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松本 毅 院長の独自取材記事

松本クリニック

(南宇和郡愛南町/宿毛駅)

最終更新日:2021/10/12

松本毅院長 松本クリニック main

愛媛県最南端に位置する愛南町にある「松本クリニック」。2010年に父から医院を引き継ぎ、2代目院長を務めるのは、愛媛大学附属医学部病院などで研鑽を積んだ松本毅先生。現在、副院長として診療を続ける父・松本定善先生との二診制を敷き、日本内科学会総合内科専門医として、風邪や下痢、腹痛といった急性疾患や生活習慣病に対する治療、生活指導など幅広い診療を行っている。松本院長の専門は消化器内科で、日本消化器病学会消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医としての専門性を生かし、内視鏡検査や腹部超音波検査などにも注力。24時間365日体制の訪問診療という在宅療養支援にも取り組み、きめ細かな地域医療を展開する松本院長に、地域への想いや今後の展望をじっくりと聞いた。

(取材日2021年6月18日)

地域医療と専門的医療のハイブリッドな診療体制

これまで研鑽を積まれてきた経験についてお聞かせください。

松本毅院長 松本クリニック1

医師を志した時から、ゆくゆくは故郷の愛南町で地域医療に貢献したいと考えていたのですが、まずは専門的な医療を深めたいという思いがありました。なので大分大学医学部を卒業後は、愛媛大学医学部附属病院の第3内科で消化器や肝臓の疾患を、次に勤務した西条市立周桑病院では内科全般的に幅広い診療や検査を、続く宇和島病院でも消化器疾患を診療し、内科・消化器分野の専門性を高めてきました。その後、2010年に松本クリニックを継承したのですが、愛媛県の東・中・南予の基幹病院に勤務し、幅広い内科医療と専門性の高い医療の両方を経験したことが、全身をバランス良く診る現在の診療体制につながっていると感じています。

愛媛県内各地で医療に携わってこられた先生から見て、この地域の患者さんの特徴などはいかがですか?

愛南町は愛媛の中でも田舎のほうなので、とても穏やかで優しい方が多いように思います。生まれ育った町だからより感じるのかもしれませんが。治療やアドバイスも素直に受け取ってくださいますし、私が疲れている時は逆に温かいお声かけをいただくこともあります。年齢層は、超高齢化が進む地域ですからご高齢の方が中心です。ですが80歳を超えても農業や漁業など、まだまだ現役で活躍されている方が多いですよ。受診理由としては風邪や腹痛などの急性疾患はもちろん、生活習慣病や腰痛、肩凝りなどの慢性疾患を抱えている方も多いです。

生活習慣病についてはどのようなアドバイスをされているのですか?

松本毅院長 松本クリニック2

アドバイスと言ってもできるだけ優しく、患者さんの生活スタイルや食事・運動に対するモチベーションなども見ながら、その人その人に合った内容をご提案するように気をつけています。私はまさにここの出身で、地域の患者さんの特性もわかっているのでそこは強みかなと思います。父の代から通ってくださっている患者さんも多く、昔から顔見知りなのでコミュニケーションも取りやすいですしね。また、家族構成や地域での役割など、患者さんの病気を診るのではなく、その人を診るというのが地域医療の使命ではないかなと思います。

内視鏡検査や腹部超音波検査も実施されていますね。

もともと専門が消化器内科ですから、胃や大腸の内視鏡検査や腹部超音波検査の検査・診断には力を入れています。当院の胃カメラは経鼻のため細く、刺激が少ないため比較的負担が少なく検査ができると思います。胃内視鏡で食道や胃、十二指腸を、大腸内視鏡で大腸内を、そして腹部超音波検査では肝臓や胆嚢、膵臓、脾臓、腎臓などを観察します。腫瘍など手術が必要な疾患が認められた場合には、宇和島病院や愛媛県立南宇和病院などに紹介し、早期発見・早期治療につなげています。ほかにエックス線検査や血液検査を行っていて、企業の健康診断も受けつけています。私が専門としている肝臓の疾患に関しては血液検査の数値で引っかかる方が多く、健康診断でC型肝炎やB型肝炎が発覚することも。ですから、若いうちから健診はぜひ毎年受けていただいて、治療や予防につなげていただきたいですね。

在宅療養支援診療所として24時間365日のサポート

先生が特に力を入れているのはどんな治療でしょうか?

松本毅院長 松本クリニック3

内科の医師として何でも診ますという気持ちで、患者さんとは日々向き合っています。地域のかかりつけ医という立場ですから、内科に限らず整形外科や皮膚科、小児科などの領域も含め、患者さん自身を診ることを心がけています。中でも力を入れているのは訪問診療ですね。2010年に帰郷し、父から院長を引き継いでからすぐに24時間365日の訪問診療体制を整えました。父の代から往診は行っていましたが、現在は体調の悪い時に伺うだけでなく、定期的に訪問し健康状態の見守りを開始しました。できる限りご自宅で安心して長く過ごしていただくための在宅療養支援として行っています。最初は「体調が悪いわけではないのになんで来るの?」との意見もありましたが、予防医療としての訪問診療という考え方を広めることから始めて10年ほどが経過し、ようやく浸透してきたかなと思います。

訪問診療ではどのような治療を行っているのですか?

訪問診療では、看護師とともに伺います。どんな治療をということですが、最も望ましいのは何もしないこと(笑)。患者さんの体調も落ち着いていて、お薬だけで、変化がないのが一番ですね。もちろん体調を崩されている患者さんに対してはご自宅で点滴をしたり血液検査を行ったり、クリニックと同等の治療が行えるよう準備をして伺っています。また訪問診療の場合、患者さんはご高齢の方が多いので、担当のケアマネジャーやご家族と相談しながら、多職種連携により患者さんをサポートしていくことを大切にしています。

この地で訪問診療をされていて、どのような印象がありますか。

松本毅院長 松本クリニック4

愛南町は家族やご近所さんとの絆が強い地域だなと感じることが多いですね。家で過ごすと決断されて、在宅で医療や介護を受けることになったとき、ご家族はもちろん周囲の方々のサポートが手厚いなと思います。地域一丸となって、周りのご親戚の方や近所の方、ケアマネジャー、ヘルパーさん、私たち医師と看護師のみんなでサポートして、最期までご自宅で過ごしていただけるように携わっています。

多職種連携で地域に信頼される医療をめざす

先生が医師を志したきっかけは?

松本毅院長 松本クリニック5

父から将来医師になれと言われたことはなく、好きなことをと言われていたのですが、幼い頃から地域の人に頼りにされている父の背中を見て育ったので、自分もそんな存在になりたいと、自然と医師を志していました。父も内科全般を幅広く診る地域のかかりつけ医としてずっと診療を行っていて、私が帰ってきてからは2人体制で今も一緒に診療しています。

趣味や息抜きなど先生ご自身についても教えてください。

上の子が小学校に上がるタイミングで愛南町に帰ってきたので、当初は川遊びとか釣りとか、自然の中で子どもたちと一緒に遊ぼうと考えていたのですが…もともとがインドア派なものですから、思ったよりは遊べてないですね(笑)。でも、ここは地域で子どもを育ててくれる環境なので、子育ての面でも帰ってきて良かったなと感じることは多いです。自分もその中で育ってきましたから、子どもたちにも地域の方との交流の中でいろんなことを学んでほしいなと思いますね。今では子どもたちも高校生になりました。私の息抜きとしては、好きな音楽を聴いてのんびりと過ごすことですね。

今後の診療の展望と読者へのメッセージをお聞かせください。

松本毅院長 松本クリニック6

愛南町のように高齢化の進む田舎で診療体制を整えていくには、周りの医療機関や介護事業所との連携がますます重要になってきます。そのため、地域住民の方々や医療・介護従事者の方々へ向けて在宅療養支援に関する情報発信、講演会なども積極的に行い、連携体制を深めていけるよう努めています。患者さんとご家族が、医療者や介護提供者と一緒に人生の最期、看取りに関することなどについて考えていくアドバンス・ケア・プランニングについてもお話しして、できるだけ患者さん、ご家族の意向に沿うように進めていきたいと考えています。

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