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清澤 玲子 院長の独自取材記事

きよさわ眼科クリニック

(福岡市早良区/藤崎駅)

最終更新日:2023/03/07

清澤玲子院長 きよさわ眼科クリニック main

最寄りの地下鉄、藤崎駅から徒歩で約13分の住宅街の中にある「きよさわ眼科クリニック」。1995年の開業より、眼精疲労やドライアイ、白内障や緑内障をはじめとするさまざまな疾患に対応し、地域のかかりつけ眼科クリニックとして子どもたちから高齢者まで、幅広い世代の目の健康を守っている。院長の清澤玲子先生は、両親と祖父が眼科医師で、幼少期から医師になることを思い描いていた生粋の医療人。「見ることは人にとって、とても大切な機能の一つ。だからこそ、目に関する不安を少しでも早く取り除いてあげられるよう支えたいですね」と優しく話す清澤先生に、クリニックの特色や診療において心がけていることをざっくばらんに語ってもらった。

(取材日2020年8月20日)

緑内障をはじめ、専門性を生かして幅広い主訴に対応

まず先生のご専門についてお尋ねします。

清澤玲子院長 きよさわ眼科クリニック1

私は、1981年に東京女子医科大学を卒業後、九州大学病院の眼科に入局。勤務医時代は、緑内障や白内障、網膜剥離をはじめ、さまざまな診療にあたりながら幅広い臨床経験を積みました。当時、所属していたのは緑内障のグループ。そのため緑内障の分野は特に専門性を深めることができ、手術も多数実践しました。眼科の手術で求められるのは、何といっても精密さ。顕微鏡を使う手術がほとんどで、1ミリのずれも許されません。神経をすり減らす場面も多かったですが、苦労した分、確かな知見を身につけられました。現在でも緑内障の患者さんは多く診ています。

緑内障について詳しく教えていただけますか?

現代の医学でも緑内障の原因はわかっていません。ただ、治療の第1の目標は眼圧をコントロールすることです。人間の眼球の中には水が含まれていますが、何らかの原因で水分量が調整できなくなることで眼圧のバランスが保てなくなり、その圧力で視神経に障害が起きてしまいます。そして、自分でも気づかないうちに視野が狭くなっていきます。残念ながら一度失った視野は、治療を施しても改善することはできません。病気が進行すると、失明に至るケースもあるため、診療において重要なのは早期発見・早期治療が第一。診断後は病気の進行を遅らせるための治療が基本となります。傾向としては中高年に多く、日本では40歳以上の約20人に1人が発症すると言われています。自覚症状がない場合が少なくないので定期的に検診をして確認することが大切です。

開業の経緯をお聞かせください。

清澤玲子院長 きよさわ眼科クリニック2

九州大学の医局に在籍しながらいくつかの総合病院で臨床にあたり、約14年間勤務医として研鑽を積みました。眼科の医師として手応えを感じてもいたので、次第にもっと身近な医療を提供して地域の多くの人々の健康に貢献したいと思うように。ちょうどその頃、父とご縁のあった眼鏡販売会社の社長さんから現在の場所での独立を勧められ、開業を決意しました。目に関しての不安や困ったことがあれば、何でも相談してほしい。そんな思いでスタートしたのを覚えています。初心を忘れず、今でも患者さん一人ひとりに寄り添った診療を心がけています。

患者一人ひとりの背景を把握し、最善の治療に努める

地域の特性や患者層を教えてください。

清澤玲子院長 きよさわ眼科クリニック3

当クリニックがある百道浜地区は、福岡タワーや福岡ドームといった観光スポットが点在し、高級住宅街でもあります。近隣には難関進学校や名門大学があり、学業意識の高いお子さんやご家族が多くいらっしゃる印象です。そのため、塾通いなどで勉強に打ち込んで視力が悪くなり、近視やコンタクトレンズの相談で受診されるお子さんは少なくありません。健康意識の高い高齢の方も、緑内障や白内障などで来院されています。また、パソコン製品などの会社も近くにありますので、眼精疲労やドライアイの症状を訴えるビジネスパーソンの方も珍しくありません。そのほか花粉症や結膜炎、眼底出血など、当クリニックでは幅広い年代の患者さんのさまざまな疾患に対応しています。

診療において大切にしていることは何ですか?

眼科診療の基本は問診です。目の見え方や症状の感じ方は人それぞれ。だからこそ、じっくりと深く話を聞くことが重要になります。むやみな決めつけや、杓子定規な診断は避けるよう常に意識しています。例えば、目が見えづらいという主訴で受診された場合、その患者さんの生活スタイルや習慣、既往歴、住環境など、いろんな話を聞いて原因を探っていきます。明るい部屋であっても照明を背にして勉強する習慣があれば、視力に影響を来すのは当然です。体の機能的に異常がなければ、ストレスが関係している可能性があるため、家庭環境や家族関係についても尋ねます。患者さんの背景を把握してはじめて、適切な治療や予防のアドバイスができると考えています。

仮性近視の指導にも取り組まれているとお聞きしました。

清澤玲子院長 きよさわ眼科クリニック4

スマートフォンやタブレット端末の多用、リモートワークやオンライン学習の一般化など、まさに現代は目を酷使する時代です。長時間にわたって画面を見続ける生活習慣により、一時的に遠くが見えづらくなる仮性近視が増加傾向にあります。これは、幼少期に症状が現れやすく、学校近視とも言われることもあります。放っておくと近視が固定してしまう可能性があるため、適切な治療や予防が大切。当クリニックにも仮性近視のお子さんが受診されるので、生活習慣や姿勢の改善、食事や栄養管理、睡眠確保のアドバイスなどを行っています。

身近なかかりつけ医として地域医療に力を尽くす

医師を志したきっかけや仕事のやりがいは何ですか?

清澤玲子院長 きよさわ眼科クリニック5

私の家は、両親と祖父が眼科の医師である、医師家系。そのほかにも父方の叔父は耳鼻咽喉科と外科です。そんな環境で育ったため、物心がつく子どもの頃から疑うことなく私も医師になるものと思っていました。父や母の仕事ぶりから、人の役に立つ意義のある職業であるとも感じていたので、高校生の時には明確な将来の目標になっていました。「診てもらって安心しました」と感謝されるたびに医師としてのやりがいを実感します。目は、人にとって大切な機能の一つ。だからこそ、「見える幸せ」をしっかりと守っていきたいですね。

往診や迅速な病診連携も積極的に行っているそうですね。

一人でも多くの人を支え、地域に貢献したいという思いで当クリニックでは外来のほか、一般住宅や介護施設への往診や訪問診療にも対応しています。患者層は通院が難しくなった高齢の方がほとんどで、角膜の傷や結膜炎の治療、緑内障や白内障の経過観察などのケースが多いですね。また、往診や訪問診療に限らず、精密検査や手術が必要な重度の疾患の場合は、専門的な検査や治療が行える医療機関と連携して迅速に対応しています。決して病気を見逃さず、すべての患者さんが最善の治療を受けられるよう力を尽くすことは、地域のかかりつけ医としての使命ですから。

最後に、今後の展望や読者へのメッセージをお願いします。

清澤玲子院長 きよさわ眼科クリニック6

世の中が便利になり、生活が豊かになる一方で、現代人は目を酷使するようになりました。子どもたちはゲームや動画サイトに夢中になり、大人たちも暇があればスマートフォンを見続ける昨今。実は、知らず知らずのうちに私たちは目を使い過ぎているのです。目の健康を維持する上で重要なのは、休めること。目をつぶったり温めたりして、安静にするのが基本です。それでも気になることがあれば、何でもお気軽にご相談ください。自覚症状がなくても病気の兆しが現れている場合があるので、定期検診をお勧めします。かけがえのない視力をどうか大切にしてください。

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