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長引く咳は呼吸器内科を受診
専門の医師による診断と治療を

医療法人おおごう会 大郷内科クリニック

(北九州市小倉北区/南小倉駅)

最終更新日:2024/08/07

医療法人おおごう会 大郷内科クリニック 長引く咳は呼吸器内科を受診 専門の医師による診断と治療を 医療法人おおごう会 大郷内科クリニック 長引く咳は呼吸器内科を受診 専門の医師による診断と治療を
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熱はないのに咳だけが続く。そんな時、咳だけだからと放置する人も多いのではないだろうか。しかし「長引く咳は要注意です」と、呼吸器の専門家である「大郷内科クリニック」の内藤圭祐副院長は警鐘を鳴らす。2週間以上咳が止まらない、胸が痛むような咳が出るといった場合は、躊躇せずに専門の医師による検査を受けてほしいという。長引く咳には、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺がん、肺結核、アトピー咳嗽など、さまざまな病気が隠れている可能性があるからだ。「肺がんなどの重篤な疾患以外にアレルギーが原因の場合もあります」と内藤副院長。ほこりやダニ、花粉、ペットの毛など、アレルギー物質が原因で激しい咳を引き起こしているケースは少なくないそう。放っておくと悪化する可能性がある「長引く咳」について、詳しく聞いた。

(取材日2024年7月18日)

さまざまな疾患が隠れている「長引く咳」は、専門の医師による診断と治療で早期改善をめざす

Q長引く咳には、どんな病気が隠れていることがありますか。
A
医療法人おおごう会 大郷内科クリニック 呼吸器分野および内科全般を幅広く診療する内藤副院長

▲呼吸器分野および内科全般を幅広く診療する内藤副院長

喘息、アレルギーが起因となるアトピー咳嗽、上気道と下気道に炎症を起こす副鼻腔気管支症候群、逆流性食道炎、肺結核、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺がん、心不全など、長引く咳が特徴である病気は数多くあります。そのため、原因を知るためにも放置せずに受診することが大切。特に肺結核は空気感染しますので要注意です。また、薬の副作用で咳が続くケースもありますし、新型コロナウイルス感染後に咳が続く方も少なくありません。心不全に関してはあまり知られていないかもしれませんが、肺にたまった血液の中から水分が肺にしみ出ると、その水分を排出するために痰が絡む咳が出やすくなります。また、アレルギーによる咳も多いです。

Qアレルギー性による咳の原因について教えてください。
A
医療法人おおごう会 大郷内科クリニック 早期発見が重要で、放置によりさらなる悪化のリスクがあるという

▲早期発見が重要で、放置によりさらなる悪化のリスクがあるという

例えば、花粉、ほこり、ダニ、ペットの毛、あとはタバコの煙など、アレルギー物質が気管支に刺激を与えることで炎症を起こし、激しい咳につながるのがアレルギー性による咳のメカニズムです。ほかにも、大きな声を出したり緊張した時、あとは運動した時やエアコンを入れると咳が止まらないといったケースも。夜間や早朝に症状が出やすいことも咳の特徴として挙げられます。原因を突き止め、それを避けることが改善の近道となりますので、生活環境を細かくヒアリングするところから始めます。長引いている咳の原因がアレルギーではなく、風邪だと思っていた方も少なくありません。自己判断せずに専門機関を受診することが大事です。

Qアレルギー性の咳を放置することによるリスクはありますか。
A
医療法人おおごう会 大郷内科クリニック 必要に応じて検査を行い、適切に判断する

▲必要に応じて検査を行い、適切に判断する

アレルギー性の咳における予後は比較的良好である場合が多いのですが、咳が続くと夜眠れないこともありますし、仕事や勉強に支障が出ることが考えられます。また、咳が続くと体力を消耗しますので、早めに受診し、適切な処置を受けられることをお勧めします。また、咳の原因が本当にアレルギーによるものなのか調べることも重要。先ほどお伝えしたように、長引く咳には放置すると進行する重篤な疾患が潜んでいる可能性も否定できません。肺結核は他の人にうつしてしまう可能性もありますし、肺がん、心不全といった場合は早期発見が重要であることは言うまでもないでしょう。そのため、長引く咳の場合はそのままにせず必ず受診されてください。

Q長引く咳に対し、どのような検査を実施されていますか?
A
医療法人おおごう会 大郷内科クリニック 気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患は、主に吸入薬での治療を行う

▲気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患は、主に吸入薬での治療を行う

まずは患者さんからお話を聞き、ある程度原因を絞っていきます。その上で診察をし、必要に応じて炎症の数値やアレルギーの要素がないか採血で調べたり、肺炎、肺がん、肺結核の可能性を除外できない場合にはエックス線で胸の撮影を実施。また、痰が続く場合は痰の検査をすることも。息苦しいといった症状があり、喘息、慢性閉塞性肺疾患などが疑われる場合には、肺機能検査を実施します。このように、考えられる疾患についてはすべて検査を行い、必要な処置を行うのが大まかな流れになりますが、咳の原因は多岐にわたりますので、その判断を見誤らないためにも総合診療での経験は役立っていると実感しています。

Q治療方法や注意点について教えてください。
A
医療法人おおごう会 大郷内科クリニック 薬の正しい使い方を丁寧に説明してくれる

▲薬の正しい使い方を丁寧に説明してくれる

気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患は、主に吸入薬で治療を行います。注意点は、症状が軽減したとしても吸入をやめないこと。症状がぶり返したり、風邪をひいた時に症状が強く出てしまうことが多いので、しばらく吸入を続けることが大切。逆流性食道炎には胃酸を抑えるための薬を処方。食事をしてすぐに横になると胃酸が逆流しやすいので、食後2時間は横にならないようご注意ください。また、高齢者は誤嚥によって咳が長引くことがありますので、肺炎予防のため、口腔内を清潔に保つ生活指導を行い、必要な患者さんには薬を処方することも。小児喘息は大人になると改善することがあります。治療で炎症を抑えつつ、運動で肺を鍛えるのも良いでしょう。

ドクターからのメッセージ

内藤 圭祐副院長

当院は糖尿病をはじめ生活習慣病に長けた理事長、幅広い視点で呼吸器を診るのが得意な私、そして非常勤ではありますが内科を専門とする妻もいますので、各分野の知見を持ち寄ることができるのは当院ならではの強みではないかと思います。どの病気も早期発見が大切ですが、咳には重篤な病気が潜んでいることがあるため、放置しないことが重要。忙しいと市販の咳止め薬を頼りがちですが、原因がはっきりしていないまま市販薬で様子をみられるのは要注意です。特に胸が痛むくらい激しい咳の場合は、検査をしたほうが良いので躊躇せずに即受診されてください。受診する診療科を迷うような時も、お気軽にご相談いただければと思います。

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