永野 剛志 院長の独自取材記事
永野医院
(福岡市南区/高宮駅)
最終更新日:2025/12/24
柏原小学校前バス停から徒歩2分、住宅街の中にある「永野医院」。2025年5月に父・永野信吉前院長から継承した永野剛志院長は、基幹病院の消化器外科で研鑽を積んだ後、地域のかかりつけ医として新たな一歩を踏み出した。「父の代からの患者さんのために」という責任感を胸に、予防医療を中心に据えた診療を展開。エコー検査など非侵襲的な検査を活用し、病気の早期発見に注力する。「サロンにでも行くような感覚で、気軽に健康相談ができるクリニックにしたい」と語る永野院長。総合診療医的なスタンスで、高齢者から働き世代まで全世代が「なんでも相談できる医院」をめざす。父から受け継いだ地域医療への思いと、これからの展望について話を聞いた。
(取材日2025年11月12日)
父の思いを継ぎ、地域のかかりつけ医として
2代目院長として継承されるまでの経緯を教えてください。

当院は父が1989年10月に開業してから30年以上、この地域で診療を続けてきました。私は公立八女総合病院や久留米大学病院など地域基幹病院で外科医として勤務していましたが、週1回は手伝いに来ていたんです。ただ、父は「自分が倒れた時が引退の時」というような仕事人間でしたから、引き継ぐタイミングがなかなか決まらなかったんです。ところが昨年末に体調を崩し、これ以上は難しいと父自身も感じたようで、今年5月に正式に継承することになりました。院長となって改めて、「医院をここで途切れさせるわけにはいかない」という思いと、父の代から通ってくださっている患者さんへの責任を強く感じています。
医師を志したきっかけと、これまでのご経歴について教えてください。
私は医師の家系で育ち、祖父も医師、父のきょうだいにも医師が多かったので、生まれた時から医療が身近な環境でした。子どもの目線から見た父の働きぶりを通じて、医師という仕事をイメージできたのが大きかったですね。久留米大学の外科を選んだのは、総合的に学べる体制があったからです。外科というと手術のイメージが強いかもしれませんが、救急疾患への対応も外科の重要な分野なんです。公立八女総合病院や柳川病院では外科医長・部長として消化器外科手術を中心に、がん治療や緩和ケアを担当しました。久留米大学病院高度救命救急センターでは救急医療にも携わり、幅広い経験を積むことができました。
こちらの特徴について教えてください。

父の代から「町のかかりつけ医としてなんでも診る」というスタンスで、胃腸内科・呼吸器内科・外科・整形外科と幅広く対応してきました。父は呼吸器外科が専門でしたが、昔の外科医はとにかくなんでも診るという考えでしたから、肺を含めたすべての臓器に対応していたんです。今でも父の代からの患者さんがほとんどで、おじいちゃんおばあちゃん世代から息子さん、お孫さんまで3世代で通われている家族も多いですね。この柏原地区は30〜40年前に山を切り崩してつくられた住宅地で、その頃に移り住んだ方々が今は70〜80代、さらに昔から住んでいる方は90代になっています。そうした地域の皆さんのホームドクターとして、信頼関係を大切にしながら診療を続けています。
予防医療と総合診療で全世代の健康を支える
特に力を入れている診療について教えてください。

中心となる考えは予防医療ですね。今は予防医学の時代。病気になってからではなく、なる前の段階でケアすることが重要だと考えています。中でも特に力を入れているのは、私の専門である胃の内視鏡検査とエコー検査ですね。エコーは非侵襲的で患者さんの負担がほぼありません。肝臓や腎臓、胆嚢など多くの臓器を調べることができます。内視鏡とエコーに加え、エックス線撮影装置も先進の機器に更新予定で、より精度の高い検査が可能になります。また、精密な診断につなげるため、AI画像診断も導入予定です。働き世代、あるいは子育て中のママ・パパなど現役世代の方々にも、病気の早期発見につなげるため、年に1度の胃や内視鏡検査やエコー検査をお勧めしています。皆さんの健康管理のお手伝いをさせていただきたいですね。
どのような症状や相談に対応されているのですか?
生活習慣病の管理から風邪、インフルエンザ、健康診断で引っかかった方のフォロー、外傷まで幅広く対応しています。小児科的な相談も受けており、必要があれば専門の先生をご紹介します。地域の皆さんには総合診療的なスタンスで、「どこに相談したらいいかわからない」という時の窓口になれれば、と。例えば熱が出たとき、けがをしたとき、お体の痛みがあるときなど、どんなことでもまずは相談していただければと思います。整形外科で診断がついた方の継続治療も行っていますし、介護や地域医療の相談があれば地域包括支援センターとも連携して対応します。エックス線撮影装置もありますし、インフルエンザワクチン接種もご用意しています。遠慮なく気軽に来てほしいですね。
診療で心がけていることは何ですか?

患者さんの話をしっかり聞く姿勢を大切にしています。何かしら困って来院される方が、どういったことを求めているのか、会話の中から見つけるようにしています。「こんなこと言ってもいいのかな」という不安から言い出せないこともあるでしょう。特に男性は無口な方が多いですから、雑談のような感じで困っていることがないか聞いていきます。高齢の一人暮らしの方は外出も少なく、一日中誰とも話さないこともあるかもしれません。医院に来て世間話でもいいですから、しゃべってもらうことも大事だと思っています。勤務医時代は重症の方を優先的に診ていく必要がありましたが、今は地域のかかりつけ医として何かで困っている方の役立つことが私の役割。来た時よりも帰る時に元気になってもらえたらうれしいです。
気軽に相談できる地域の医院をめざして
今後の環境づくりについて教えてください。

2025年末から2026年初頭にかけてバリアフリーを含めた改装を行う予定です。現状は昔のクリニックの雰囲気といった建物ですから、もっと入りやすく、待合室も居心地の良い空間にしたいと思います。「サロンにでも行くような感覚で、気軽に健康相談ができるクリニック」が理想ですね。通院のハードルを下げて、ちょっとしたことでも相談しやすい環境を整えたいんです。また、ホームページやSNSでの情報発信も始めました。現役世代の方々がどういったことを求めているか、健診やワクチン以外でクリニックに期待することは何か。そういった声も聞きながら対応していきたいです。親世代と子世代、それぞれの健康課題に一緒に向き合っていければと思っています。
訪問診療や往診にも対応されているそうですね。
はい。なぜかといえば、父の代から長く通ってくださった方々に対して、「長く来てくださってありがとうございます」という恩返しの気持ちを実際に示していきたいんです。やはり父から受け継いだ患者さんを見ていく責任が私にはあると強く感じています。長くお付き合いしてきたからこそ、その方の生活背景も理解していますし、かかりつけ医としての責任を果たしていきたい。午後の時間を使って、まずはご要望いただいた方から対応していくつもりでいます。また、今後はより患者さんに安心して訪問診療を受けていただけるよう、多職種連携に着目し密なシステム構築を行っていきたいと考えています。ご気軽にお問い合わせください。
読者へのメッセージをお願いします。

お伝えしたいのは「どんな悩みでもいいのでまずは相談してください」ということですね。当院は地域密着のなんでも相談できる医院をめざしています。お子さん連れのママ・パパにももっとご活用していただければうれしいですね。「熱が出たとき」「けがをしてしまったとき」「お体の痛みがあるとき」「どこに相談したらいいかわからないとき」、いつでもご相談ください。小児科などの紹介も含めて、まずは相談というスタンスで大丈夫ですから、気軽に来てほしいです。現役世代の方々がクリニックに求めているものは何か、そういった声もぜひ聞かせてくださいね。いただいたご意見から、より良い方法を見つけられたらいいなと思っています。来た時よりも帰る時に元気になってもらえるように頑張ります。

