川原 和也 院長、松本 秀一朗 先生、萱島 恒善 先生の独自取材記事
川原腎・泌尿器科クリニック
(姶良市/帖佐駅)
最終更新日:2026/05/29
姶良市西餅田で1998年に開業した「川原腎・泌尿器科クリニック」。同院を率いるのは、鹿児島大学医学部泌尿器科で医局長も務めた川原和也院長。泌尿器科や腎臓内科のほか、透析、性感染症、外科などに対応するとともに、17床を備えた入院施設、手術室、透析室と設備も充実。近隣の病院と緊密な連携を図りながら救急患者にも迅速に対応している。川原院長のほか、在宅で行う腹膜透析の専門家である松本秀一朗先生、総合病院の泌尿器科で長年研鑽を積んだ萱島恒善先生が在籍し、地域の医療を支えるクリニックだ。今回は川原院長・松本先生・萱島先生に、クリニックの特徴や地域への思いをたっぷりと聞かせてもらった。
(取材日2024年12月9日/情報更新日2026年5月27日)
専門的な治療と、幅広く面倒見の良い地域医療の要
医師を志したきっかけやご経歴をお聞きします。

【川原院長】医療関係の仕事とは関係のない家庭で育ちましたが、高校の先生の勧めで医学部を受験後、長崎大学医学部に進学し、15年間大学病院に在籍して泌尿器科の医局長も務めました。開業から27年たちましたが、自分の理想とする地域医療を実現し、多くの患者さんと関わってこられたことが人生において大きな財産となっています。
【萱島先生】幼少期に結核を患った経験から医師を志しました。先輩の声がけで泌尿器科を専門とし、佐賀県医療センター好生館や鹿児島市立病院にて泌尿器科全般の診療に携わり、2012年より当院で勤務しています。
【松本先生】北海道大学医学部卒業後、移植外科医として、北海道大学などで腎臓や肝臓などの移植医療に従事してきました。鹿児島に来てからは腹膜透析に力を注ぎ、2021年より当院で診療を行っています。
診療内容について教えてください。
【川原院長】腎臓疾患・尿管・膀胱・前立腺など、泌尿器科全般を診ています。手術に関しては内視鏡での膀胱がんや尿管結石、前立腺肥大症手術、透析導入に必要な内シャント造設術、腹膜透析の導入手術など幅広く行っております。入院中の回診は執刀医が担当しますので、患者さんには安心いただけるのではないでしょうか。地方のクリニックですから、腎・泌尿器科だけでなく内科的疾患などのご相談もたくさんいただきます。検査を行った際に胆石や膵病変などが発見された場合は、専門の病院をご紹介します。医療福祉や地域連携、急性期から慢性疾患までプライマリケアを行い、さまざまな悩みに対し面倒見の良いクリニックであると思っています。
どのような患者さんが来院されていますか?

【川原院長】幅広い年代の方がいらしていますが、特に多いのは高齢の方ですね。相談内容は尿漏れや血尿などの尿に関する悩みや、松本先生が行う透析治療のご相談、男性は前立腺マーカー検査で高値判定があったとか、女性だと膀胱炎や陰部への違和感などです。若い方は性感染症や、小さなお子さんですと夜尿症のご相談もあります。救急車も受け入れているので、激しい痛みを伴う尿路結石で運ばれてくる方もいらっしゃいますし、地域医療を支える前線のクリニックとして幅広い診療を行っています。
在宅での腹膜透析に注力
設備や治療の特徴はございますか?

【川原院長】血液透析室では患者さんの治療状況をリアルタイムで共有できる透析通信システムを導入しています。また松本先生による在宅で行う腹膜透析に力を注いでいます。前立腺肥大症の治療においては、高エネルギーのレーザーを用いて前立腺を内側から蒸発させるためにCVP(接触式レーザー前立腺蒸散術)を導入しています。切除と止血を同時に行うため出血リスクが低く、複数の薬を内服している方などにも行える手術です。尿管結石に関しては先進のレーザーを導入し、砕石効率が上がることが望め、従来の手術に比べ時間短縮が図れるのも特徴の一つです。また当院では前立腺がんに対して陽子線治療を行っているメディポリス国際陽子線治療センターと連携をしており、職員さんに毎週金曜日に来ていただいているため治療相談が可能です。
最近、先進の機器を導入されたと聞きました。
【川原院長】当院では前立腺疾患の検査や治療において、医療機器を活用した診療体制の整備を行っています。前立腺生検では、MRI画像と超音波画像を融合させる、MRI-USフュージョン前立腺生検システムを導入しています。MRIで「がんの可能性が高い」と判断された部位を直接狙って生検する検査です。前立腺肥大症に対しては前立腺組織用水蒸気デリバリーシステムを導入しました。この機器は、前立腺内に短時間の水蒸気を注入し、余分な前立腺組織を熱で縮小させるための機器で、ご希望があれば日帰りで行うことも可能です。また前立腺がんの放射線治療に際しては、前立腺内への金属マーカー留置と、前立腺と直腸の間に医療用ジェルで空間をつくるための機器を使い当院で施行し、治療精度に配慮した準備を行っています。
在宅での腹膜透析は、どのように行われるのですか?

【松本先生】腹膜透析とは自分のおなかを使う透析方法で、血液透析に比べて身体的負担が少なく、在宅で行える点が特長です。新たに透析を始める方の平均年齢は70歳以上と高齢化が進み、通院困難や入院中の患者さんも少なくありません。当院では鹿児島県全域から患者さんを受け入れ、約60ヵ所の訪問看護ステーションと連携し、在宅腹膜透析を支える体制を整えてきました。ご本人やご家族ができない場合は、アシステッドPDという地域包括ケアシステムを活用し、訪問看護師さんにお手伝いしてもらいます。在宅とクリニックを直接つなぐ技術を活用し、在宅でも医療機関と同等の質を保つことができるのです。自宅で最期まで過ごしたいという思いにも応えながら、患者さんの価値観を尊重する、共同意思決定を大切に日々診療にあたっています。
困った時にすぐに来られるクリニックへ
ご子息である川原一朗先生が帰ってこられたと聞きました。

【川原院長】一朗はこれまで、化学療法を含む腹腔鏡手術や泌尿器がん治療を中心に経験を積み、鹿児島県内の関連病院や急性期病院において、結石や前立腺肥大症に対する経尿道的手術など幅広い診療に携わってきました。現在はその知見を生かし、患者さんの利便性を大切にしながら、新しい治療にも積極的に取り組んでいます。また当院は、医師4人、看護師27人、臨床工学技士5人、事務・補助スタッフ10人の体制で診療を行っています。動線の工夫やデジタル機器の活用などで業務の無駄を減らし、ミスの防止と患者さんと向き合う時間の確保を大切にしています。現場に裁量を持たせ、食事会なども取り入れながら円滑なコミュニケーションを心がけています。
患者さんと接する際にどのようなことを心がけられていますか?
【川原院長】私たちにとって病気は日常ですが患者さんにとっては非日常ですので、患者さんが理解できるような説明をしています。些細な会話が生活背景を知るきっかけになることも多いので、例えば「今日は寒くて朝に霜が降ったでしょ」など話を振ってみるなど親しみやすく安心してもらえるよう接しています。
【萱島先生】専門用語は使わず、わかりやすい言葉や表現で患者さんに伝わるような説明をしています。検査結果がどうあれ、明確に事実をお伝えした上でどう解決していくかをしっかりお話ししています。
【松本先生】透析は命を預ける治療ですので、家族になったつもりで親身になって信頼していただけるよう心がけています。外来ではパソコンでなく患者さんの目を見て、訪問看護やIoT技術をフル活用し困ったことがあればいつでも対応するようにしています。
最後に読者や地域の方々へメッセージをお願いします。

【松本先生】知りたいことがある方はホームページから問い合わせができますので、日本中どこにいても相談に乗れます。腎臓の病気の悩みなど些細なことでも構いませんのでいつでもご連絡ください。
【萱島先生】ご不安なことがあればしっかりとお話を聞きますのでご相談ください。これからも目の前にいらっしゃる患者さんに対して、誠心誠意対応していきます。
【川原院長】2026年4月より泌尿器科の医師である息子の一朗が勤務し始めました。スムーズに承継できるよう補佐していきたいと思います。泌尿器科に関わらず他科の悩みでご相談に来られる方もたくさんいらっしゃいます。体のことで何か異常があれば、すぐに飛び込めるようなハードルの低いクリニックですので、いつでもお越しください。地域の方々にとって困った時すぐに「川原クリニックに行こう」と思っていただける場所であり続けたいと思います。

