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北村 知恵子 副院長、末永 俊郎 院長の独自取材記事

末永産婦人科・麻酔科医院

(北九州市門司区/門司港駅)

最終更新日:2022/06/06

北村知恵子副院長、末永俊郎院長 末永産婦人科・麻酔科医院 main

門司港駅から徒歩3分ほどにある「末永産婦人科・麻酔科医院」は、1973年開業。以来、非常に多くの出産に立ち会い、今も地域の新しい命が生まれる場所として信頼されているクリニックだ。しかし昨今、課題も感じていると副院長の北村知恵子先生は話す。「高校から依頼を受け、生徒さんとお話しする機会がありましたが、自ら学ぶ子、自分の体に無頓着な子とさまざまでした」と表情を曇らせる。女性の一生は、年代によって月経の始まり・出産・更年期など体の変化との戦いともいえるだろう。「花粉症があれば耳鼻科に行くように、女性ならではの悩みがあれば産婦人科に行く、という流れにしたい」と力強く語る北村副院長。そしてそんな北村副院長を温かく見守る末永俊郎院長に、同院の特徴や産婦人科ができることなどについて話を聞いた。

(取材日2022年5月13日)

女性の体の悩みを、女性医師に気軽に相談できる場所に

医院の歴史、現在の体制についてお聞かせください。

北村知恵子副院長、末永俊郎院長 末永産婦人科・麻酔科医院1

【末永院長】当院は父、末永五郎が1973年1月に開業しました。2012年8月には1万人目の赤ちゃんが誕生するなど、たくさんの新しい命の誕生の瞬間に立ち会ってきたことを誇りに思います。北村副院長は、北九州市立医療センターの後輩です。私の長女は産婦人科の医師、次女は助産師と、いずれも女性の体と出産に関わる仕事に就いています。北村先生は長女の研修医時代の指導担当であり、次女とも仕事をともにしています。非常に優秀で、人柄も信頼できる医師であること、そしてご自身も母親として娘さんを育てておられ、お子さんとの時間をつくってあげたいという私なりの想いもあり、当院にスカウトした次第です。現在は私と北村先生の2人で診察・分娩を行っていますが、いずれは長女が戻れば、女性の産婦人科の医師が活躍するクリニックになると考えています。

副院長は、北九州市立医療センターではどんな経験を?

【北村副院長】がん診療連携拠点病院であり、総合周産期母子医療センターを持つ北九州市立医療センターでの仕事はとてもやりがいがありました。産婦人科を選んだのは「赤ちゃんが生まれてくるのは、こんなにも幸せなことなのだ」と感銘を受けたからです。その一方で、子宮体がんなどの患者さんの最期を看取ることもある。このように生から死まで関われるのが産婦人科です。そんな中でふと気づいたのが、このような大きな病院には女性の産婦人科の医師がいるが、町中にはまだまだ少ないということ。私が町中に出るだけでも「月経痛やPMS(月経前症候群)などを相談したい」とひそかに思う人が気軽に来院するきっかけになるのではないかと考え、院長のお声がけもあり、当院に勤めることとなりました。

産婦人科は「お産をする場所」というイメージを持つ方もおられるのではないでしょうか?

北村知恵子副院長、末永俊郎院長 末永産婦人科・麻酔科医院2

【北村副院長】まさにそこが、あらゆる産婦人科が抱える大きな課題であると感じています。出産は女性が行うもの、女性の体に関わることで間違いありません。しかしそれ以外にも月経痛、月経不順、PMS、更年期障害、子宮脱、子宮体がん、子宮頸がん、子宮内膜症など、女性には幅広い疾患のリスクがあります。その相談窓口になるのが産婦人科なのですが、いかんせん出産のイメージが強くあることで敷居が高いと感じる方もおられます。また「月経痛はあって当然、市販の痛み止めでいい」という風潮もまだまだありますよね。しかしそうすると、子宮内膜症やがんなどの重大な病気が隠れている、もしくはその危険性を放置することにもなりかねません。痛みは体からのサインですから。

学生にも産婦人科は嫌な場所ではないと思ってほしい

患者さんの思い込みが原因で、病気が重症化することもあるのですね。

北村知恵子副院長、末永俊郎院長 末永産婦人科・麻酔科医院3

【北村副院長】花粉症で鼻水に困れば耳鼻科に、皮膚炎が治らずに困れば皮膚科に行くように、月経痛やPMSなどに困っているのであれば産婦人科に行く。まったく同じことなのですが、これは日本の風土でしょうか、特に若い子には気恥ずかしさもあるようですし、親御さんや学校からの教育も行き届いていないと感じることがあります。高校から依頼され、実際に何人かの生徒さんと面談を行ったこともあるのですが、生徒さんによって理解度はまったく違いました。当院へいらっしゃる患者さんも同じで、「月経痛がひどく、寝込んでしまって単位が取れないかもしれない」と親御さんに手を引かれて来る人もいれば、SNSなどを活用して「漢方薬が月経痛に使えると見かけたので試してみたいです」と自発的な行動を起こす学生さんもいます。

人によって考え方、知識にも大きな差があるのですね。

【北村副院長】知識がないと、いずれ性行為を経験していく中で望まぬ妊娠にぶつかったり、性感染症にかかってしまう危険性も避けられないということです。そうでなくとも子宮内膜症や子宮体がんなどは誰でもかかりうる病気です。その知識のベースを学生時代に身につけておくべきではないか、その部分から女性医師が介入していけば、未来はもう少し変わるのではないかと考えています。その最初の窓口になりたいと考えて、当院にやってきたのですから。もちろん思春期のお子さんをいきなり内診台へ、ということは絶対にしません。少し画像は荒くなりますが腹部エコーから入り、「産婦人科はいやなことをされる場所ではない」と認識してもらうことが重要なのだと思います。

学生のお子さんを持つ親御さんに気をつけてほしい点は何でしょう?

北村知恵子副院長、末永俊郎院長 末永産婦人科・麻酔科医院4

【北村副院長】「月経不順」「重い月経痛」「子宮頸がんワクチン」の3つが柱であると感じます。いずれもきちんと説明すれば、お子さんと一緒に再び来院してくださることも多いですね。学生さんは思春期ということもあって、困っていることを自ら外に発信することは多くありません。友人同士であっても話せない一線があるというのを、自分も経験しているからわかります。だからこそ親御さんには、普段の娘さんの様子を気にかけ、気になる点があれば迷わず私たち産婦人科に相談してほしいと思っています。

和痛分娩にも対応。母親の意思と、女性の想いを大切に

「和痛分娩」も取り入れられていますね。

北村知恵子副院長、末永俊郎院長 末永産婦人科・麻酔科医院5

【末永院長】和痛分娩は、字のごとく「無痛」ではありません。出産には必ず陣痛があり、陣痛がなければ出産が進みません。和痛分娩は、通常の痛みを10とするなら、それを2〜3まで和らげることをめざすもの。だから「和痛」と書くんですね。陣痛促進剤などを使わない自然な分娩のほうがお産の質も良くなりやすいのです。その自然な現象の中にあって、どうしても痛く苦しい部分を和らげたい、そのサポートが和痛分娩なのだと私は考えます。また当院では、お産だけでなく乳房ケアなど産後のフォローにも注力しています。産前やお産の間だけでなく出産後も安心できるよう、赤ちゃんが生まれてから断乳までベテランの助産師が手厚くフォローしています。

今後、クリニックをどうしていきたいとお考えですか?

【末永院長】私も北村先生も北九州市立医療センターの出身なので、そこにおられる先生方のこと、医療センターの風通しが良いこともよく存じ上げています。気になることがあってもいきなり大きな病院に行くのは気が引けるという方がほとんどですし、そういう方の最初の相談窓口であり、もし大きな疾患があり手術などをした際には、その後の経過観察を当院が引き受けるなど、これまでやってきた連携をさらに強めていきたいと考えています。がんや子宮内膜症など以外には、不妊治療もそうです。当院で患者さんの状況を把握し、ある程度の治療やアドバイスを行った上で専門家にバトンタッチすれば、結果的に早く懐妊に至ることも考えられますから。病診連携、診診連携どちらも大切にし、それを支えてくれるのが北村先生と娘たちであると考えています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

北村知恵子副院長、末永俊郎院長 末永産婦人科・麻酔科医院6

【北村副院長】出産に限らず、女性の体全般について、気軽に産婦人科を頼ってほしい。今はこれに尽きます。病気になってから相談に来るのではなく、健康なうちに来てほしいのが私の願いです。そうすれば子宮内膜症も手術ではなく服薬だけで済む、という可能性もありますから。院長も月経痛に関しては特に気にかけておられますので、痛みがあって当然と思い込まず、まずは相談に来てほしいですね。出産後しばらく検診を受けていない方も、ぜひがん検診を受けてください。自治体からもお知らせがありますし、予約なしでもすぐに受けられます。地域に根差したクリニックとして、女性の皆さんの味方でいたいと思っています。気負わず、何でも相談してください。

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