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西本 章 院長の独自取材記事

西本整形外科 

(東温市/田窪駅)

最終更新日:2023/07/24

西本章院長 西本整形外科  main

東温市にある「西本整形外科」は、リハビリテーション科やリウマチ科の診療も行うクリニックだ。西本章院長が1993年に開業し、以来30年にわたって地域の人々に寄り添ってきた。現在は通院リハビリを中心として「一人ひとりの生活を考えたリハビリを大切にしている」と話す西本院長。また高齢者が多い地域であることから、骨粗しょう症の治療や啓発活動にも力を入れている。学生時代にバレーボールをやっていたという西本院長はすらりとしたスタイルで、爽やかな印象だ。そんな西本院長に、診療で気をつけていることや骨粗しょう症の治療への取り組みなどについて詳しく話を聞いた。

(取材更新日:2023年3月26日)

日常生活を見据えたリハビリを重視

まず、医師になったきっかけを教えてください。

西本章院長 西本整形外科 1

私は小さい頃から体が弱く、よく病院に通う中で医師の姿に憧れて、小学5、6年生の頃にめざすようになりました。整形外科を選んだのは、先輩に「整形外科は面白いよ」と勧誘されたのがきっかけです。愛媛大学を卒業してから、同大学の整形外科へ入局した後、宇和島社会保険病院(現・JCHO宇和島病院)や済生会松山病院などを経て1993年に当院を開業しました。当院は整形外科とリハビリテーション科をメインとしながら、リウマチ科も扱っており、同時に通所リハビリやデイケアも実施しています。患者層は高齢者が多いです。開業してから日々診療を行う中で患者さんに教えてもらったことも多いので、患者さんこそ先生だと思っています。

診療の際に気をつけていることはありますか?

患者さんが何を望んでいるかをしっかり理解しなければいけないと思っています。ただ、毎日忙しいので、十分にはできていないのではないかという反省もあります。自分の症状をうまく説明できない患者さんもいらっしゃるので、少しでも話しやすいように笑顔で接するようにしています。あとは、私には話せなくても、看護師には話してくれることもあるので、スタッフとの連携は大切にしています。例えば転倒した患者さん一人についても、家屋の段差などが問題なのか、睡眠剤を飲んでフラフラしたからなのかなど、転倒の原因や状況を総合的に判断し、次に同じことが起こらないようにするのが重要だと考えています。加えてこういった情報の共有も、各業務を行うスタッフの中で一人リーダーを設定し、そのリーダーから全員へ共有するチーム制を取っています。個々のスタッフとやりとりするのが一番理想ですが、どうしても時間は限られてしまいます。

リハビリで重視していることはありますか?

西本章院長 西本整形外科 2

当院には運動器リハビリの設備なども充実させているので、それを患者さんに合わせて適宜導入しつつ、一人ひとりの方の日常生活に即したリハビリを行うことを大切にしています。リハビリというと、リハビリ室で足を上げたり歩いたりする単調な動きのイメージがあると思います。ですがそれだけではなく、外で散歩してみたりですとか、ベッドで起き上がる動作であったり、患者さんの日常行動に沿った動きをリハビリで取り入れ、具体的な体の動かし方を指導、加えて自宅での筋トレ、運動習慣の獲得への提案も行っています。また、通院困難な患者さんのもとには理学療法士が家を訪問し、どういった環境で過ごすのか把握して、担当のケアマネジャーさんとも情報共有、連携してサポートしていますよ。

骨粗しょう症の啓発活動にも取り組む

得意としている治療は何ですか?

西本章院長 西本整形外科 3

開業する前は股関節の治療を専門に行ってきましたが、股関節の手術はクリーンルームが必要だったりして施設的にも難しい部分があったので、開業してからは整形外科全般のことを診るようになりました。子どものロコモティブ症候群の予防なども重視していますが、現在通院されている患者さんには高齢の方も多いので、今は特に骨粗しょう症の治療に力を入れています。骨粗しょう症の方は、高齢になってから骨折などをきっかけに寝たきりになってしまったりする危険性が高いです。そうなることを防ぐためにも、骨の数値的なデータを取りながら予防や治療に注力しています。

骨粗しょう症の治療・啓発の中で、特に大事にしているのはどういった点でしょう。

一番は高齢の患者さんが要支援・要介護となるのを防ぎたい、つまり健康寿命を延ばすという点です。骨粗しょう症の最大の危険性は、骨折の連鎖を引き起こしやすくなることです。ドミノ骨折ともいわれるんですが、1度の骨折が2度目、3度目の骨折を引き起こし、それによって体力低下、結果的に要介護状態になってしまう、というわけです。ですのでまず一番は転倒を防ぐ体の動かし方を身につけ、自力で動ける状態をキープすること。重ねてそれでもさまざまな原因でけがをしたり、介護や支援が必要になってしまった時は、少しでも動ける体を取り戻していただけるように。あるいはけがの連鎖を起こしたり、状態の悪化を防ぐために、場合によっては介護保険を使用するリハビリ等も候補にしながら、患者さんの生活を支援するようにしています。

医院での治療に留まらず、行政とも連携して啓発に取り組んでいると伺いました。

西本章院長 西本整形外科 4

これまでにも松山市や東温市で骨粗しょう症に関する講演なども行いました。どうしても単発で終わっているので継続したいという気持ちや、より地域の方に寄り添えるよう地区ごとの小規模な開催をしたいという気持ちもあり、まだまだできることがたくさんあると感じています。またご高齢の方のみならず、周囲の方への働きかけの必要性も感じています。家族に高齢者を抱える若い方も、介護や支援を行う側になる可能性を常に孕んでいますから無関係とは言えません。加えて行政や他院とも連携し、可能ならば「骨折歴があるにもかかわらず骨粗しょう症の治療を行っていない方」の早期発見を行うが一番の理想です。具体的な構想にはまだ至れていないので、これからというところではあります。

健康のために適度な運動と検診の受診を

地域のかかりつけ医の役割について、どのようにお考えですか?

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レッドフラッグサインと呼ばれる重篤な疾患を疑う危険な兆候を見逃さないことが大事だと考えています。注射1本にしても、すごく痛がる人と全然平気な人がいるように、痛みの感じ方は本当に人それぞれです。痛みがあって整形外科を受診しても、原因は整形外科の分野でなかったりすることも出てきます。肩の痛みでも実は横隔膜からの関連痛だったり、狭心症の痛みが肩に出たりするケースがあるんです。患者さんの痛みの度合いや感じ方を見極めるのは難しいですが、病気を見逃さないためにも、エックス線検査でしっかり見ることは意識しています。腰が痛いという症状でも、実は腰よりちょっと上の部分が骨折していることもあるので、エックス線検査は少し広範囲で撮るようにしています。気になる点があれば内科などへ紹介することもあります。

ところで、休日はどのようにリフレッシュしているのですか?

息抜きにするものはゴルフくらいです。新型コロナウイルスの感染が広がってから飲みに行ったりできなくなった分、ゴルフをすることはむしろ増えたようにも感じます。ゴルフは少人数で屋外でできますからね。昔はバレーボール部に所属していたので、市民の大会があって出たことがあるのですが、その時に手を痛めてしまって1年ほど治らなかったんです。外科医は手が命ですから、安全なスポーツをしようという思いもあってバレーボールはやめ、今はゴルフだけに絞りました。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

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何にせよ動くことが大切ですので、毎日無理のない範囲で動くことを意識してほしいです。関節や腰もそうですが、痛みが出る範囲と出ない範囲の動きがありますから、痛くない範囲でどんどん動くのがいいと思います。それから、市区町村が実施している骨粗しょう症の検診を受けてみてください。骨粗しょう症の検診の受診率は低く、東温市では12~3%くらいだったと思いますが、全国的には5%程度といわれます。検診で骨の量の数値が悪いと専門の医療機関を受診することになります。その場合は、まず背骨のエックス線写真を撮って、気づかないうちに背骨が折れている、いわゆる「いつのまにか骨折」がないかどうかをチェックします。もし骨折が見つかれば、それは骨粗しょう症ですから、そこですぐに治療を始めます。当院でもそういった患者さんに対応しています。

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