参謀として治療の戦略を立案
患者に寄り添った糖尿病治療
山下司内科クリニック
(福岡市博多区/祇園駅)
最終更新日:2026/03/12
- 保険診療
代表的な生活習慣病である「糖尿病」。初期は自覚症状に乏しく、異常な喉の渇きや急激な体重減少などのサインに気づいた時には、すでに病状が進行していることも。さらに、重症化が進むと神経障害をはじめとした深刻な合併症を引き起こすほか、脳梗塞や循環器疾患など、命に関わる病気への罹患リスクが跳ね上がる恐れもあるため、病魔の予兆を逃さないことが極めて重要だ。博多区で長年にわたり糖尿病診療の前線に立ってきた「山下司内科クリニック」の山下司院長は、「しっかりと治療戦略を持って向き合えば、健康寿命の延伸へつなげられます。まずはご自身の現状を知るところから始めましょう」と呼びかける。患者とともに糖尿病に立ち向かう「参謀役」として寄り添い続ける山下院長に、糖尿病の真の姿や先進の治療アプローチについて、詳しく聞いた。
(取材日2026年2月16日)
目次
糖尿病合併症を予防し健康寿命を延ばすためにも、自分の体を知って早期発見を
- Qよく耳にする糖尿病ですが、どんな病気なのでしょうか?
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A
▲糖尿病による合併症と関連する症状を語る山下院長
一言で言えば、血糖値の慢性的な上昇と糖代謝の異常に伴ってさまざまな合併症を引き起こすシステム障害です。糖尿病性網膜症・神経障害・腎臓疾患が三大合併症といわれるものですが、それ以外にも全身の血管網がダメージを受け、心筋梗塞をはじめとした循環器疾患や脳梗塞などの脳血管障害のリスクが飛躍的に高まります。さらには肝臓の疾患、認知症、骨粗しょう症、そして細胞レベルの老化の加速とも密接に関連しています。糖尿病自体がすぐに命を奪うわけではありませんが、生命を脅かす合併症の「引き金」となるのです 。まれに自己免疫などが原因となる1型糖尿病もありますが、大半は日々の生活習慣に由来する2型糖尿病が占めています。
- Q一般的な糖尿病の場合は、どんな治療を行うのでしょうか?
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A
▲罹患後、生活における血糖値の正常化をめざしたアドバイスを行う
2型糖尿病の場合、治療の土台は食事と運動の指導を通した血糖値のコントロールです。過剰な炭水化物の摂取があれば糖質量を論理的に調整、基礎代謝を上げるために運動習慣を導入し、生体データの経過を見ながら必要に応じてお薬を併用します。直接血糖値を下げるための薬のほか、肥満の改善を図ることから糖尿病の改善につなげる薬など、現代では科学の進歩によりさまざまな選択肢があります。糖尿病は完治が難しいため、健康な方と変わらない状態を「維持し続けること」がゴールとなります。食事や運動の習慣を怠り、治療前の生活に戻れば瞬く間に悪化してしまいますから、生涯自身の体と対話し、上手に付き合うことが必要な病気といえます。
- Q糖尿病に詳しいクリニックで治療を受けるメリットはありますか?
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A
▲糖尿病でも、さまざまな患者への治療に対応。心強い参謀役
基本的な治療方針にクリニックごとの大きな違いはありませんが、インスリンを体内でつくれない1型糖尿病や数値が改善しにくい難治性の2型糖尿病の方へのインスリン治療などは、絶妙な投与量の見極めに高度な専門性と臨床経験が求められます。糖尿病と一口に言っても患者さんごとに症状の現れ方も、生活の問題点も異なります。だからこそ膨大な症例データと向き合ってきた専門家が「参謀役」として、「この患者さんには、どういった戦略を取るのが適切か」を分析し見極め、二人三脚でより良い治療法を提案できる点が最大のメリットです。糖尿病は目先の数値だけでなく、10、20年先の未来を見据えて治療していく壮大なプロジェクトなのです。
- Q検査機器も充実しているそうですね。
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A
▲世界レベルの検査機器も導入し、あらゆる角度で診断
はい。わずか一滴の血液から血糖やHbA1cなどを即座に検査できる世界基準の分析機器をはじめ、足の血管の詰まり具合や血管年齢を評価する機器など、先端デバイスは充実させているほうだと思います。糖尿病性網膜症については眼科専門の医師との連携が基本ですが、当院でも初期のスクリーニングができるよう眼底カメラを導入しています。また、患者さんご自身が日常の血糖変動を可視化できるよう「持続血糖測定器」の活用も積極的に取り入れています。どんな時に、何を食べたら数値が上がるのかをダイレクトに視覚化できるため、単なる日々の血糖管理を超えて、ご自身の行動や生活習慣を見直す極めて強力なツールとしてご活用いただけます。
- Q糖尿病予防のためにできることはありますか?
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A
▲日頃から自分の体のサインに気づき、早めの受診が大切
最も重要なのは、健康診断などで血糖値の異常を指摘された際、速やかにクリニックを受診すること。異常な喉の渇き、夜中に何度もトイレに行く、急激に体重が減ったといった自覚症状が現れている時は、すでにシステム障害がかなり進行しているサインです。一つの明確な指標として、20歳頃と比較して体重が1割以上増加していたら要注意であり、受診のタイミングです。これ以上の体重増加を食い止める強い意志が重要になります。また、おなか周りが突出する「上半身型肥満」の方は、内臓脂肪が蓄積しており特にハイリスクな状態です。日頃から体重や体脂肪率、筋肉量をデータとして把握する習慣を身につけましょう。

