塩飽 徳行 院長の独自取材記事
医療法人 クリスタルビルクリニック
(福岡市中央区/天神駅)
最終更新日:2024/01/12

西鉄福岡(天神)駅から徒歩で約5分のところにある「クリスタルビルクリニック」。1993年の開業より、地域の健診拠点として病気の早期発見・早期治療に力を尽くし、近隣で働く多くの患者の健康を守っている。院長の塩飽徳行先生は、日本消化器病学会が認定する消化器病専門医や日本消化器内視鏡学会が認定する消化器内視鏡専門医の資格を持つ熟練ドクター。診療においては、詳しく丁寧な説明を心がけ、患者に安心を与えられるよう取り組んでいる。「胃がんや大腸がんは、早期に発見できれば内視鏡で手術ができ、十分な回復が期待できる病気になりました。だからこそ、症状がない段階での定期的な検査が大切です」と穏やかに話す塩飽先生に、医院の特徴や診療のスタンスなどについて聞いた。
(取材日2021年5月14日)
病気の早期発見に尽力し、早期治療に導く
医院として、どんな医療を提供したいとお考えですか?

研修医や勤務医だった頃、私はがんを専門として幅広い研鑽を積んでいました。開業を決意した約30年前は、当時でも罹患率が高かったにも関わらず大腸がんの検査はそれほど重要視されておらず、検査体制も十分でなかった時代。しかし、一方ではどんどん患者数が増加していくのではないかと予想されてはいました。ちょうど現在のようなモニター型の高性能な内視鏡が出始めていたこともあり、だったら早期に、進化する検査技術を駆使してがんの早期発見・早期治療に努め、多くの人々を命の危険から救おうと動き出したのが、当院の始まりです。胃がんや大腸がんは、働く世代の30~40代の方でもかかるリスクがあり、特に若い頃に病気にかかると進行が早いので注意が欠かせません。ビジネスの拠点である天神エリアに医院を構えたのは、そうした理由からです。
全体的な診療方針についてお聞きします。
検査を受ける患者さんは、病気に対する不安を抱えている場合が少なくありません。だからこそ、検査後の説明には時間をかけ、画像をお見せしながら結果を詳しくお話しするよう徹底。どの部分を内視鏡で観察したのか、どういう状態であったのかをしっかりとお伝えします。例えば、大腸ポリープなどの異常があった場合は、形状や大きさ、数など、細かくご報告します。また、患者さんと接する時は、同じ立場・同じ目線でお話しするよう心がけています。相手が緊張せずに対等に話せるよう、椅子は同じものを使うなど、環境づくりに配慮しています。さらに、開業当時から検査データは必ずお渡しするのが私のこだわり。もし、病気になった際は、過去データとの比較が治療に役立つのはもちろん、検査で異常がなかった場合でも、データが手元にあると定期的に検査を受けるモチベーションにつながると考えているからです。
患者層を教えていただけますか?

当初の目的どおり、近隣の働き世代の方が多いですね。年代的には20~70代くらいまでの方が受診され、全体的には当院の開業時にばりばりの若手だった、50代以降の方がボリュームゾーンではないでしょうか。長年、先進の内視鏡検査に努め、日々数多くの検査に対応していることから、関東や関西の遠方から検査に来る方も珍しくありません。受診の理由としては、やはり検査目的の方が多く、一般外来では風邪や腹痛のほか、高血圧や糖尿病といった生活習慣病の方もよく来られています。
内視鏡を専門とする医師集団による、チーム医療を提供
大腸の内視鏡検査では、どんな点に注力していますか?

大腸検査に「痛み」や「つらさ」をイメージされる方は多くいらっしゃいます。そこで内視鏡を専門とする医師として、できる限り患者さんに負担のない検査を心がけています。現在では、検査機器の性能が以前と比べて格段に上がってきていますし、痛みを軽減するための検査技術も向上。さらに麻酔も行うので、ほとんどの方が違和感なく検査を受けられているかと思います。小さくて数の少ないポリープであれば、その場で除去を図ることが可能です。近年ではコールドポリペクトミーという切除方法で、出血や炎症のリスクを抑えられるようにもなりました。ポリープの切除については、検査前に患者さんの同意を得てから行うようにしています。
胃の内視鏡検査の特徴をお尋ねします。
大腸の検査と同様、決して病気を見逃さないよう努め、胃がんや胃潰瘍などの早期発見に力を尽くしています。胃がんのリスクを高める原因として挙げられるのが、胃の粘膜に棲みつくピロリ菌の存在。検査の際は、この有無を内視鏡でしっかりと確認します。また、当院で専門的に行っているのが食道アカラシアの検査・治療。これは食道と胃の継ぎ目にある括約筋が異常を来して、慢性的に食べ物が食道に詰まってしまう病気です。以前は開腹手術などの大がかりな治療が必要でしたが、昨今では内視鏡で体の負担軽減に配慮しながら治療が行えるようになりました。当院では、この方法を早くから取り入れ、先進的な治療を提供しています。
複数の医師で診療・検査にあたるメリットは何ですか?

当院は私が常駐しているほか、計8人の非常勤医師がおり、常時2人以上の体制で診療にあたっています。その全員が内視鏡を専門とし、先進の検査技術を習得している医師です。院内は一般外来と検査でエリア分けして、それぞれの担当医が対応し、患者さんがスムーズに診察や検査が受けられるチーム医療を提供しています。複数の視点で病気を捉え、ケースに応じて積極的に意見を交換することで診断が偏らず、より適切な治療に導けるのも大きなメリットです。入院や難易度の高い手術が必要な場合は、高次医療機関と連携して、迅速に適切な治療が受けられるよう取り組んでいます。
生活習慣病など、一般内科の診療にも力を尽くす
一般外来で気になる主訴はありますか?

当院の一般外来では、生活習慣病の患者さんを多く診ています。例えば、糖尿病の患者さんに対しては、生活スタイルや食事の嗜好などの背景をしっかりと把握して、一人ひとりに適した治療・生活指導を行うよう取り組んでいます。その上で重要なのは、とにかくよく話をすること。日々の食事についてはもちろんですが、血糖値の変動が激しいのが糖尿病で、空腹時に血糖値が下がると早食いや大食いになる傾向にあり、それは糖分やエネルギーを求める体の自然現象であるといったことを説明する場合もあります。自身の病気を理解することは、より良い治療の糧になると考えているからです。
医師を志したきっかけや仕事のやりがいを教えてください。
特に家族や親族に医療関係者がいるわけではありませんでした。しかし、物心ついた頃から、両親や友人に医師になると宣言するような子どもでした。とにかく人の役に立つ職業の象徴として、漠然と医師に憧れを持っていたのかもしれません。日々、多くの患者さんと接し、いろんな話をする仕事は楽しく、私の天職だと感じています。不安を抱えていた患者さんが検査後の説明でほっとした表情になる。そんな姿を目にすることができたら、大きなやりがいを実感します。検査で病気を見つけるだけでなく、何もなかった際の安心感を届けるのも私たちの大切な役割です。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

働き世代の方は会社の健康診断を受けますが、家事や育児で慌ただしい専業主婦の方は定期健診の機会がないのが現状ではないでしょうか。しかし、人生は健康第一。少なくとも年に一回の健康診断や、自分の体を労うための人間ドックをお勧めします。昨今は、医療機器がめざましく進歩し、検査はよりスピーディーに、楽に受けられるようになってきています。同時に私の目標も「がんを見つけて命を助ける」から「おなかを切らずに、手術をせずに、内視鏡で解決する」へと変わってきました。なるべく患者さんの負担を少なくしたいのです。胃がんや大腸がんは、早期発見・早期治療ができれば、十分な改善も見込めます。そのためには症状のないうちからの検査が大切です。まずはお気軽に受診してください。
自由診療費用の目安
自由診療とは人間ドック/2万5905円~