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平瀬 優三 院長の独自取材記事

平瀬内科医院

(合志市/武蔵塚駅)

最終更新日:2024/09/24

平瀬優三院長 平瀬内科医院 main

合志市にある「平瀬内科医院」。日本中が注目する巨大半導体工場が誘致され、これからも人口が増え続ける活気がある地域だ。一方で、周囲には田園風景が広がり高齢化とも無縁ではない。爽やかな笑顔が印象的な平瀬優三院長は、父が開業した同院を2022年に継承した。「クリニックが地域の皆さまから求められる役割を全うしたい。患者さまの訴えと、身体診察を大切にしています」と語る姿に、誠実な人柄が伝わってくる。院長の専門は循環器だが、いわゆる「町医者」として幅広い疾患に対応し、連携基幹病院も多い。また訪問診療にも取り組んでおり、充実した医療環境づくりにも力を入れている。「かかりつけ医として、全身の健康をサポートしたい」と、熱い志を持つ平瀬院長に、これまでの経験や同院のことについてさまざまな話を聞いた。

(取材日2023年10月10日)

かかりつけ医として、全身の健康をサポートしたい

平瀬内科医院の診療方針を教えてください。

平瀬優三院長 平瀬内科医院1

患者さまの病気を治すだけでなく、健康に関する悩みや、ご家族との関係や生活環境なども考慮し、一人ひとりに合ったより良い医療を提供する、地域に求められるクリニックとしての役割を全うしたいですね。僕は循環器が専門ですが「心臓と血管しか診ません」ではなく、専門性を持った上でどんな悩みでもまずは当院で受け入れます。たとえ、心臓疾患でなかったとしても、しっかりと病歴を伺うことで診断に近づくと信じています。その上で診断がつけば適切な治療を行います。診断がつかない場合でも、専門医療機関で追加精査が必要なのか、それとも少し様子を見ても大丈夫な状態なのか等、患者さまの次につながるアクションを提示しフォローするところまでが内科医としての役割だと思っています。自分は「循環器内科医」である前に「内科医」であることを忘れないように心がけています。

訪問診療も院長は大切にされているそうですね。

平瀬優三院長 平瀬内科医院2

はい。ご高齢の方がさまざまな理由で通院ができなくなると、医療の目が届かなくなり健康の維持にもリスクが生じます。なので、通院できなくなった患者さまには、訪問診療を提案したり、ケアマネジャーさんと連携して生活を支えるサービスなど、いろいろな選択肢を提案できればと考えています。外来と訪問診療の2つの軸で、幅広い患者さまに長期間の医療を提供できることが当院の強みです。

医院継承のために知識と技術を養う

地域に寄り添う医療を志すに至った道のりを教えてください。

平瀬優三院長 平瀬内科医院3

大学を卒業し、最初に沖縄県の県立中部病院で研鑽を積みました。こちらの病院は充実した研修教育で有名で、全国から若手医師が集まっていました。現代医学は専門化、細分化が進んでおり、若手医師は大規模病院でしかできない特殊な検査に依存する傾向があります。そんな中にあって、中部病院では「病気の診断で最も重要なことは、病歴と身体診察」という、昔からずっと変わらない医学の基本中の基本を学ばせてもらいました。また、救急科から内科、外科など多くの診療科があり、それぞれの科を回って幅広く勉強することができました。離島の多い沖縄では、「私は心臓しか診れません」と専門に特化しすぎるのではなく、心臓が専門でもほかのことも最低限できることが求められましたね。沖縄本島に4年、石垣島の中核病院に1年いましたが、そこでの経験が今の診療に生きていると思います。

沖縄でのご経験が院長の診療ポリシーの原点になっているのですね。

そうですね。離島では、例えば心臓のスペシャリストであるだけでなく、内科全般に幅広く対応するジェネラリストであることも求められます。ここではどんな症状の患者さまも自分が診て診断しなくてはならない。しかし、自分ですべての病気が治療できるわけではなく、この方は自分が診療できるのか、それともほかの専門の医師のもとへ送る必要があるのか、という判断は絶対に間違わないように徹底的にたたきこまれました。今でもその経験を大切にして、日々の診療に取り組んでいます。

その後のご経験も伺えますか。

平瀬優三院長 平瀬内科医院4

沖縄での勤務を終え、大阪の国立循環器病研究センターに勤めました。そこで、心臓について1から10まで教え直してもらうような、非常に濃い2年を過ごしました。カテーテルの技術だけでなく、さまざまな視点から心臓病を捉え、どう治療するかをしっかりと学ばせていただきました。また、国立循環器病研究センターではたくさんの研究が行われているだけでなく、新しい研究成果を診療に生かす文化がありました。ここでの経験をもとに、平瀬内科医院では循環器領域に限らず、新しい医学的情報に基づく治療を行えるよう心がけています。

そして理想とするクリニックとの出会いがあったのですね。

そうですね。当院を継承する前は、大阪のみなとクリニックに在籍していました。そこは外来と訪問診療を行うクリニックで、「クリニックは地域医療においてどういった役割を担っているか」など、根本的なことを教わりました。訪問診療もこの時に初めて携わりましたね。みなとクリニックで何年か勉強し、平瀬内科医院を継ぐことを考えていましたが、勤務を始めて3ヵ月くらいたったときに、父が体調を崩しまして。急きょ熊本に戻って医院を継ぐことになりました。みなとクリニックは当院がめざす理想のクリニックそのものです。

継承後に医院を改革、新しいスタートを切る

こちらを引き継がれた当初のことを教えてください。

平瀬優三院長 平瀬内科医院5

私が戻ってきた時は、患者さまが少なくて驚きました。当時、父は当院のほかに高齢者施設を2つ運営していたので忙しかったことに加え、体調が思わしくないこともあり、手が行き届かず医院の運営がうまくできていなかったのだと思います。まずは運営体制を一新して地域の皆さまに認めていただける医院づくりから取り組みました。現在はスタッフ全員、一人ひとりの患者さんに寄り添って診療にあたっております。 少しずつですが患者さまから頼られるようになってきたことに、改めて身が引き締まる思いで日々の診療に臨んでいます。

医院のリフォームを進められていると聞きました。

当院は開業から40年ほどたっており建物のリフォームが必要でした。将来的に消化器内科医師の弟が赴任する予定なので、2人体制で診察できるようにし、内視鏡検査室も新設します。また、新型コロナウイルス感染症の流行を契機に、発熱の患者さまとその他の患者さまの動線を分けることが、医療機関には求められていると感じています。同じ部屋に熱発の方がいれば、来院を控える方もいらっしゃるでしょう。風邪の症状がある方にも人にうつすことを心配させてしまいます。そこで、正面入り口は一般の患者さま専用にし、熱発や咳などの感染症のリスクがある患者さまは、別の入口から発熱専用診察室に入って診療できるようにリフォームを進めています。

力を入れていることは何ですか。

平瀬優三院長 平瀬内科医院6

心臓が専門ですので、心不全、不整脈、血管系の病気などの診療に力を入れています。心臓病や血管の病気の原因には生活習慣病が関わっていることも多いので、高血圧、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症などの管理をしっかり行い予防につなげたいと思っています。また、予防だけでなく、大きい病院で心筋梗塞や心不全などの治療や手術を受けた方々の慢性期管理や、心臓病患者さまの訪問診療にも力を入れています。基本的には総合内科を診療する医師としてどんな症状でも当院で受け入れるつもりです。また、病気を診るだけではなく、患者さまの自宅での生活を支えるためのサポートも大事にしていきたいです。これまで歩いて通院されていた方が、徐々に歩けなくなってきたなど、患者さまの変化に注意し、訪問診療や訪問介護を提案したり、介護保険の導入を提案するなど、社会サービスのことまで何でも力になりたいですね。

最後に読者にメッセージをお願いします。

地域の誰もが気軽に来院することができ、患者さまのどんな相談も断らない。そういったかかりつけの医院にしたいと思っています。今後は弟の消化器内科医が加わり2人体制にして、今ある心電図やエックス線、エコー検査のほかに、内視鏡の検査もできるようにしたいと考えています。できることをどんどん広げて、地域の役に立てることを増やしていきたいですね。そして、自分に医療を教えてくださった方々に恥じない診療を行いたいです。

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