向井 尚一郎 院長の独自取材記事
向井 腎泌尿器科内科
(宮崎市/佐土原駅)
最終更新日:2026/09/24
宮崎市中心部より北へ車で20分ほどの佐土原町の旧10号線沿いにある「向井 腎泌尿器科内科」。腎泌尿器科疾患を専門とする院長の向井尚一郎先生は、地域のかかりつけ医として長年愛されてきたクリニックを継承し、2026年7月にリニューアルオープンした。新たに施したリフォームでは玄関にスロープを設け、バリアフリー化にし、デリケートな悩みの多い泌尿器科の特性を考慮してトイレをリフォーム。プライベートな悩みも気兼ねなく話せるよう問診室を設けたという。先進のエックス線検査装置も導入し、泌尿器科のがんの早期発見にも取り組んでいる。「車いすの方でも安心して治療を受けられるように、待合室には介助スペースを設けています」と穏やかな笑顔を見せる向井院長に、経歴や開業のきっかけ、治療方針などを語ってもらった。
(取材日2026年9月1日)
地域医療を支える「泌尿器科・内科のかかりつけ医」へ
開業のきっかけからお聞かせください。

実は開業は考えていなかったのですが、佐土原町で「さいとう医院」を開業されていた齋藤康先生をご紹介いただき、事業を継承することになりました。私は宮崎大学医学部附属病院で長く働いていましたから、年齢的にもゼロからのスタートよりも、このご縁を大切にしたいと考えました。齋藤先生の「地域のかかりつけ医」としての役割を受け継ぎ、地域の患者さんに寄り添っていきたいと思います。リニューアルオープンにあたっては、院内を全面的にリフォームしました。泌尿器科だからこそ、プライバシーに配慮した問診室を設けたり、トイレをリフォームするなど、患者さんの立場にたって設計しました。また、車いすの方も安心して来院できるように、待合室には介助スペースも設けています。クリニックのロゴマークは、佐土原町のシンボルであるクジラと宮崎らしい明るさをイメージしています。
どのような患者さんが多いでしょうか?
齋藤先生は大学の同門で、泌尿器科を専門にされていたんです。そのため、事業を継承する際には、齋藤先生から内科と泌尿器科の患者さんを引き継ぎました。特に高齢の患者さんが多く、現在は排尿トラブルに加えて高血圧などの内科的な管理も行っています。若い患者さんは尿管結石や腎結石、前立腺の炎症、性感染症などで来院されています。女性の患者さんは膀胱炎も多いようです。小児の包茎相談など、保護者の方からのご相談への初期対応も行っています。また前立腺がんをはじめ、膀胱がんや腎臓がんなど、泌尿器科のがんの早期発見にも力を入れているのが特徴です。
大学院では泌尿器科のがん治療を研究されていたそうですね。

学生時代は外科系に興味がありました。中でも腎泌尿器科は内科的・外科的手技を併せ持つ点に惹かれました。宮崎大学医学部附属病院泌尿器科に入局後は九州の関連病院をローテーションしながら経験を重ねました。症例数の多い鹿児島の新村病院や福岡の原三信病院では多くの手術を経験し技術を習得でき、他大学の先生方からも学ぶ機会が多く疾患や治療への理解を深めることができました。臨床経験を積む中で、泌尿器科のがん治療に強い関心を持ち、2003年に宮崎大学医学部附属病院に助教として戻ってきてからは同大学院での研究も開始しました。手術で摘出されたがん標本を解析した研究や、論文を国内外で発表するなどの経験は今でも患者さんへの説明に役立っています。2009年には泌尿器科の大学院講座の立ち上げにも携わり、後進の育成にも注力。2016年からは准教授として同病院で10年間実績を積み、開業を決意しました。
排尿トラブルから泌尿器科のがんの早期発見まで
診療で大切にしていることは何でしょうか?

患者さん一人ひとりに時間をかけて、丁寧な問診を行うように心がけています。当院では看護師が予診を行いますが、待合室とは別にプライバシーに配慮した問診室も設けました。泌尿器科は、人にはあまり聞かれたくない内容も多いですからね。必要な場合は私が早めに問診を兼ねた診察を行うなど、柔軟なチーム医療を展開しています。患者さんには、ぜひ安心してご相談いただきたいです。また、泌尿器科では前立腺がんが比較的多く、当院では泌尿器科のがんの早期発見にも努めています。過剰な検査は避けながらも、エコーや尿細胞診などを適切に選択し、疑わしい所見の診断を行うことに力を入れているのが特徴です。
先進のエックス線検査装置を完備しているそうですね。
AI機能が搭載された高画質の画像診断が行えるデジタルエックス線検査装置を導入しました。AIはあくまでも支援的役割ですが、私の経験だけでなく先進の機器なども駆使しながら、診断の精度向上につなげていきたいと考えています。長年の勤務経験から地域医療のネットワークもありますし、必要に応じて大きな病院や医療機関への速やかな紹介も行います。安心して相談していただけると幸いです。
泌尿器科疾患の予防について、何かアドバイスなどはありますか?

泌尿器科の症状はデリケートな悩みが多いですが、治療によって改善が期待できることもたくさんあります。予防に関しては、例えば健康診断で「尿酸値が高い」と指摘を受けた方は、尿管結石になるリスクが高くなるため、注意しなければいけません。尿管結石の予防には、水分をよく取ることが大切です。膀胱炎も水分摂取が大切ですが、頻尿になってしまう方もいますし、一概には言えない部分があります。なお、膀胱炎に関しては、発症前に何らかのストレスを抱えていたり、それによって免疫力が低下していたりする患者さんが多い印象です。
患者に寄り添い、気軽に相談できるクリニックをめざす
先生が医師を志した理由は何でしょうか?

私は長崎県壱岐市出身です。離島で育ったからこそ、地域で親しまれているドクターの存在が大きかったんです。自分自身が何か病気をしたわけではありませんが、島内の方々がお世話になっていたドクターを身近で見ていましたし、やりがいのある仕事だと感じました。長崎県の青雲高校を卒業した後、宮崎医科大学(現・宮崎大学医学部)へ進学しました。宮崎は人々も気候も温かく、初めて来たときから雰囲気のよい場所だなと思っています。大学では漕艇部に所属し、佐土原町の隣町である新富町富田浜公園でよく合宿や試合がありました。当時からこの地域には親しみがあり、開業したことで縁を感じています。
お忙しい毎日だと思いますが、趣味などはありますか?
趣味は熱帯魚の飼育です。専門の熱帯魚屋さんにお願いして、玄関には観賞用の水槽を設置しています。ずっと眺めていても飽きませんし、癒やされます。患者さんからも好評なんですよ。また、患者さんには健康維持のために有酸素運動を勧めていますが、私自身もなるべく体を動かすように心がけています。その他、健康のためには、プライベートでもストレスをためないように努めていますね。過食を避けたり、お酒を控えたりしています。
読者へのメッセージをお願いします。

泌尿器科では「尿の通り道」に関する疾患を扱います。生活の質に直結する疾患ですが、デリケートで相談しづらいイメージもあるかもしれません。しかし、治療によって改善が期待できるケースも多いのが特徴です。排尿のことで何かお困りがある方はもちろん、泌尿器科のがんへの不安などがある方は、遠慮なく受診してください。ちょっとした相談でも構いません。当院では患者さんの不安を軽減し、症状を改善できるように、一人ひとりに寄り添った診療を提供させていただきます。どうぞお気軽にご相談ください。

