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地域一丸となって取り組む
24時間365日対応の訪問診療

松本クリニック

(南宇和郡愛南町/宿毛駅)

最終更新日:2021/10/26

松本クリニック 地域一丸となって取り組む 24時間365日対応の訪問診療 松本クリニック 地域一丸となって取り組む 24時間365日対応の訪問診療
  • 保険診療

身体上、健康上の理由で通院が困難な患者に対して行われる訪問診療。住み慣れた自宅で治療や療養に励むことができるのがメリットであり、高齢化の進む現代においては、そのニーズはますます高くなっている。愛南町で長年地域に根差した診療を提供してきた「松本クリニック」でも、2010年から訪問診療を開始。24時間365日、患者が必要な時にいつでも自宅で診療を受けられるように体制を整え、ケアマネジャーやヘルパーら他の職種とも連携して患者や家族の療養生活を支えているそうだ。「10年前に比べると、訪問診療に対する理解が進み、より多くの人にご利用いただけるようになってきたように感じています」と話すのは、松本毅院長。どのような思いで在宅での療養支援に取り組んでいるのか、詳しく話を聞いた。

(取材日2021年10月20日)

多職種連携でその人らしい療養生活を支える

Qそもそも、訪問診療とはどのようなものですか?
A
松本クリニック 愛南町内が訪問範囲。院を拠点に、地域住民の健康を見守る

▲愛南町内が訪問範囲。院を拠点に、地域住民の健康を見守る

突発的な病状の変化があったときに医師が自宅を訪問する「往診」とは異なり、定期的かつ計画的に訪問して治療を行ったり、療養の相談をしたりするのが「訪問診療」です。定期的に訪問することで患者さんの健康状態をこまやかに管理し、病気の重症化を未然に防ぐという目的があります。当院では基本的に2週間に1度、体調が悪い患者さんに対しては1週間に1度、訪問診療を行っており、外来が終わった後の平日午後の時間帯を利用して患者さん宅を回っています。急に病状が変わったときはその都度往診や電話での相談も受けつけていますから、24時間365日、いつでも必要なときに利用していただけます。

Qどのような治療や検査が受けられるのですか?
A
松本クリニック 診療に必要な道具を携え、院長と看護師の2人で患者宅へ訪問

▲診療に必要な道具を携え、院長と看護師の2人で患者宅へ訪問

通常の診察や薬の処方、けがや床ずれの処置はもちろん、点滴、血液検査、尿検査や心電図検査、超音波検査など、クリニックで行われている多くの検査・治療を自宅で受けることができます。また酸素吸入が必要な方や、胃ろうの管理が必要な方、医療用麻薬を使用している方への対応も可能です。ご家族の希望があれば、自宅でのお看取りも行っています。もっとも、ご自宅で最期まで療養を続けるとなるとご家族の負担も大きくなりますから、状況に応じて提携先の医療機関を紹介しています。

Q在宅で診療を受けるメリットは何でしょう?
A
松本クリニック 前回訪問時の状態と比較しながら診察し、投薬や処方の調節を行う

▲前回訪問時の状態と比較しながら診察し、投薬や処方の調節を行う

患者さんが慣れ親しんだ自宅で、リラックスした状態で病気の治療や療養ができるというのは大きなメリットだと思います。とはいえ、「もし急に容体が変わったら」という不安はあると思いますから、その心配を取り除くことが私たち医師や看護師の役割です。患者さんの体調が落ち着いているのが一番いい状態ですから、それを維持するためにも定期的な訪問による健康管理が大切になります。時には、医療行為をほとんど行わずに患者さんやご家族とだんらんして帰ることもありますね。実はその時間もとても大事で、患者さんとお話しすることでその方の価値観やどんな最期を迎えたいかを知り、本当に望む医療を提供することができると考えています。

Q多職種連携によるサポートを心がけていらっしゃるそうですね。
A
松本クリニック 診察後の談笑で生まれる信頼関係が、「人を診る」医療への第一歩

▲診察後の談笑で生まれる信頼関係が、「人を診る」医療への第一歩

医療と並行して介護のサービスが必要になる患者さんもいらっしゃいますから、ケアマネジャーやヘルパーらと協力しながら療養生活を支えています。まだ介護サービスなどを受けていない患者さんに対しては、「こういう支援が受けられますよ」と制度や相談窓口の紹介をして、適切なサポートにつなげられるよう心がけています。そのため、私や看護師らスタッフも介護福祉に関する勉強をして知識を身につけるようにしています。他の職種の方々とは、オンラインで情報を共有できるシステムも構築しているんです。医師に言いづらい話をヘルパーさんには相談していたり、その逆もあったりしますから、患者さんを深く知るためにも連携は大事です。

Q10年以上訪問診療に取り組んできて、どんなことを感じますか?
A
松本クリニック 訪問診療に従事して10年。患者のために研鑽を積み続ける

▲訪問診療に従事して10年。患者のために研鑽を積み続ける

2010年に地元であるこの地域に帰ってきてすぐに訪問診療を始めたのですが、当初は医師が自宅に入ってくることに対して抵抗を感じる方も少なくありませんでした。ですが最近では、メディアやクチコミを通じて情報が広まったこともあり、訪問診療に関する知識が浸透し、普通のこととして受け入れてくださる方が増えたように思います。病気を治すことももちろん大切ですが、病気と共存しながらいかにその人らしく生きるか、ということも、同じくらい大事なことだと考えています。自分が育った街に恩返しをするためにも、これからも地域で療養生活を送る方々を支えていきたいです。

ドクターからのメッセージ

松本 毅院長

自分の親や大切な身内の体調が悪くなると、いろいろな葛藤や戸惑いがあるでしょう。日頃から何でも気軽に話せるかかりつけ医がいれば、いざというときも安心できると思いますから、家族に健康面で気になるところが出始めたら、早いうちから医師や看護師に相談して信頼し合える関係を築いておくことをお勧めします。当院では在宅療養者の健康状態について気になることがあれば、24時間、電話でのご相談も受けつけていますから、何かあれば気兼ねなくご連絡ください。

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