院の診療理念を具現化するための診療システムで、初診から診療後のメインテナンス管理までをシステム化したものです。これまでの虫歯を削って治していくという治療と違い、診療後のメインテナンス管理まで視野に入れ、口腔の健康だけでなく生涯の健康に貢献することを目的としています。治療の流れとしては、まず初診で「問診票」に希望・過去の病気・アレルギーなどを記入してもらい、問診票に基づいて「問診・口腔内診査」を行った後、痛みがある場合は「応急処置」をします。次に、歯科衛生士が口腔内の写真を撮影し、歯ぐきの炎症レベルを確認していきます。そして、歯科医師が治療計画を提示し、専任のトリートメントコーディネーターが患者さまに治療の選択肢・治療費・治療期間などをわかりやすく説明し、患者さまに納得していただいてから治療をスタートします。
専任のトリートメントコーディネーターの役割を詳しく教えてください。
患者さまと歯科医師の橋渡しをする専門のスタッフです。インプラント治療は自費診療になりますから、治療内容について十分に説明し、患者さまに納得していただくことが大切。最良の歯科医療は、患者さまによって異なりますので、トリートメントコーディネーターは一人ひとりの生活背景やご予算、ゴールのご希望を伺い治療計画を選ぶお手伝いをしています。具体的には治療費や治療期間、「どのような歯が入るか」「手術後はどうなっていくか」などの資料を作ってわかりやすく説明し、治療期間中はもちろん、治療が終わりメンテナンスに移行した後も親身に対応しています。
診療ではどのようなことを心がけていますか?

武士道の精神では「仁」という言葉で表される、優しさ・思いやり・愛情を持つことを心がけています。そしてもう一つは正義の「義」。人として正義を守ることを大切にしています。また、医療は患者さまを中心としたチーム医療ですから「和」を重んじ、患者さまとクリニックとの信頼関係を築き、礼儀と節度を守ることは必要不可欠。さらに「この患者さまはなぜこうなったのか」「今までの生活習慣はどうだったのか」など物事の本質を見るために、さまざまな知識・技術の習得と向上に努めています。
全身まで視野に入れた診療を
院内教育にも力を入れているそうですね。

当院には歯科医師をはじめ、歯科衛生士・歯科技工士・トリートメントコーディネーター・歯科助手・受付・事務といった多くのスタッフが在籍しています。その全員が医療人としての自覚を持ち、高度な技術と豊富な知識を患者さまに提供できるよう、院内教育に力を入れており、収益の半分を投資しています。私一代で終わらせることなく下に引き継いでいけるよう、これからも院内教育には力を入れていきたいですね。
先生は日本拳法5段の腕前と聞きました。ご趣味や日々続けていることがあれば教えてください。
40年にわたって、日本拳法とサーフィンを続けています。武道には「千日の稽古をもって鍛とし、万日の稽古をもって錬とす」、つまり約30年間毎日稽古をしてようやく鍛錬に行きつくという言葉があります。私自身はすでに1万日を越しましたが、まだ少し鍛錬には届いていない気がして続けています。サーフィンはよく「日本拳法と対照的」といわれますが、こちらも命がけで波に乗るスポーツ。命がけという意味では日本拳法もサーフィンも本質は同じです。日々続けていることは毎朝6キロほど走って、50メートルダッシュをし、それから腕立て伏せ。時間に余裕があるときは道場でサンドバッグを叩いて、ヨガをしています。
今後の展望についてお聞かせください。

口の中は健康のゲートウェイです。当院はこれまで口の健康を守ることを一番の目的としつつ、インプラント治療にも着目してきました。そして今、「さらに上のレベルの健康を保つにはどうしたらいいか?」ということを考えています。例えば口の中の金属。銀やパラジウム、そして中には水銀が入っている方もいらっしゃいます。近年、口の中の金属がさまざまな体の不調と関連している可能性が指摘されています。近い将来、それを取り除くということも、歯科医師が分担して行うべき分野になるのではと考え、少しずつ情報を集めています。
最後に読者へのメッセージをお願いします。
30代に入ると口腔内の状況には個人差が出始めます。健康な方もいれば、歯周病に悩んでいる方、歯を欠損されている方もいらっしゃるかと思います。そして40代、50代になるとまったく歯周病がないという方は少数派になってきます。また近年、歯周病と全身の疾患との関連性も指摘されています。口腔内と体を健康に保つには、歯科衛生士とタッグを組んで口の病気をケアし、予防を継続することが大切です。また、口腔内の機能を回復するためのインプラント治療は、きちんとした技術で正しい手順を踏んで行えば、非常に有用な治療法といえるでしょう。実際、インプラント治療後、30年近くメンテナンスだけで状態を保っている方もいらっしゃいます。当院では新たな優れた技術・機器を取り入れることに継続的な努力を払っていますので、歯やお口のことでお悩みの方はお気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/1本 49万5000円~