桑原 正裕 院長の独自取材記事
桑原産婦人科医院
(中間市/筑豊中間駅)
最終更新日:2026/05/14
1985年の開院以来、40年以上にわたり地域に寄り添い続けてきた「桑原産婦人科医院」。「身近さと専門性の両立」を掲げ、妊娠・出産はもちろん、婦人科疾患の治療や思春期、更年期のさまざまな不調に対するケア、腹腔鏡手術まで対応し、女性のライフステージを幅広く支えている。「地域で安心して産み、相談し、必要な治療まで受けられる場でありたい」と語るのは、2021年より2代目院長を務める桑原正裕先生。日本産科婦人科学会産婦人科専門医の資格を持ち、腹腔鏡手術にも長く携わってきたドクターだ。安全性を第一に、無痛分娩など患者のニーズに真摯に応える桑原院長に、地元・中間市への思いや、医療にかける想いについて詳しく話を聞いた。
(取材日2026年4月8日)
思春期から更年期以降まで。女性の一生に寄り添う医院
こちらのクリニックの特徴をお聞かせください。

当院は、父である桑原吉高理事長が1985年に開院し、40年以上にわたり地域に根差してまいりました。父の時代から、地域の皆さんに長く頼られてきたことが、当院の大きな特徴だと感じています。また、当院は出産のためだけの施設ではなく、女性の一生に寄り添う産婦人科として、身近で話しやすい「かかりつけ医」でありたいと考えています。思春期から妊娠・出産、更年期以降の婦人科疾患まで、診療から手術まで一貫して対応できる体制を整えている点も特徴です。また出産については、妊婦健診・分娩・産後ケアといった切れ目のないサポートはもちろん、無痛分娩や育児支援、母親学級などにも力を入れ、産前産後の不安に丁寧に寄り添い、地域の皆さんが安心して出産に臨めるよう力を注いでおります。
実際に来院されるのはどのような方々でしょうか?
中心となるのは、妊婦健診や分娩の患者さんです。また、分娩だけでなく、月経痛や不正出血、子宮筋腫、子宮内膜ポリープなど、婦人科疾患にも幅広く対応しているため、患者さんの年齢層が幅広いのが特徴です。上は80代、90代の方、下は乳幼児のお子さんのご相談まで、あらゆる世代の女性にお越しいただいています。中には「小児科では相談しづらい」といったデリケートなお悩みで受診されるケースも少なくありません。また、更年期に入り再び頼ってくださる方や、「先代院長の時代に通っていました」というご縁から、50代、60代になって受診される方もいらっしゃいます。世代を超えて長く通っていただいていることに、地域のかかりつけ医としての役割を実感しています。
クリニック全体として、診療で大切にされていることやモットーを教えてください。

スタッフ全員の共通認識として、まずは患者さんに喜んでいただくことを第一に考えています。その上で私個人としては、常に「誠実であること」、そして「患者さんにとって真にメリットのある提案をすること」を大切にしています。例えば、がんや合併症のある方で、当院で抱え込むことが必ずしも患者さんの利益にならないと判断した場合は、連携している産業医科大学病院などに紹介します。素早く適切な医療につなげることも、かかりつけ医の重要な役割だと考えています。一方で、私は周産期医療の分野でもハイリスクな妊娠・分娩に関する知識と技術を専門に習得してきました。そうした専門家としての知見から「当院で安全に対応できる」としっかりと判断できる場合は、患者さんのご希望に沿って、最後まで責任を持ってしっかりと寄り添いたいと考えています。
負担の少ない専門的な医療を、住み慣れた地域で
特に注力されている治療を教えてください。

産科では、何よりも安全なお産を第一に考え、無痛分娩も含めてお一人お一人に合った分娩方法をご提案しています。周産期医療の専門性を生かし、当院で安心してお迎えできると判断した際には、新しい家族の誕生をご希望に添うかたちで精いっぱいサポートさせていただきます。婦人科で注力しているのは、体に負担の少ない低侵襲治療です。これは手術の傷口を小さくすることで、痛み・出血・発熱といった体への負担を最小限に抑える治療法です。当院では腹腔鏡や子宮鏡を用い、子宮摘出などの手術もこの手法で行っています。低侵襲治療の大きな利点は、負担が少ない分、入院期間が短く、早期の社会復帰が望める点にあります。また、カメラで細部を拡大して確認できるため、より繊細で丁寧な手術が可能です。子宮筋腫などのつらい症状を抱える方が、一日も早く健やかな日常に戻るための一助となれば幸いです。
地域のクリニックで、専門性を要する低侵襲治療まで対応されているのはなぜでしょうか?
一つは、私自身のこれまでの経験を地域の方々のために生かしたいという想いがあるからです。私は福岡市の浜の町病院や、大分県の別府医療センターなど、内視鏡手術に力を入れている病院で研鑽を積み、指導する立場も務めてまいりました。また、地理的な利便性も大きな理由です。当院がある中間市は、高度な手術が可能な病院へ通うには距離があるため、遠方まで足を運ぶことが難しい方にとっても、身近な場所で体に負担の少ない治療を受けられる環境があることは非常に重要だと考えています。地域のお産を支え続けるとともに、住み慣れた地域で専門性を生かした医療を提供し、地域の皆さんが安心して暮らせる環境づくりに貢献していきたいです。
地元のクリニックで手術や無痛分娩を受ける良さはどこにありますか?

医師を自ら選べる安心感や、一人ひとりに寄り添った対応がしやすい点が、クリニックならではの良さではないかと感じています。常に顔の見える関係の中で診療を続けられることも、その一つだと思います。また、大きな組織ではない分、状況に応じて柔軟に対応しやすい面もあります。当院の手術では安全を最優先に考え、合併症のリスクが低い方を対象としながら、できるだけ負担の少ない治療を心がけています。術後もできる限り丁寧に経過を見守り、無理のない回復につながるよう努めています。住み慣れた地域の中で、ご自身が納得して選ばれた医師のもとで医療を受けられることが、患者さんにとって一つの安心につながればと考えています。
末永く、安心して頼れる環境を守り続けたい
先生が医師としてやりがいを感じるのは、どのようなときですか?

手術をやり終えた時はもちろんですが、日常の診療の中では、スタッフが楽しそうに働いている姿を見ることが一番うれしいかもしれません。皆が前向きに仕事に取り組んでくれることが、何より大切だと思っています。また、かつて当院で生まれた方がお母さんになって戻ってこられるなど、命のつながりを感じる瞬間も幸せですね。院内には平成初期からの写真アルバムを大切に保管しており、中にはご自身のお母さまの写真を見つけて驚かれる妊婦さんもいらっしゃいます。こうした温かい交流が続いているのは、昔からこの医院を支えてくれている助産師や看護師といったスタッフの存在があってこそだと思っています。
働きやすさも大切に考えていらっしゃるのですね。
患者さんが安心して相談できる場所であるためには、そこで働くスタッフ自身も安心して力を発揮できる環境が必要です。そのため、さまざまな生活背景を持つ方が、無理なく仕事を続けていける環境を整えることが重要だと考えています。例えば、子育て中は大きな病院での勤務が難しくなることもありますが、当院のような環境であれば、腹腔鏡手術などの専門性を生かしながらキャリアを途切れさせない、一つの選択肢になります。また、地域に医療を残していくには、人の存在が欠かせません。当院は規模としては決して大きくはありませんが、地域のお産と女性医療を守り続けるために新しいことにも前向きに取り組みながら、地域に根差して長く続いていく医療機関でありたいと考えています。そうした思いに共感していただける方と、これから一緒に歩んでいけたらうれしいですね。
地域医療に対する想いや、今後の展望をお聞かせください。

私自身、中間市で生まれ育ち、地元の福岡県立中間高等学校に通いました。この愛着ある町で、「お産を休止する施設が増える中、ここでの分娩を絶やさない」という強い覚悟を持ち、地域に必要とされる場所であり続けたいと考えています。妊娠・出産はもちろん、婦人科の悩みや手術の相談まで一貫して対応できる体制を整え、「まずは相談してみよう」「ここなら信頼できる」と思っていただけるよう、質の高い医療の提供に努めてまいります。将来的には志をともにする仲間を増やし、地域の皆さんがライフステージを問わず、末永く安心して頼れる環境を守り続けていきたいです。

