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小泉 弘樹 院長の独自取材記事

こいずみ耳鼻咽喉科

(北九州市若松区/若松駅)

最終更新日:2021/10/12

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若松線の若松駅から歩いて5分ほど。明治時代から続く耳鼻咽喉科を小泉弘樹院長が継承し、2021年4月、「こいずみ耳鼻咽喉科」と名称を改め開業した。小泉院長は産業医科大学や東京女子医科大学東医療センターなどで手腕を振るってきた経歴を持つ。特に注力するのは、耳、めまい、そして子どもの診療だ。外来すべての診療において、手術にも使用されるような性能重視の顕微鏡を使用。「耳疾患を絶対に見逃さない」という信念を胸に、気さくな笑顔で患者と向き合う。「患者さんの言うことと、自分の目を信じて、基本に忠実に診断を行うのが私のポリシー。これまで培ってきた基礎研究と臨床経験を生かし、専門性の高い診療を提供したい」と語る小泉院長に、クリニックの特徴やこだわりを聞いた。

(取材日2021年6月3日)

得意分野は耳とめまいの診療。耳科手術の経験も豊富

クリニックらしくない、温かい雰囲気のクリニックですね。

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患者さんが緊張することなく治療に臨めるようなクリニックづくりを心がけました。杉の無垢材を壁や天井に多用したり、花のオブジェや私の好きな画家の絵画を壁に飾ったり。照明も温かい色合いを選びました。医療機関の建築は初めてという地元の工務店さんに、「お菓子を売るお店だと思って建ててください」とお願いしたんですよ。院内にあまり掲示物を貼っていないのも、クリニックらしくないでしょう(笑)。待合室には1人掛けの椅子を並べていますが、色を一脚一脚変えたり、子どもが1人でも座れる高さに下げたり、消毒しやすい素材を使ったり。患者さんの安心感につながるよう、細かいところまでこだわりました。

開業までの経歴を聞かせていただけますか?

親戚に医師がいるわけでも、熱意があったわけでもなく、産業医科大学に進学した当初は本当にぼんやりした学生でした。でもそんな中、耳鼻咽喉科の、手先の器用さを武器にコンマ1ミリの世界で勝負するような職人気質な仕事ぶりに魅せられまして。すばらしい教授に出会えたのも大きかったですね。主に中耳炎とめまいに関する学術研究に没頭するようになり、臨床では北九州市立医療センターや九州労災病院などで研鑽を重ねてきました。

難聴や中耳炎などの手術も数多く手がけてこられたとか。

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特に、東京女子医科大学東医療センターという国内でも数多くの手術を手がける病院で、須納瀬弘(すのせ・ひろし)先生のもと修行した2年間の臨床経験は大きな財産になりました。「僕の腕は0.1ミリもぶれない」と言い切る須納瀬先生のようなスペシャリストをめざし、患者さんを数多く診る開業医になろうと決意。ちょうどそんなときに、ゆかりのある若松での継承開業の話をいただいたというわけです。どうしたら診療レベルが飛躍的に向上するか、という私の問いに対し、先生の答えは「アナトミー、アナトミー、アナトミー」。つまり、解剖学という基本にひたすら忠実であれ、と。その教えを守り、私は今も毎晩、人体構造が緻密に描かれた解剖の本を読んでいるんですよ。70年ほど前に出版されたもので、私の宝物です。

画像だけではなく自分の目を信じて診断を

こちらの診療の特徴を教えてください。

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すべての患者さんの耳を、一般的に多く使用される簡易的な耳鏡ではなく、手術にも使用できる性能の顕微鏡で見て診察しています。自分の目を鍛えるため、そして疾患を絶対に見逃さないためです。もちろん、耳あかを取るだけのときも使いますよ。患者さんにとっても、自分の耳の中の様子を3台のモニターで動画として見ながら診察を受けられるので、説明がとても理解しやすいと思います。私のポリシーは、CTなどの画像に頼るのではなく、患者さんの言うことと自分の目を信じて診断すること。CTは私も撮りますが、補完的な資料の一つだと考えています。患者さんのお話をきちんと聞けるよう、診療室は個室でプライバシーに配慮。私が患者さんから直接しっかり症状を伺います。どの科にかかればいいかわからないような場合も、ご相談いただければ適切にご紹介しますので、何でも気軽に話せるかかりつけ医になれたらうれしいですね。

子どもの診療にも注力されているそうですね。

生まれたての0歳のお子さんの診察でも、まったく問題ありません。耳あかを取るときも、親御さんから引き離してベッドに寝かせて押さえつけて……ではなく、親御さんに抱っこされたままの状態で処置しています。お子さんの診療に関しては、小児科と耳鼻咽喉科、両輪となって一緒に取り組む姿勢を大事にしています。私は小児中耳炎の診療を得意としていて、外来での耳手術の経験も豊富です。滲出性中耳炎が3ヵ月以上続く場合は鼓膜に小さなチューブを挿入する治療を行いますが、全身麻酔でなく局所麻酔で可能なケースも多いですよ。

めまいの診療で、特に心がけていることはありますか?

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器質的疾患がない心因性めまいの診療は心療内科のような側面があり、パニック障害やうつ病などがある患者さんも多くいらっしゃいます。大事にしているのは、患者さんをいかに緊張させないか、そして、めまいという症状について丁寧に説明することです。地上で空を見上げてもめまいはしないけれど、100階建てのビルの屋上に立ったら、きっと誰でもめまいはするはずですし、ドキドキもしますよね。「めまいがするのは、あなたが今100階にいるからで、あなたの感覚器はまったくもって正常ですよ」とお話しすることで、めまいの捉え方が少し変わり、薬を減らしたりできるケースもあると思うんです。めまいの診療は耳鼻咽喉科が専門なので、ぜひご相談ください。心療内科と医療連携もしています。

人生を豊かにする、より良い“聞こえ”を支えたい

補聴器についてはどのようにお考えですか?

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補聴器の購入を検討される場合、まずは必ず、耳鼻咽喉科を受診してください。耳あかが詰まっていたり、鼓膜に穴が開いていたりして聞こえが悪くなっていた場合は、補聴器を作る前にできる処置があります。医師の診察なしに補聴器を買うことは、大きな病気を見逃すこともありますので絶対にやめてくださいね。当院は補聴器メーカーと連携し、院内でフィッティングを行っています。補聴器は飛行機に例えられることもあるくらいの精密機器。医師の診断のもと、きちんとしたフィッティングの上で導入していただきたいと思います。

新型コロナウイルス感染症流行下での開業ですが、影響を受けた部分はありますか?

当院には手術室を設けており、日帰りで鼓膜・鼓室形成術を行う予定なのですが、新型コロナウイルス対応もあるためまだ使用できていません。また、高齢の患者さんも多いので予約制にはしていなかったのですが、最近は待ち時間がたいへん長くなってきているので、密を避けるためにもやはりインターネット予約を導入しようかと考えているところです。熱のある患者さんも、来院前にお電話いただければ、受診時間帯や動線を分けたりして診察しますので安心してくださいね。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

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聞こえが良くなることで、人生はより豊かになると信じています。私の心に焼きついているのは、患者さんが「数十年ぶりに大好きな歌手の歌が聴けた」「友達の会話の中に入れた」と涙を流して喜ぶ姿。これからも、耳漏や難聴、めまいなどでお困りの方たちを責任もって診療し、サポートしていきたいですね。よく、耳あか除去だけで受診するなんて申し訳ないと言われる方がいますが、そんなことはありません。悪くなる前に行くのが、クリニックの上手なかかり方。半年や1年に1回、耳あかを取りに耳鼻咽喉科に来て、「悪いところは何もない」という診断を受けるのも大事だと思いますよ。

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