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一木 幹生 理事長の独自取材記事

一木皮フ科

(福岡市博多区/雑餉隈駅)

最終更新日:2025/06/13

一木幹生理事長 一木皮フ科 main

南福岡駅から徒歩5分、約70年の歴史のある「一木医院」。ここで院長を務める一木幹生理事長は、先代の思いを受け継ぎ日々診療にあたっている。患者の待ち時間解消と感染症対策を目的に、ネット予約システムを2020年7月に導入を予定。さらに、ネット環境を整え、次世代のネット社会に対応するため、秋から医院の改築工事を開始、来春には装いも新たに始動するという。また、勤続20年以上のベテラン看護師をはじめ、親しみやすいスタッフ陣の雰囲気もアットホームな医院だ。今回の取材では優しい笑顔が印象的な一木理事長に、医院の歴史を振り返りながら皮膚疾患についても語ってもらった。

(取材日2020年6月11日)

地域の人々に親しまれてきた約70年の歴史のある医院

先代であるお父さまがこの地域に開院されたのはいつ頃だったのですか?

一木幹生理事長 一木皮フ科1

1952年です。当時はタヌキが出るくらい、ここ一帯は何もない地域だったんですよ。最初は300メートルほど離れたところで父が医院をやっていました。その数年後にこの場所へ移転しまして、それからはずっとここで診療しています。当時、この地域に皮膚科はほとんどなかったので、小さい頃から父がたくさんの方を診察する姿を見ていましたね。すごいなぁとか、特にそういうことを感じることもなく、ごくごく普通の光景として見ていました。そんな当たり前のような感じで見ていたから、自分も皮膚科の医師になったのかと言われると、正直はるか昔すぎて覚えてないんですよね(笑)。父に言われてなったのではない、というのは確かです。父は私に対して「何をしても良いから」と言うような人だったので、自由にさせてもらっていましたね。それが逆に良かったのか、自然と大学は久留米大学の医学部に行きました。

大学ご卒業後、福岡大学の講師などを経て、1995年にこちらへ戻ってこられたそうですね。

ええ。私が1995年に戻ってきて、2006年に父が亡くなりましたので、10年ほど父と一緒にここで診療していました。父が開院してから68年たつので、もう70年近いですね。時間が過ぎるのはほんとあっという間ですよ。私が戻ってきた当時まだ若かった地域の方たちも、今は大きなお孫さんがいたり、小さかった子も結婚して自分の子どもを連れて来たりしていますからね。小さかった子が立派な親になっているのを見ると、人間というのはあっという間に大きくなるなぁ、とつくづく思いますね。

感慨深いものがおありでしょうね。疾患に関しても時代が変わるにつれて変化がありますか?

一木幹生理事長 一木皮フ科2

ありますね。その時代時代で病気の質も変わってきています。例えば、私が大学病院にいた頃、皮膚がんの一つである悪性黒色腫という病気は年に2人くらいしか見なかったんですよ。今は同じ大学病院で月に2~3人になっていますから。まだはっきりと解明されていない病気なのですが、遺伝的な要因と、紫外線や肌への刺激による環境因子の双方が関係するのではないかといわれていましてね。時代が変われば環境も変わってくるということもあるんでしょうけれど、この病気が同じ大学病院で昔の10倍以上に増えているわけですから、なぜここまで増えたのか不思議です。この悪性黒色腫というのは、ほくろのような黒い腫瘍ができるだけで痛みやかゆみはないんです。当院にこの病気の方がいらっしゃった場合は、ここでは治療することができませんので、その場合はすぐに詳しい検査と治療をしてもらうために紹介状を書きます。

診療において大切にしてることはしっかり話を聞くこと

重篤なものから一般的なものまでさまざまな疾患の方がおられると思いますが、こちらで多い疾患は何ですか?

一木幹生理事長 一木皮フ科3

年齢や男女問わず、炎症性皮膚炎、湿疹が多いですね。あと、今は子どもから高齢者までストレスからくるじんましん。お子さんは乾燥肌や、アトピー性皮膚炎の予備軍なども多いですね。高齢の方はどうしても、肌が乾燥していますからかゆみが出ます。かゆくなって、かいてしまうこともよくあると思いますが、かきすぎると湿疹になりやすいですから、やはり保湿が大事です。そして今年は毛虫の当たり年で、だいたい毎年6月くらいなのが、今年は5月から毛虫が原因の湿疹でたくさんの患者さまが来られています。毛虫の毛が刺さったり、毛に当たったりしたら、赤いぶつぶつができて皮膚に広がるんです。お子さんは草むらで遊んだり、虫を触ったりしますから、特に多いです。それから夏は汗をよくかきますので、あせもで来られるお子さんも多いですね。

では、先生が診療の際に一番大事にされていることを教えてください。

話をしっかり聞かないと、症状の原因がわかりませんよね。ですので、大事にしているのはよく話を聞くこと。また、疾患によってケースバイケースですが、湿疹だったらしっかり薬を塗ってほしいとお伝えすることなどです。小学生くらいの子の湿疹などは、親がきちんとケアしているかどうかが重要になるんです。小学生だから大丈夫だろうと思って任せてしまいがちですが、低学年の子にとって、薬の量や回数を頭に入れることは、なかなかできませんよね。「治らないから」と再来院された場合、じっくり子どもさんに話を聞くと、薬を塗り忘れていることが多いんです。毎日お忙しいとは思いますが、お子さんのためと思って、親御さんがしっかり薬を塗るようにしてほしいなと思います。

現在スタッフは何人いらっしゃるんですか?

一木幹生理事長 一木皮フ科4

1995年ここに戻ってきたときは、父と私のドクター2人と受付スタッフ2人の4人だけでした。いつのまにかスタッフは非常勤のドクター1人、看護師2人、受付9人、そのうち数人はパートさんですが、私まで入れると総勢13人になってしまいました。うちのスタッフは本当に優秀なんですよ。真面目なスタッフばかりで、患者さまにも誠意を持って接してくれて本当に助かっています。今、非常勤で月曜午前中と土曜に来てもらっているドクターは女性ですが、勉強熱心で経験、知識も豊富な優秀な皮膚科専門のドクターです。土曜日や月曜日の午前中は患者さまが多いので、たいへん助かっていますよ。丁寧な人当たりで、患者さまからも信頼されていらっしゃいます。

2021年春の完成に向け、秋から改築工事を開始予定

こちらに導入されている紫外線治療器や医院の改築についても教えていただけますか?

一木幹生理事長 一木皮フ科5

エキシマライトという狭い範囲に照射する紫外線治療器で、アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬、手のひらや足の裏に膿のある小さな水膨れが繰り返しできる掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)、尋常性白斑などの治療で使用することが多いです。これらの治療は保険適用です。今後も新しい機器が次々に出てくるでしょうし、時代に合わせて導入を検討していかないといけないでしょうね。また、2021年4月の完成に向け、秋から医院の改築工事に入ります。その期間は、すぐ近くに仮設診療所を作ってそこで診療することになります。移動しないといけないので大変です。この改築を機に、診療予約システムを導入したり、処方箋に2次元コードをつけたり、コンピューターの台数を増やして、いろいろな新しいことにチャレンジしていこうと思っています。

完成が楽しみです。では、日々お忙しく過ごされている先生の趣味についてもお聞かせください。

あまり趣味がないほうで、昔の飛行機が好きなことくらい。プロペラの飛行機が好きなんです。目的によって形が違うし、何よりも飛んでいる姿がきれいだと思うんですよね。だから、ここの壁にも飛行機の絵を飾っているんです。趣味といってもそれくらいですよ。でも、今はストレスを抱えている方が多いですし、趣味を持つことは大事かもしれません。

読者の方のメッセージをお願いいたします。

一木幹生理事長 一木皮フ科6

新学期や入社などで環境が変わりやすいのもあってか、5月から6月は特にストレスによる疾患が多いです。そして、その後の季節は紫外線に気をつけていただきたいですね。女性はしみが気になって来られる方が多くおられますから。紫外線に気をつけている方とそうでない方では、10年後、20年後、しみの出方が違うと思いますので、しっかり紫外線対策をされてくださいね。

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