隈元 真志 院長、津田 圭一 副院長の独自取材記事
福岡脊椎クリニック
(福岡市博多区/南福岡駅)
最終更新日:2025/04/07

「福岡脊椎クリニック」は、隈元真志院長が2024年2月に開業した、首から腰までの幅広い部位を指す脊椎・脊髄疾患の治療に特化している。外来・手術・入院・リハビリテーションまで対応する同院は、CTやMRIなどの検査機器も充実している先進的なクリニックだ。"患者の負担減少"という理念を掲げており、即日検査・治療が可能なだけでなく、必要な場合は初診時に手術や検査後の流れをその場で確定できることも大きな強み。在籍する3人の医師はそれぞれ脳神経外科、整形外科、内科のエキスパートで、専門的な治療を提供に努める。そんな専門性の高い同院でも同時に温かみを感じるのは、隈元院長と副院長の津田圭一先生の朗らかで明るい人柄があってこそ。そんな2人に話を聞いた。
(取材日2025年2月12日)
トータルケアの治療提供で、背骨の健康を徹底サポート
クリニックの特徴を教えてください。

【隈元院長】脊椎・脊髄疾患の治療に特化したクリニックとして、専門的な診療を提供しています。医師は3人体制で、私は日本脳神経外科学会脳神経外科専門医、津田先生は日本整形外科学会整形外科専門医で、お互い脊椎脊髄外科の経験も豊富です。ヘルニア、外傷、加齢に伴い起こる病気など、背骨の病気について幅広く対応します。内科の医師である古寺重喜先生には、脊椎疾患の治療時に問題となる心臓やおなかの病気、糖尿病、内分泌疾患など内科的な心配事を相談できます。背骨に関してお悩みがある際は、一番はじめに当院を思い出していただけるとうれしいです。
「即日検査・即日治療」を医院理念として掲げているとか。
【隈元院長】ええ。このスタイルは、開業を決意したきっかけなんです。私も津田先生も、以前は総合病院で働いていたのですが、患者さんが痛みを抱えて受診される中、すぐに検査が行えないことがほとんどである上に、診断結果の説明も後日になるなど、なかなか治療を始めることができない状況でした。しかし本来、患者さんはその日のうちに検査を受け、診断を聞き、すぐにでも治療を始めたいと願っているはずです。私自身も、もし自分が患者の立場だったら、そう感じるだろうと思い、「患者さんにとって一番良い形で治療が受けられるクリニック」を作りたいという想いを抱いてきました。この想いを実現するため、即日検査・即日治療が可能なクリニックを開業することを決意しました。患者さんが安心し、速やかに適切な治療を受けられる環境を提供したいです。
先生方の想いが詰まった診療体制ですね。他にこだわりはありますか?

【津田副院長】手術、入院、リハビリテーションまで対応していることです。脊椎のクリニックは通常、多少の検査ができて、軽症の場合はお薬や注射で治療を行い、それ以上の治療が必要な場合は総合病院を紹介し手術を行ってもらうような体制がほとんど。しかし当院は、外来診療から手術、入院、リハビリテーションまで、背骨に関するトータルケアを一貫して行っています。
【隈元院長】こちらはもともと、古寺先生のお父さまが1960年に開業し、2003年に古寺先生が引き継がれた内科クリニックでした。2024年、新たに「福岡脊椎クリニック」として開業するにあたって増築し、リハビリテーション室や手術室を設けました。検査機器は、エックス線撮影装置、CT、MRI、骨密度測定装置を備え、基本的に当日中の検査が可能。わざわざ検査のためにお休みを取ってもらう必要がない体制を整えています。
精度の高い低侵襲脊椎内視鏡手術を提供
お二人は開業に向けて、さまざま研鑽をされてきたのではないでしょうか?

【隈元院長】開業前は救急病院の脊椎脊髄外科に勤めており、背骨のけがなど外傷で搬送されてきた方や脊髄血管障害、化膿性脊椎炎などの治療に多く携わっていました。外来診療では近隣の先生から相談される腰痛や首の神経に関する症状など一般的な疾患を診ていました。津田先生とは共通の知人を通して出会い、お互い脊椎診療に携わっていることで意気投合したんです
【津田副院長】大学病院や関連病院の脊椎外科で第二次・第三次救急を担っており、内臓の合併症を持つ方など、クリニックでは診られないような重症の方の手術や治療にあたっていました。隈元先生にお声がけいただいて手術の応援に行き、一緒に治療を進めることもありました。
手術へのこだわりも教えてください。
【隈元院長】手術する部位や範囲、患者さんの状態を考慮して、手術法や前方・後方アプローチといった進入方法を決めています。低侵襲の手術にこだわっており、特に力を注いでいるのが脊椎内視鏡手術。病院と違って集中治療室があるわけではないので、いかに切り傷を小さくするか、そしてどれだけ患者さんの出血量を抑えるか、よりシビアに考えるようになりました。九州における脊椎内視鏡手術の分野を、私たちがリードしていきたいと思ってます。
【津田副院長】手術をより安全に行うため、ナビゲーションシステムも用いています。病気の部位や骨の変形は患者さんによって異なるほか、背骨の周りには大事な神経組織や血管が位置しているため、これらを傷つけないよう的確に手術を行わなくてはなりません。ナビゲーションシステムを採用することで、手術時間の短縮や出血量を低減による早期復帰につなげたいと考えています。
脊椎内視鏡手術について詳しく教えてください。

【隈元院長】脊椎は体の中心にあるため、従来の手術では大きな切開をして筋肉を傷つけながら治療を行う必要がありました。ですが、内視鏡を使った手術では、直径1cmほどの小さな穴を開けるだけで、筋肉や骨をできるだけ傷つけずに治療ができます。そのため手術後の痛みが少なく、翌日から歩けたり、仕事の再開時期が早いのが特徴です。さらに高齢の方や、他の病気を抱えている方にも、内視鏡手術は体への負担が少なく、安全に配慮して治療ができます。
【津田副院長】身体への負担が軽減できることからも、腰や足の痛みを感じる腰椎の椎間板ヘルニアや、首・腕の痛みや手のしびれを引き起こす腰部脊柱管狭窄症など、手術を検討する患者さんが増えています。
スタッフは患者を優しく囲む「パートナー」
リハビリテーションにも力を入れられているのですね。

【津田副院長】当院には、専門的な知識と技術を持つ理学療法士や作業療法士が10人在籍しております。大学院を修了したスタッフや、現在も研鑽を続けているスタッフが複数おり、常に「患者さんのために」と強い思いを持って取り組んでいます。例えば、初回のリハビリテーションでは、患者さんが十分な効果を実感できるよう、40分をかけて施術を行っています。また、入院中の患者さんには、1日に3回のリハビリテーションを実施するなど、丁寧に対応しています。こういった内容もリハビリテーションスタッフのこだわりで、とても頼もしく、日々助けられています。当院は手術に力を入れているので、患者さんが術後のリハビリテーションを経てどのように経過が変化したか、評価できるところも大きな強みです。
お二人はなぜ医師を志したのでしょうか。
【隈元院長】私は小学4年生の時に父親を脳の病気で亡くしたことを機に、脳外科の医師をめざしました。そして脳神経外科をへて脊髄や脊椎の診療に携わるようになりました。患者さんを痛みや苦痛から解放するために力を尽くせることに大きな魅力を感じました。
【津田副院長】私も幼い頃に病気で母を病で亡くし、病気の人を治してあげられる人になりたいという思いから医師をめざしました。日本では高齢化が進行する一方、平均寿命は随分と低いです。健康を維持するためには運動器疾患の治療も重要ですし、中でも脊椎の病気で日常生活に大きな支障を来している方がたくさんいらっしゃるので、健康寿命の延伸に貢献できればと思っています。
読者へメッセージをお願いします。

【津田副院長】医療機関に来られている患者さんのお悩みを解決して差し上げられるよう、話をよく聞くことを心がけています。患者さんのためになる治療ができるよう、迅速で丁寧な対応を心がけています。背骨のことでお困り事があれば、お気軽にご相談ください。
【隈元院長】トップに医師が君臨し、指示のもとスタッフが動くような体制ではなく、円の中心に患者さんがいて、受付、看護師、理学療法士や作業療法士といったスタッフ皆が患者さんを優しく囲み、治療を行っていく。それぞれが患者さんにとってのパートナーとなるイメージで日々対応しています。患者さんのつらい痛みをその日のうちに軽減できるよう、今後も努めていきます。