安元 真希子 院長の独自取材記事
医療法人 安元医院
(うきは市/うきは駅)
最終更新日:2026/09/30
うきは駅から徒歩8分。自然豊かなうきは市の閑静な住宅街に、歴史を感じさせる大きな木々と季節の花々に包まれた「安元医院」がある。代々地域医療に従事してきた270年以上の歴史を持つ医院だ。2022年に父から医院を継承した安元真希子院長は、消化器内科の中でも胆膵疾患を専門とし、内視鏡やエコーにも精通する。大学病院で培った技術を地域で生かしたいと、「敷居を低くして、より多くの人に受けやすい形にしたい」と穏やかに語る姿が印象的だ。口数こそ多くないが、終始やわらかな笑顔で一つ一つの質問に真摯に向き合うその人柄は、患者の心を温かく包み、そっと安心させる力があるように感じた。そんな安元院長に、医師としてのこれまでの歩みや、地域のかかりつけ医として患者に寄り添う思いを聞いた。
(取材日2026年9月16日)
父の姿に導かれ、270年以上続く医院を受け継ぐ
先生が医師の道を志されたきっかけを教えてください。

医師をめざしたきっかけは、やはり父の影響が大きいですね。幼い頃から、患者さんと向き合う父の姿を間近で見て育ちました。特に記憶に残っているのは、救急車で患者さんを搬送していく父の背中です。子どもながらに「地域に貢献しているんだな」と感じたことを覚えています。当院は代々にわたって医師を務めてきた家系のもと診療を続けてきた医院で、270年以上の歴史があります。地域の患者さんの中にも何代にもわたって通い続けてくださる方がいて、その信頼のつながりは今も続いています。そうした環境の中で医療を身近に感じながら育ったことが、自分も医師の道を歩もうと思う土台になったのだと思います。
消化器内科を専門に選ばれた理由と、これまでの歩みをお聞かせください。
父がこの地域で内視鏡検査を始めた姿を見ていたことで、自分も消化器内科に進もうかなと考えていました。内視鏡の検査や治療に興味があり、スキルを身につけたいと思ったのが決め手です。久留米大学では胆道や膵臓の疾患を中心に研究し、病理学講座で医学博士号も取得しました。筑後市立病院では消化器内科の基礎や内視鏡の手技を学び、勤務医時代は多忙な中で懸命に研鑽を積みました。恩師から頂いた「努力を積み重ねていけばやれるようになる」という言葉を支えに、ひたむきに腕を磨きました。さまざまな先生のもとで内視鏡やエコーの技術を学んできたことが、今の診療に生きていると感じています。
こちらに戻られ、お父さまから医院を継承された経緯を教えてください。

もともと兄が継ぐものと思っていたのですが、兄が別の科に進んだことで、自分に役目が巡ってきました。プレッシャーがなかったわけではなく、何年か葛藤もありました。ただ、私の代でこの歴史を途絶えさせるのは嫌だという思いが強く、地域に少しでも貢献したいという気持ちで2020年に戻りました。同年にリニューアル工事も行い、明るいオフホワイトと木目を基調にした温かみのある空間に一新。患者さんがリラックスして過ごせる環境づくりに力を入れました。待合室からは春の芍薬や秋の紅葉など、歴史ある木々や花々が見せる四季の移ろいを楽しめるのも、この医院ならではだと思います。2022年に院長を引き継ぎ、温かい雰囲気で患者さんを迎えたいという思いで日々の診療にあたっています。
「敷居を低く」。専門的な検査を地域の医院で
先生のご専門である胆嚢や膵臓の疾患について教えてください。

私の専門である胆嚢や膵臓周りの疾患・症状は、日常の診療でもよく診る機会があります。代表的なものとしては胆嚢炎や胆管炎があり、みぞおちから右側のおなかにかけて激しい痛みが出るのが特徴です。食後に吐いてしまう、夜中に突然嘔吐してしまうといった症状で受診される方も少なくありません。また、膵臓がんをはじめとする悪性腫瘍が見つかることもあります。膵臓がんというと背中の痛みがよく知られていますが、実際には腹痛の訴えから見つかるケースが多いんです。こうした疾患は見つかりにくいといわれますので、いつもと違うおなかの痛みや急な嘔吐など、気になる変化を感じたら我慢なさらず、早めにご相談いただければと思います。
地域の医院で内視鏡検査を行う意義をどうお考えですか。
やはり検査の「敷居を低くする」ことに意味があると考えています。胃や大腸の疾患は早期発見・早期治療につなげやすい分野ですので、より多くの方に気軽に内視鏡検査を受けていただける環境を整えることが大切です。この辺りは高齢の方が多く、交通手段も限られていますから、遠くの大きな病院まで足を運ばなくても、地元で専門的な検査が受けられることには意義があると思います。検査の際には、研修医の頃に教わった「言葉は心の麻酔」を心がけています。声かけで少しでもリラックスしていただくという考え方で、「大丈夫ですよ」と優しく声をかけながら検査を進めるようにしています。内視鏡室にはブルーライトを導入し、モニターの視認性を高めつつ、落ち着いた空間で検査を受けていただけるよう工夫しています。
早期発見のために、他に心がけていることはありますか。

みぞおちが痛いからと胃の検査を希望して来られる方には、必要に応じておなかのエコー検査も受けることをお勧めします。実は、胃カメラだけでは異常が見つからなかったものの、膵臓がんだったというケースがあるからです。大学病院では、超音波内視鏡検査も数多く経験してきました。膵臓はエコーで見にくい臓器といわれますが、多くの胆膵系の患者さんを診る中で培った「見るポイント」は、今の診療にも生かせていると感じます。見つかりにくいとされる膵臓がんを少しでも早く見つけたいというのが、それを専門とする医師としての思いです。この地域で専門の医師による検査を受けられる機会は限られていると思うので、おなか周りの不調が続く方はぜひ一度ご相談ください。
手の届く範囲で、患者にもスタッフにも寄り添って
患者さんと向き合う上で大切にされていることは何ですか。

患者さん一人ひとりの家庭環境に目を配り、寄り添える診療を心がけています。この辺りは高齢者の一人暮らしが多い地域ですので、病気のことだけでなく、日々の暮らしにも自然と気を配るようになりました。例えば、診察の中で認知機能の変化に気づいた場合には、なるべく早くご家族にお知らせするようにしています。患者さんだけでなく、その家庭環境も含めて把握しておくことが大切だと考えています。世間話を交えながら日常のことをお聞きすることもありますが、それも患者さんの生活を理解するための大事な時間だと思っています。地域のかかりつけ医として、病気を診るだけでなく、その方の暮らし全体をそっと見守っていけたらという思いで日々向き合っています。
日々の診療を支えるスタッフの方々についても伺えますか。
当院には看護師3人と事務スタッフ2人が在籍しており、長く勤めてくれているベテランぞろいです。私は「スタッフが元気でないと患者さんが元気にならない」と思っています。心身ともに安心して働ける職場でなければ、患者さんに優しく接することは難しいですから。だからこそスタッフに優しく、働きやすい環境づくりを大切にしています。その温かな雰囲気が、そのまま患者さんを迎える空気になってくれたらうれしいですね。斜め向かいには義兄が院長を務める安元整形外科があり、高齢の方が多いこの地域では内科と整形外科で日常的に連携できることが心強いです。さらに久留米大学病院や聖マリア病院など複数の連携病院とのネットワークもあり、必要に応じてスムーズにご紹介する体制を整えています。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

生活習慣病の患者さんが増えていますので、今後は予防医療にも力を入れていきたいと考えています。私自身も発酵食品やヨーグルトなどで腸活を心がけていて、体の内側からの健康づくりの大切さを日々実感しています。大きく広げるというよりも、手の届く範囲で目の前の患者さんに向き合っていくことが、私の性には合っていると感じています。それが代々受け継いできたこの医院の在り方かもしれません。体の不調や気になる症状があれば、どうか気軽にご相談ください。当院では専門の医師としての経験を生かした内視鏡やエコーの検査を受けていただけます。うきは市内の方はもちろん、周辺地域にお住まいの方にも安心して通っていただける、温かい医院であり続けたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とは内視鏡検査/胃:1万5000円、大腸:2万3000円

