野田 俊一 院長の独自取材記事
野田医院
(都城市/都城駅)
最終更新日:2026/09/30
大正時代から110年以上にわたって、たくさんの命の誕生を見守ってきた「野田医院」。都城市のほぼ中心地に位置し、地域の産婦人科医療を支えている。待合室には1915年開院時の看板が飾られ、同院が歩んできた歴史の重みが感じられる。「思春期から更年期まで、何でも気軽に相談してくださいね」と穏やかな笑顔を見せるのは、4代目院長の野田俊一先生。広々とした敷地内には、診療室や病床がある建物をはじめ、体外受精など高度生殖医療施設、ヨガや骨盤のメンテナンスリカバリーなどで利用するマタニティービクスルームもある。女性のあらゆるニーズに応えるために、ハイリスク妊婦患者の大学医師への相談窓口や漢方の外来を設置。2026年4月からは女性医師の外来も始めた。患者ファーストで一人ひとりに寄り添う野田先生に取材した。
(取材日2026年9月12日)
産科と不妊治療をメインに、思春期から更年期まで対応
2026年に開院111年を迎えたそうですね。

当院は大正時代から都城市の産婦人科医療を担っています。私も都城市で生まれ、4代目院長として当院を継承しました。今の時代は違うのかもしれませんが、私の友人たちも大学や就職で一度県外に出て、家業を継ぐために都城市に戻ってきた人が多いんです。だから私も自然にこの世界に入って家業を継いだ感じです。また、この地域は医療機関やクリニック同士の協力体制が強く、地域医療の底上げにつながっています。当院でいえば、特に中山産婦人科の先生とは父の代から応援体制が続いています。私が幼い頃から両院が協力し合う様子を見て育ちました。近年、都城市は人口増加に向けた施策が進んでいますし、とても活気のある町だと思います。地域の医療機関同士で連携しながら、患者さんを支えていきたいですね。
診療内容や患者層についてお聞かせください。
産科と不妊治療を中心に、思春期から更年期まで幅広い世代の女性が来院されています。都城市は高齢化が進んでいますが、近年は移住されてきた若い世代の患者さんも多くいらっしゃいますね。例えば、月経は小学校高学年頃から始まりますが、最近は月経痛に悩むお子さんがお母さんに連れられて来院されるケースも増えてきました。ひと昔前は「我慢しなさい」で終わっていたことも、マスコミなどの影響で受診しやすくなったのかもしれません。また、妊婦さんに限らず、「なかなか働けない」「よく眠れない」といったストレスを感じて来院される患者さんも目立つようになりました。昔からいらっしゃったはずですが、精神的なストレスで受診しやすい時代になったのかなと。気軽に相談できるかかりつけ医として、あらゆる悩みに寄り添っていきたいですね。ちなみに、都城市はもともと鹿児島県でしたから、位置的にも鹿児島県にお住まいの方もいらっしゃいます。
大学病院などとの連携も大切にされていると伺いました。

当院の近隣には、多くの病院やクリニックがあります。より専門的な検査や診療が必要な場合は、速やかに二次医療機関・三次医療機関を紹介いたします。また、私一人の診療では限界がありますし、当院では日頃から大学病院など外部の先生方と連携した診療を行っているのが特徴です。大学病院の先生を招いた外来では、より専門性の高い検査を行っています。そこでハイリスクと診断されたら大学病院や総合病院を紹介しますし、ローリスクと診断されたら当院での出産となる流れです。他にも、漢方の外来や思春期の外来では、西洋医学では限界があるような患者さんにも対応しています。また、当院は産婦人科ですから「女性の医師のほうが安心する」といったお声もあるかもしれません。そのようなニーズに応えるために、2026年4月からは女性医師の外来も開設しました。
時代のニーズに応じて、無痛分娩や不妊治療に注力
こちらでは無痛分娩に力を入れているそうですね。

そうなんです。当院では積極的に無痛分娩を取り扱っています。現在、長男が大阪大学医学部附属病院麻酔科で働いて、専門性に基づく知識提供を受けて無痛分娩等に生かしています。時代のニーズに寄り添い、安全性に配慮した無痛分娩を提供していきたいと思っています。患者さんにも無痛分娩を視野に入れていただきたいと思います。
不妊治療についても詳しくお聞かせください。
当院ではタイミング療法や人工授精、体外受精、顕微授精の診療など、一般的な不妊治療や高度生殖医療に取り組んでいます。落ち着いた環境で治療に専念できるように、2019年には高度生殖医療施設を開設しました。先進の機器を活用しながら、妊活を希望される患者さんを支えていきたいと思っています。また、都城市では、将来のライフプランを考えながら妊娠前の健康に向き合う「プレコンセプションケア」を推進しています。当院においても、プレコンセプションケアの検査を受けることが可能です。男女ともに気軽に検査を受けられる先進的な取り組みですので、ぜひ活用していただきたいです。
診療で大切にしていることは何でしょう?

こちらの考えを押しつけず、患者さん一人ひとりのニーズに合った診療を提供できるように心がけています。患者さんが求めていることと、こちらが行おうとしていることにズレが生じないように努めていきたいなと。また、近年は若い世代の患者さんを中心に、SNSやAIで情報を得てから受診される方が増えてきました。調べて受診されるということは、自分の体に興味があることですから悪いことではないと思います。その一方で、情報があふれている時代だからこそ、私たちもより正確で安心できる情報を提供していくことが重要なのではないでしょうか。なお、当院でもSNSを活用し、産科の取り組みや無痛分娩の情報などを発信しています。
110年以上の歴史を糧に、進化を続けるクリニックへ
ところで、先生が医師を志したきっかけをお聞かせください。

昭和60年に生まれ育った宮崎県で医師として働くことになりました。藤田学園保健衛生大学を卒業した後、宮崎医科大学の産婦人科に入局しました。そこで出会った恩師の先生方は、とても大きな存在です。先生方のもと、産婦人科の研鑽を積むことができました。いまだにご指導いただくこともあります。そして、大学院を卒業した後、当院の副院長として働き始めました。2005年に先代院長の父が他界し、院長職を継承。恩師の「とにかく臨床を大事に、一生懸命に取り組む」という教えを胸に、日々の診療に取り組んでいます。この教えこそが、現在の一次医療機関としてのリスク選別と二次病院との連携につながっていると思います。
お忙しい毎日だと思いますが、プライベートはどのようにお過ごしですか?
学生時代から硬式テニスをやっています。都城市にあるテニスクラブに所属し、愛好家の皆さんと一緒に楽しんでいます。仕事が忙しくてできない時期もありましたが、もう65歳。これからの健康維持のためにも、無理せずに続けていきたいですね。知り合いの先生も参加されています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

当院は110年以上にわたって、都城市の地域医療を続けてこられたのも、地域の皆様のおかげだと思っています。これからも「患者さんファースト」を大切に、一人ひとりに寄り添ったきめ細かな診療を行っていきたいと思います。医療の世界は常に進化し、特に不妊治療は日進月歩の分野です。当院では長年の歴史と実績を糧に、時代のニーズに応じた診療を展開していきます。思春期から更年期まで女性の悩みに向き合ってまいりますので、何でもお気軽に相談していただけるとうれしいです。
自由診療費用の目安
自由診療とは無痛分娩:通常の入院分娩費用に追加で8万5000円

