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原口 尚士 院長の独自取材記事

原口外科胃腸科肛門科内科

(霧島市/隼人駅)

最終更新日:2025/05/15

原口尚士院長 原口外科胃腸科肛門科内科 main

鹿児島県霧島市の隼人地区は古事記にも登場する神話ゆかりの地だ。JR日豊本線・隼人駅から徒歩3分ほどの場所にある「原口外科胃腸科肛門科内科」は、昭和から令和の時代という長い期間、地域住民の健康を見守り続けてきた。院長を務める原口尚士先生は、消化器内科を専門とし、肛門疾患や生活習慣病にも精通する経験豊富なベテランドクター。同院は地域に根差したクリニックとして、体の不調に対する総合的な診療を行い、ケガなどの外科処置にも対応する。原口院長は、特に検査に重点を置き、地域の病院と連携しながらがんの早期発見・早期治療に努めている。「患者さんの喜ぶ顔を見ることが医師としてのやりがいです」と、語る原口院長に、地域医療にかける熱い思いをじっくりと聞いた。

(取材日2025年3月27日)

歴史あるクリニックを継承し、地域医療に貢献する

こちらはお父さまの代から続くクリニックだそうですね。

原口尚士院長 原口外科胃腸科肛門科内科1

私の父が1960年代に開院して以来ここで診療をしていますので、家族3世代で通院してくださっている患者さんもいらっしゃいます。私は鹿児島医療センターなど鹿児島県内の複数の病院で研鑽を積んだ後に当院を継承しました。地域密着型のクリニックですから、お子さんからご高齢の方まで幅広い年代の診療を行っています。私は消化器内科と肛門内科を専門としているので、消化器の不調を診る割合が比較的高いですが、生活習慣病が心配になりご相談にいらっしゃる患者さんも多いです。他には、ケガをしてしまった方や犬や猫に噛まれてしまった方などの外科的な処置も当院で対応いたします。当院には長年勤務しているスタッフが多く、患者さんとのコミュニケーションもスムーズで、とても頼もしい存在ですよ。

原口先生が医師をめざされたきっかけを教えてください。

やはり父親の影響が大きいですね。とにかく真面目に、人のために役に立つ仕事をしている姿を間近で見てきましたから。父の専門は消化器疾患と肛門疾患でしたが、昔はこの周辺に医療機関が少なかったこともあり、父はどんな症状の患者さんであれ「まずは診る」というポリシーで診療を行っていました。私も父の方針を受け継いでいますから、内科から外科の領域まで多様な診療を行うスタイルは変わっていません。また、父は忙しい診療の合間を縫って消化器内視鏡や大腸肛門病についての論文を書いたり、胃と腸に関する医学雑誌に寄稿したり、研究熱心な人でもありました。私は父から早期胃がんをはじめ肛門疾患や診断と治療についてさまざまなことを学びましたし、私自身も肛門管がんの研究に力を入れています。

がんの早期発見に注力していると伺いました。

原口尚士院長 原口外科胃腸科肛門科内科2

がんが進行すると手術や抗がん剤・放射線治療が必要になり、転移のリスクも高まります。患者さんご自身が非常につらい思いをすることになってしまいますので、微小ながんを発見して、治療のできる適切な医療機関に患者さんをつなげることが当院の重要な役割だと考えています。私が検査を重視しているのは、初期のがんは痛みなどの自覚症状がないことが大きな理由です。病気の見落としがないよう、消化器は内視鏡や超音波の検査機器に加えて、呼吸器の疾患には先進のAI技術を用いたデジタルエックス線撮影装置を導入して検査を行っています。また、当院では鹿児島大学病院と連携し、非常勤の医師も診療にあたっています。甲状腺と乳腺の検査を定期的に行う体制も整え、全身的な検査ができる環境づくりを強化している点が当院の特徴です。

内視鏡検査と肛門疾患の診療に注力

がんを早期に発見するためには、きちんと検査を受けることが必要なのですね。

原口尚士院長 原口外科胃腸科肛門科内科3

もちろんです。健康診断で異常を指摘されたら放置は禁物ですし、健康診断を受ける機会がない方であっても、2~3年に1回は医療機関で検査を受けていただきたいです。当院では特に内視鏡検査に力を入れているのですが、その中で私が大切にしていることが3点あります。1つ目は安全性。2つ目は病気の見落としをしないこと。3つ目は検査の苦痛をなるべく和らげることです。恐怖心や不安感が強い方や消化管に炎症がある場合は、内視鏡検査に苦痛を伴う可能性が高くなりますから、性能の良い内視鏡カメラを用い、さらに挿入技術を磨いて苦痛のないように努めています。患者さんの体の状態をしっかり把握して、安心して内視鏡検査を受けていただけるよう細心の注意を払っています。

原口先生のご専門である肛門内科の診療についても教えてください。

内痔核の他にも肛門管の外側にできる血栓性外痔核など「痔」と呼ばれる症状は年齢問わず起こる病気です。それに、腸の炎症性疾患であるクローン病を患う方は痔ろうになるケースが多いです。痔の症状があっても市販薬で様子を見る方もいらっしゃいます。ただ症状が悪化してしまうと手術が必要になることもありますので、一人で悩まず医療機関で治療することをお勧めします。お尻の痛みがなくても、排便の際にトイレットペーパーに血がついていたり、お尻に違和感があったりする時は注意が必要です。また、便秘だけでなく、下痢の症状も腸に何らかの病気が隠れている恐れがありますので、肛門疾患を専門に診療している医師の診察を受けていただきたいですね。

肛門の疾患はどんな治療を行うのでしょうか?

原口尚士院長 原口外科胃腸科肛門科内科4

痔の治療には段階があり、まずは必要に応じて整腸剤を使用しながら、排便のコントロールをすることが最優先となります。専門的な基準に照らし合わせて便の硬さや排便の状況を調べ、理想的なお通じになるように管理していくのです。朝食をきちんと食べるなど規則正しい食事を心がけ、繊維質を多く含んだ食品を摂取することが大切ですね。とりわけ喫煙の習慣がある方は治りにくいです。痔の状態によっては、ALTA療法という内痔核に注射をすることで血管を退縮させるよう図り、症状の改善へつなげる治療法を選択します。症状が酷くなってしまっているケースであれば、手術ができる適切な医療機関をご紹介します。

「至誠一貫」をモットーに患者と向き合う

食事と運動の指導にも重点を置かれているそうですね。

原口尚士院長 原口外科胃腸科肛門科内科5

高血圧症や脂質異常症などの生活習慣病は全身に影響を及ぼしますから、日頃の食事と運動を見直すことが大切です。一般的に「この食べ物はどんな栄養があるのか」ということは何となく頭に入っていても、実際にバランスの良い食事ができているとは限りません。医師からのアドバイスが動機づけとなって、患者さんが食生活の改善を図ることができるように努力しています。運動に関しては、いきなり激しい運動をしようとすると、関節や筋肉を傷める原因にもなりますので、まずは散歩から始めることを勧めています。外出が難しい場合は座ってできるような体操レベルの運動でも構いません。それに仲間で声をかけ合って運動することも、モチベーション維持のために良いかもしれませんね。ただ頑張っているとつらくなることもありますので、苦しくなったら耳を傾けてお話を聞くことは常に意識していきたいです。

診療におけるモットーを教えてください。

何よりも誠実にということです。患者さんとのコミュニケーションでは、まずはお話を丁寧に聴くことから始まります。患者さんがどんな人なのか、どんな不安を持っているのか把握することが欠かせません。患者さんの気持ちは声のトーンだけでなく表情にも表れるため、お顔をしっかりと見ることも意識しています。それに、医学の世界はどんどん進歩していきますから、新しい医療に遅れないことも重要です。積極的に学ぶ姿勢を保ちながら、情報に広くアンテナを張ることに努めています。先ほども少しふれましたが、私が研究を続けてきた肛門管がんは非常に希少な病気でもあるため、専門的に診ることができる医師がまだ少なく、これから発展していく分野だといえるでしょう。

最後に読者へのメッセージをお願いいたします。

原口尚士院長 原口外科胃腸科肛門科内科6

体のことで何か心配事がある時は、医療機関に相談する習慣をつけていただきたいですね。「たぶん気のせいだ」と思って何もしないでいると、がんなどの病気が進んでいる恐れもあります。患者さんご本人はもとより、ご家族も大変な思いをすることがないように、重症化する前に治療を始めることが肝心です。私はかつて、ある会報に「地域の人々とともに生きてゆく診療所です」という言葉を書いたことがあるのですが、その思いはずっと変わっていません。患者さんの体のことを総合的に診て、地域の病院と連携を緊密に取りながら、適切な治療の道筋をつけていくことが当院の務めだと考えていますので、どんな小さなことでも遠慮せずお気軽にご相談ください。

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