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河村 大輔 院長の独自取材記事

河村内科医院

(北九州市八幡西区/穴生駅)

最終更新日:2023/05/24

河村大輔院長 河村内科医院 main

西鉄バスの相生町停留所から徒歩1分の場所にある「河村内科医院」は、先代の河村恭輔先生が1978年に開業し、現在は河村大輔先生が2代目院長を務めている。消化器外科から心臓外科、乳腺外科、内科まで幅広い分野の診療に携わってきた河村院長。患者のニーズや時流にも敏感で、「科の垣根はありません。『ここでならどんな相談にも乗ってくれる、話を聞いてくれる』と思っていただける場所にしたいのです」と語る。胃内視鏡検査(胃カメラ)では患者の苦痛をできるだけ減らすようスタッフとともに工夫を重ねている。他の医療機関とは、それぞれの強みを生かしながら連携するほか、訪問診療にも対応するなど、地域の地域医療の窓口としての役割を担っている。同院の魅力について、河村院長に話を聞いた。

(取材日2022年8月18日)

ニーズに柔軟に対応し、地域患者の受け皿となる

院長が貴院を継がれて1年ほどがたちましたが、この1年で変化はありますか?

河村大輔院長 河村内科医院1

父の代からの患者さんも多いのですが、さらに新規の患者さんも増えてきています。中でも健康診断の後の再検査などで受診くださる方が増えたのは非常にうれしいですね。「健診で異常を指摘されたものの、どうしたらいいかわからないからまず河村内科に相談してみようかな」というように、二次検査の機能を担うクリニックとして地域の方に認識、そして活用してくださっているのが実感できています。クリニックを継いだ当初から良い意味での「なんでも屋」、つまり診療科目にとらわれない、幅広い症状を診れる相談所のような場所をめざしていましたから、本当にありがたいことですね。

先生は消化器内科の診療や内視鏡がご専門ですが、最初は外科医としてキャリアをスタートしたそうですね。

久留米大学医学部を卒業後入局したのが、久留米大学病院の外科でした。父・兄・姉が内科の医師なので、私は違うものを学んだほうが良いのではと考えました。その後、健和会大手町病院に勤務し、消化器内科疾患の診療に携わりました。胃内視鏡検査、大腸内視鏡検査、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)、ERCP(内視鏡的逆行性胆道膵管造影検査)や腹部・心臓・血管の超音波検査など、多くの経験を積み、消化器内科部長も務めました。その後当院でも移転を機に胃内視鏡検査を始めたのですが、内視鏡検査に関する問い合わせがとても多いと感じています。市の胃がん検診をきっかけに検査を受ける方も増えています。

胃カメラ(上部内視鏡検査)は経鼻・経口いずれにも対応されているとか。

河村大輔院長 河村内科医院2

いずれの検査でも、基本的には経鼻用の細いスコープファイバーを使用します。胃カメラは「きつい」というイメージがいまだに根強いですよね。その緊張をいかに解きほぐし、患者さんに楽に検査を受けていただくかを考えています。患者さんの希望があれば、鎮静剤を使用しますし、「実際の検査ではこういう時にきつくなるので、合図をしたら『深呼吸してください』とお声がけをしますね」と、前もって具体的なアドバイスをします。検査中にいきなり深呼吸をするように言われてもなかなかできないですからね。検査中も「今一番きついところを通りましたよ。あと少しです」などと都度お声がけし、検査を受ける方の不安を払拭できるようスタッフ一同で工夫を重ねています。

各医療機関と連携を強め、看取りや訪問診療にも対応

大腸カメラの検査についてはいかがでしょう?

河村大輔院長 河村内科医院3

患者さんが増えましたし、訪問診療なども行っているため、残念ながら大腸カメラを行う余裕が今はなくなってしまいました。検査が必要な場合は近くの病院をご紹介しています。大腸カメラに関わらず、今後も医療機関同士の密な連携は必要だと考えています。CTやMRIは、当院から車で7分ほどの場所にある東筑病院にお願いしています。電話で検査の空き状況などを確認し、すぐに枠を取ってくださるという関係が構築できています。診察にいらした方がすぐに検査に行けるとなれば、当日の検査対応も可能です。東筑病院での検査後、検査データを持って当院に戻ってきていただき、説明と必要な処方などを行っていく体制になっています。東筑病院の先生の所見と私の診断でダブルチェックの状態になっているため、診断の精度自体も向上できていると感じています。

院内感染の予防策としての隔離室も継続されているとか。

隔離室を使う機会は多いですね。隔離室には通常の玄関とは別に、駐車場から直接つながる入り口があり、待合室にいる通常の患者さんとは一切接触がない動線になるようにしています。隔離室の中は簡易的な陰圧室になっていて、風も一方向に流れ、室内の空気が外に漏れない仕組みになっていますし、医師・看護師側も防護服を着用します。患者さんは「自分が感染症に感染していることで、ほかの人に移してしまうのでは……」という点を特に不安視されています。そのストレス・不安を払拭することは重要で、患者さんにも安心して来ていただけるように努めています。さらに薬を処方する必要があれば、調剤薬局からお車または隔離室まで薬を持ってきてもらうこともあります。

先ほど、訪問診療も行っているとおっしゃっていましたね。

河村大輔院長 河村内科医院4

介護保険の申請についてのご相談などに対応するため、地域のケアマネジャーさんやヘルパーさんへとのネットワークも強固になってきたのではないかと感じています。当院の患者さんが訪問診療に移行されることもあれば、連携する機関から「この方の診療をお願いできますか?」と声がかかることも増え、看取りに対応することもあります。一方で、移転前の当院はビルの2階にあったため、「階段が急で上ることができない」と通院を諦めていた以前からの患者さんもおられたのですが、こちらに移転し、院内もバリアフリー構造になっているため通いやすいと、再度当院に通院を始めてくださる方も増えてきました。

幅広い症状の診療。医療機関や介護サービスの橋渡しも

以前から幅広い診療をめざしておられましたが、実際にどのような患者さんがおられますか?

河村大輔院長 河村内科医院5

高血圧、糖尿病、高脂血症といった生活習慣病は多いです。他にも、私は外科出身ですので多少の傷の治療などのご相談にも対応できますし、甲状腺機能亢進症が原因となっている心不全という例もありました。今は新型コロナウイルス感染症が流行していて、入院がしづらい状況です。新型コロナウイルス感染症は陰性で入院ができない肺炎の患者さんなどを、外来でしっかり治療することもできます。通院できるくらいの体力がある状態なので、飲み薬でも治療ができるという前提がありますが、こういう難しい状態にも対応できる力がついてきたという実感もありますね。

相談が多種多様だからこそ、症状を見極める力がさらについてきたのですね。

当院で対応できることにはもちろん全力で取り組みますが、「これだと個人院では難しい」と判断することもあります。そういう場合は他院と連携し、情報を共有しながら、患者さんがしっかり治療を受けられるようフォローしていきます。いらっしゃる患者さんのお悩みに応えることこそが地域のかかりつけ医の役割だという点は、今も変わっていません。むしろそういう役割になりたいとめざしていた場所に、今やっとたどりつけているのではないかという感覚もあります。だからといってここがゴールではなく、今後ももっと患者さんが相談しやすい場所でありたいと思っています。

読者へのメッセージをお願いします。

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「ここでならどんな相談にも乗ってくれる、話を聞いてくれる」。大事なのは患者さんのための医療であること。父の教えである「患者さんのために」という言葉には私も共感していますし、患者さんの問い合わせを断ることなく、お話を聞きながら不安を取り除いていく。それが患者さんが求めている診察なのだという考えは、ずっと胸にあります。地域の皆さんのニーズに応えていくためにこれからも幅広く勉強を続けていくつもりです。ぜひご家族の医療・介護の相談窓口として、当院でいろんなお話をお聞かせください。

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