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村田 博 院長の独自取材記事

村田内科・胃腸科

(宮崎市/佐土原駅)

最終更新日:2022/04/07

村田博院長 村田内科・胃腸科 main

JR日豊本線佐土原駅から徒歩10分。佐土原総合支所の北側にある「村田内科・胃腸科」。現在院長を務める村田博院長の父が開業した診療所で、建物は約60年前に建てられたものだが、しっかりとした造りで内装はジェラルミン製のドアノブやユスノキを使用した床など、細部にもこだわりが見られる。手先の器用さを生かして東京で小児外科医を志した村田院長は、宮崎に帰郷後、内科を専門に学び、同院では高血圧症や糖尿病、脂質異常症、さらに気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)にも力を入れている。特に脂質異常症については専門的に取り組み、勉強会や日々の診察で得たデータを細かく分析し、診療に役立てている。医師として手を抜くことなく、やるべきことをやると、村田院長は語ってくれた。

(取材日2022年3月3日)

親子2代続く、地域の人々に頼られるホームドクター

医師をめざしたきっかけを教えてください。

村田博院長 村田内科・胃腸科1

先代の院長だった父の影響が大きいですね。父はもともと外科を専門に勉強していたんですが、町のかかりつけ医ということで内科や胃腸科の診察もしていました。父は真面目で、交通事故で脳の外傷を負う患者が増えてくると、病院を休んで脳外科を学びたいと考えたこともあるそうです。そんな父のもとで育ち、小学生の頃から病院の手伝いもしていましたから必然的に、将来は医師になるだろうという考えになっていましたね。昔は細いガラス管の中で糸を結ぶという、外科の医師が糸結びを練習するための道具がありました。それが自宅にあったので、子どもの時はそれを使い、遊びの延長として糸結びをしていたこともあります。

学生時代は小児心臓外科を学ばれたそうですね。

東京の帝京大学医学部に入学後は、手先の器用さを買われて小児外科への入局を志しました。当初は外科に進むつもりでしたが、父の病院のこともあったので、内科も勉強しようと思って結果的にそちらを選んだんです。大学を卒業した後、宮崎医科大学第1内科に入局しました。そこで知り会った同期や先輩方は、今でも講演会などを通じて交流が続いています。当時を振り返ると医局ではとても充実した毎日を送っていました。特に先輩たちは、人の命を預かる医師という職業の重要性や責任について何度も話をしてくれました。データ収集の大切さも教えてもらいましたね。図書館に通って、英語で書かれた論文を自分で翻訳しながら学びました。そのおかげで検索することが習慣になって、わからないことはきちんと調べて、データを分析するスキルが身につきました。

築60年の建物とは思えないですね。

村田博院長 村田内科・胃腸科2

年数がたっているので、建て替えの話も出たんです。父が建ててからずっとこのままですから。ただ、建物内部のデザインもそうですが、造り自体もしっかりしているので、昔と同じ状態で残したいと思いました。当時ジュラルミン製のドアノブは珍しかったと思いますよ。銘木と呼ばれるユスノキを床に使っていて、よく見れば窓のデザインも凝っています。細かい部分まで見ると、より一層楽しんでいただけるのではないかと思います。

脂質の分析と、糖尿病の食事指導に注力

脂質異常症に対する取り組みを教えてください。

村田博院長 村田内科・胃腸科3

脂質は特に力を入れている部分です。私は、脂質が悪くなれば動脈が硬くなって動脈硬化につながり、心筋梗塞や腎障害を発症すると考えています。最近では、高血圧や糖尿病は脂質が中枢ではないかともいわれているんです。循環で重要な部分は血管で、血管の内面に付着するのが脂質です。その脂質の状態によって、病気の予防や進行を食い止めることもできるのではないかと考えました。ですから、患者さんの脂質のデータはかなり詳しく収集・分析しています。加えて、佐土原地区で勉強会をほぼ毎月開催しており、脂質異常症などのデータ分析や診断、対処については、常に新しい情報を持っているつもりです。その情報を用いて、さらに患者さんの検査を詳細に行っていきます。

糖尿病の患者さんへの食事指導も熱心にされていると伺いました。

そうですね。今は糖尿病もいい薬が出ていますが、基本はやはり糖質制限などの食事管理だと思うんです。患者さんの中には、食事や食材に対して間違った認識を持っている方もいらっしゃいますので、そこを指導していくところから始めています。食事指導に関しては糖尿病の患者さんだけではなく、生活習慣病改善のためにも行っています。先日も、健康のためにと毎日蜂蜜と果物を使ったスムージーを飲んでいる患者さんに食事指導を行いました。健康に良いとされている食べ物も、過度に摂取すると体に悪影響を及ぼすというのはよくあることですので、患者さんの食事に対しては細かに介入していますね。

呼吸器系の疾患についても力を入れているそうですが、いつ学ばれたのですか?

村田博院長 村田内科・胃腸科4

宮崎に戻ってきてから学びました。当院は呼吸器系の疾患に力を入れて診察しています。気管支喘息や、喫煙が原因で起こる慢性閉塞性肺疾患(COPD)などですね。ただ、当院単体だとできることにも限界がありますから、必要に応じて専門の医師と連携するようにしています。子どもの頃からの知り合いでもある呼吸器に詳しい医師を患者さんに紹介することも可能です。

感染症対策も含めて、患者の立場になった診察を

こちらは、病院の施設・設備の一部を開業医に開放する地域の開放型病院の登録医療機関だそうですね。

村田博院長 村田内科・胃腸科5

はい。宮崎東病院の開放型登録医療機関に登録しています。当院の患者さんが宮崎東病院に入院した場合、私が宮崎東病院に出向いて診療できる仕組みです。要望や必要性があれば出向くかたちではありますが、患者さんにとっては安心できる仕組みではないかと思います。入院してもかかりつけ医との関係が途切れないというのは、心強くもありますよね。地域医療連携は古賀総合病院、宮崎市郡医師会病院、野崎東病院、善仁会病院などに登録しており、必要に応じて宮崎県立宮崎病院、潤和会記念病院、江南病院、宮崎医療センター病院の専門の先生に紹介しています。そして、紹介した病院に不安を感じる患者さんにはセカンドオピニオンとして宮崎大学医学部附属病院を紹介しています。

診察の際に心がけていることはありますか?

患者さんの話をよく聞くように意識していますね。話を聞かないとわからないこともたくさんありますから。それから今は感染症対策が気になる部分だと思うのですが、ケースバイケースで患者さん一人ひとりに合った対応をしています。気になる症状のある患者さんが来院されたら、ほかの患者さんと接触することがないような動線を考えます。場合によっては私が外に出て診察することもありますよ。そのために、簡易的ではありますが、院外の敷地内に診察室のような場所も設置しています。今後、感染症がどうなっていくかは誰にもわかりません。当院にできることは精いっぱい取り組んでいくつもりです。

最後に読者へメッセージをお願いします。

村田博院長 村田内科・胃腸科6

父がしていたように、私も地域に根差したクリニックとして診療を続けていきたいです。スタッフもいいスタッフばかりで、患者さんと積極的にコミュニケーションをとってくれるんです。接し方も丁寧ですしね。スタッフのおかげで、患者さんの情報もスムーズに知ることができます。患者さんはもちろん、スタッフ同士でも遠慮なく話せる雰囲気はこれからも大切にしたいですね。なんでも話せる関係性をつくるのは、簡単なようで難しいですから。私も患者さんとの会話を大事にして診察しています。

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