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鶴留 一誠 院長の独自取材記事

つるどめクリニック

(鹿児島市/広木駅)

最終更新日:2021/10/12

鶴留一誠院長 つるどめクリニック main

2019年1月に鹿児島市田上台2丁目に開院した「つるどめクリニック」。院長を務めるのは愛知県の総合病院で診療経験を積んできた鶴留一誠先生。父親が開院していた「鶴留放射線内科医院」から名称を変更して継承した。父の代から内科の診療所として地域に親しまれてきた役割を担いながら、これまで培った消化器内科や内視鏡の専門知識と経験を生かした医療を提供している。「生まれ育った地元で働けることがうれしい。愛着のある地元で、地域の皆さまの健康のためのお手伝いをしていきたいです」と話す鶴留先生に、継承するまでの経緯から専門とする内視鏡検査のこと、患者との向き合い方まで、医療に真摯に取り組む姿勢についてじっくり聞いた。

(取材日2020年7月4日)

生まれ育った愛着ある地元でクリニックを開院

愛知県から帰郷されてクリニックを継承されたとのこと。そこに至った経緯を教えてください。

鶴留一誠院長 つるどめクリニック1

名古屋大学医学部で学んだのですが、卒業後は、愛知県安城市で基幹病院として高度な急性期医療を提供する安城更生病院に研修医として入りました。最初の2年間でいろいろな診療科を経験していくうちに、「がんに関わる診療を専門にしていきたい」と思ったんです。中でも自分の手技が生かせる消化器内科に興味を持ちまして、帰郷するまでの16年間は消化器内科の医師として内視鏡を専門に経験と知識を積んできました。しかし40代になったら医師として新しいステージで挑戦したいなと考えていたんですよね。ゆくゆくは故郷に帰るつもりで仕事をしてきましたので、そろそろそういう時期が来たかなと、開業する1年ほど前から定期的に鹿児島に帰省して、父親の診療所を継ぐ準備を始めていたんです。そんな矢先に父が病に倒れてしまい、開業が早まりました。

クリニックがあるこの地域は昔、鶴留団地と言われていたそうですね。

そうなんです。クリニック周辺の土地を祖父が造成したため、この地域は以前より鶴留団地と呼ばれていました。今でもクリニック周辺の公園は、鶴留公園といって当時からの名前が残っています。昔からこの周辺に住んでおられる方から「あなたのおじいさんにはお世話になったのよ」と話を聞くことが今でも度々あります。そこに父が診療所を開院し、そして私が昨年継承しましたので、この地域への愛着は並々ならぬものがあります。だからこそ、「何かあれば、つるどめクリニックに行こう」と思ってもらえるような、地域の皆さんに頼りにされる存在のクリニックになりたいですね。

開院して1年半。どんな患者さんが来院されますか?

鶴留一誠院長 つるどめクリニック2

患者さんの多くは近隣にお住まいで、父の代から利用してくださっている方ですね。生活習慣病の中高年の患者さんが大多数ですが、「少し熱っぽい」などの風邪の症状や「おなかが痛い」「何となく具合が悪い」などのさまざまな症状で来られます。父がこれまで一般的な内科診療所として幅広い内科の症状に対応していましたので、その役割はしっかりと引き継いでいきたいです。それと、ここ周辺は坂道に沿って家が点在する住宅街ですので、運転免許を返納された高齢の方は少々不便に感じていらっしゃると思いますから、皆さんの行動範囲が狭くなった分、日々の健康面でサポートしていきたいですね。また、私が専門に学んできた内視鏡検査を受けられる患者さんも徐々に増えてきているところです。

進歩する内視鏡検査で「つらい」というイメージを払拭

クリニックの特徴である内視鏡検査について教えてください。

鶴留一誠院長 つるどめクリニック3

内視鏡検査は、主に胃や腸などの消化器官に関する病気の早期発見と治療のために行います。方法としては、1cmほどのスコープを、胃カメラは口または鼻、大腸カメラは肛門から挿入して消化器官内の検査をしていきます。胃がんや大腸がんは早期に発見できれば完治がめざせますので、少しでも気になる症状があるなら、ぜひ検査を受けてほしいですね。とは言いますが、多くの患者さんが「内視鏡検査は痛くてつらい」というイメージを持たれているのではないでしょうか。つらさを理由に、検査に二の足を踏む方も多いかと思われます。当院では、気軽に検査を受けていただくために、できるだけ苦痛の少ない内視鏡検査の方法を追求して行っています。

下剤を飲まない大腸カメラの検査があるそうですね。

大腸カメラは検査前に2リットルもの大量の下剤を飲んで腸をきれいにしてから行う検査で、その検査前の下剤を飲むのが苦手だと言われる方が多くいらっしゃいます。そういう方のために行っているのが内視鏡的洗浄液注入法という「下剤を飲まない大腸カメラ」検査です。手順としては、まず鎮静剤で眠った状態のままで胃カメラを行います。そして胃カメラでの観察が終わると、そのカメラを通して下剤を胃や十二指腸に直接、投与します。そうすることで検査前に多量に下剤を飲む必要がなくなり、検査前の前処置に要する時間も短くなりますので、それに伴って検査時間も短縮されます。

検査のために環境面で工夫されていることはありますか?

鶴留一誠院長 つるどめクリニック4

患者さんに安心して検査を受けていただけるよう環境面にはこだわりました。その1つが、大腸カメラを受けるための前処置室として設けたトイレつきの個室です。検査前の準備時間をトイレつきの個室で過ごせるのは、患者さんにとって大きなメリットになると思います。また、前処置室の室内は白を基調とした清潔で明るい雰囲気になるようにも心がけました。その他にも、インターネットでのウェブ予約も可能にして、休診日や夜間などでも予約できるようにしました。下剤を飲まない大腸カメラ検査は、同じ日に胃カメラと大腸カメラの両方が受けられるので、検査のために何度も足を運ばなくてはならないという負担も軽減できると思います。近年の内視鏡技術は格段に進歩していますので、苦痛も以前より少なく、より精密な検査を行うことが可能となっています。

地域から頼りにされる存在のクリニックになりたい

先生が医師になられたきっかけを教えてください。

鶴留一誠院長 つるどめクリニック5

私が医師をめざしたきっかけとなると、やはり父親の影響が大きいですね。父は私が通っていた小学校の校医もしていましたから、健康診断になると学校に来るんです。白衣姿に聴診器でみんなの健康を順番にチェックしている父の姿を見て、かっこいいなと憧れましたね。それと、私が中学生の時になりますが、祖父が病気になりまして、父の診療所に入院したんです。そのまま祖父をこの診療所で看取ることになりましたが、その時に父親のやっていることは命に関わる仕事なんだと心に強く感じてまして、自分も将来、こういう仕事がしたいと思いました。父親の背中を見ながら自然と医学の道に進んだという感じです。

患者さんを診察されてきた中で印象に残っていることがありますか?

若い頃は勤務医として大勢の患者さんを診てきました。忙しい病院勤務の中では、目の前にいる患者さんの治療にがむしゃらに向き合う日々を送ってきたように思います。その中で印象に残っている事例を上げることは難しいですが、例えば、うまくいった症例はあまり覚えていないものです。患者さんが完治することが前提で治療を行っていますから。終末期の患者さんやそのご家族より「先生に診てもらって良かった」と言ってくださる言葉を聞くと、この仕事へのやりがいをすごく感じました。今回の開業でその役割を担うことはなくなりましたが、反対に、今は学んできた専門性を発揮して、内視鏡検査でがんを早期発見し、治療につなげていきたいです。

今後の展望を教えてください。

鶴留一誠院長 つるどめクリニック6

地域のクリニックに求められるのは、全般的な広い疾患に対応できることだと思います。だからこそ、来院された患者さんとはできるだけ時間をかけて一人ひとりと向き合い、会話をしながら診察するように努めています。これからも内科医師としての勉強を続け、地域の皆さまの健康増進のために力を尽くしていきたいです。同時に専門的な分野でも「ここで検査を受けて良かった」と言ってもらえるような丁寧な検査を心がけていきます。

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