全国のドクター9,192人の想いを取材
クリニック・病院 160,580件の情報を掲載(2023年1月28日現在)

  1. TOP
  2. 愛媛県
  3. 東温市
  4. 田窪駅
  5. 医療法人 西本整形外科 
  6. 西本 章 院長

西本 章 院長の独自取材記事

西本整形外科 

(東温市/田窪駅)

最終更新日:2021/10/12

Main 0721

東温市にある「西本整形外科」は、リハビリテーション科やリウマチ科の診療も行うクリニックだ。西本章院長が1993年に開業し、以来25年以上にわたって地域の人々に寄り添ってきた。有床のクリニックで入院も可能だが、「入院時の治療だけでなく、一人ひとりの退院後の生活も考えたリハビリテーションを大切にしている」と話す西本院長。高齢者が多い地域であることから、骨粗しょう症の治療に力を入れている。学生時代にバレーボールをやっていたという西本院長はすらりとしたスタイルで、爽やかな印象だ。そんな西本院長に、診療で気をつけていることや骨粗しょう症の治療への取り組みなどについて詳しく話を聞いた。

(取材日2021年4月15日)

日常生活を見据えたリハビリテーションを重視

まず、医師になったきっかけを教えてください。

Df1

私は小さい頃から体が弱く、よく病院に通う中で医師の姿に憧れて、小学5、6年生の頃にめざすようになりました。整形外科を選んだのは、先輩に「整形外科は面白いよ」と勧誘されたのがきっかけです。愛媛大学を卒業してから、同大学の整形外科へ入局した後、宇和島社会保険病院(現・JCHO宇和島病院)や済生会松山病院などを経て1993年に当院を開業しました。当院は整形外科とリハビリテーション科をメインとしながら、リウマチ科も扱っています。有床クリニックで、ベッド数は19床です。ほかに、通所リハビリやデイケアも実施していて、理学療法士も8人在籍しています。患者層は高齢者が多いですね。開業してから日々診療を行う中で患者さんに教えてもらったことも多いので、患者さんこそ先生だと思っています。

診療の際に気をつけていることはありますか?

Df3

患者さんが何を望んでいるかをしっかり理解しなければいけないと思っています。ただ、毎日忙しいので、十分にはできていないのではないかという反省もあります。自分の症状をうまく説明できない患者さんもいらっしゃるので、少しでも話しやすいように笑顔で接するようにしています。あとは、私には話せなくても、看護師には話してくれることもあるので、スタッフとの連携は大切にしています。また、転倒して入院した患者さんについては、理学療法士と会議を開いて、家屋の段差などが問題なのか、例えば睡眠剤を飲んでフラフラしてしまったからなのかなど、転倒の原因や状況を総合的に判断して、次に転倒することがないようにすることが重要だと考えています。

リハビリテーションで重視していることはありますか?

当院は有床クリニックですので、入院してリハビリテーションに取り組まれる患者さんもいらっしゃるのですが、入院中も退院後の日常生活に即したリハビリを行うことを大切にしています。例えば、ベッドから起き上がる動作にしても、どうやったらスムーズに起き上がれるかをアドバイスしたりしています。リハビリというと、リハビリ室で足を上げたり歩いたりするイメージがあると思いますが、それだけではなくて、外で散歩してみたりですとか、退院してからの患者さんの生活スタイルに合わせて必要なリハビリは異なってきます。患者さんが退院して家に戻るときは、理学療法士が家を訪問し、どういった環境で過ごすのかを把握して、担当のケアマネジャーさんとも情報を共有し、連携してサポートしています。

骨粗しょう症の啓発活動にも取り組む

得意としている治療は何ですか?

Df2

開業する前は股関節の治療を専門に行ってきましたが、股関節の手術はクリーンルームが必要だったりして施設的にも難しい部分があったので、開業してからは整形外科全般のことを診るようになりました。開業後も膝の人工関節の手術はしていましたが、今は年齢的なこともあって手術は行っていません。高齢の患者さんが多いので、現在は骨粗しょう症の治療に力を入れています。それから子どものロコモティブ症候群の予防も重視しています。骨粗しょう症の方は、高齢になってから骨折などをきっかけに寝たきりになってしまったりする危険性が高いですからね。そうなることを防ぐためにも、骨の数値的なデータを取りながら予防や治療に注力しています。

骨粗しょう症の治療ではどのようなことが重要になりますか?

急性期病院での手術やリハビリが終わってからは、当院のようなクリニックに来てもらいリハビリを継続していくことが大切になります。骨粗しょう症の治療の必要性を確認するため、愛媛県全域の急性期病院の医師と協力し、大腿骨を骨折した人の経過を3年間追い、今はそれを論文にまとめている段階です。大腿骨の骨折には骨粗しょう症が関わっていて、一度骨折した後に再骨折するケースが多く見られます。再骨折は3ヵ月以内に起きることが多いのですが、今回の調査でもやはり3ヵ月から半年以内に再骨折するケースが多く見られました。急性期病院は骨折の手術はしても、骨粗しょう症の治療まで手が回らないところがほとんどです。急性期とその後の対応をうまく連携できるような体制ができれば、治療はしやすくなると思います。

これからどういった取り組みをしたいと考えていますか?

Df4

近くにお住まいの方々に向け、骨粗しょう症に関する講演を積極的に行うなどして、骨粗しょう症は怖い病気だということをもっと啓発していかなければいけないと感じています。今までも東温市や松山市で講演したことはありますが、単発で終わってしまっているので、これからは継続して取り組んでいきたいと思っています。大人数を集めるのではなくて、地区ごとに小規模でやっていけたらとは考えているのですが、まだ行動に移せていません。高齢の方はもちろん、今介護をしているような少し若い世代にも伝えていかなければと思います。明日はわが身ですからね。実際私もそうですが、親が元気なうちはあまり考えなくても、介護するようになるといろいろ考えるようになります。

健康のために適度な運動と検診の受診を

地域のかかりつけ医の役割について、どのようにお考えですか?

Df5

レッドフラッグサインと呼ばれる重篤な疾患を疑う危険な兆候を見逃さないことが大事だと考えています。注射1本にしても、すごく痛がる人と全然平気な人がいるように、痛みの感じ方は本当に人それぞれです。痛みがあって整形外科を受診しても、原因は整形外科の分野でなかったりすることも出てきます。肩の痛みでも実は横隔膜からの関連痛だったり、狭心症の痛みが肩に出たりするケースがあるんです。患者さんの痛みの度合いや感じ方を見極めるのは難しいですが、病気を見逃さないためにも、エックス線検査でしっかり見ることは意識しています。腰が痛いという症状でも、実は腰よりちょっと上の部分が骨折していることもあるので、エックス線検査は少し広範囲で撮るようにしていますね。気になる点があれば内科などへ紹介することもあります。

ところで、休日はどのようにリフレッシュしているのですか?

息抜きにするものはゴルフくらいですかね。新型コロナウイルスの感染が広がってから、飲みに行ったりはできなくなった分、ゴルフをすることはむしろ増えたようにも感じます。ゴルフは少人数で屋外でできますからね。昔はバレーボール部に所属していたので、市民の大会があって出たことがあるのですが、その時に手を痛めてしまって1年ほど治らなかったんです。外科医は手が命ですから、安全なスポーツをしようという思いもあってバレーボールはやめ、今はゴルフだけに絞りました。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

Df6

何にせよ動くことが大切ですので、毎日無理のない範囲で動くことを意識してほしいですね。関節や腰でもそうですけど、痛みが出る範囲と出ない範囲の動きがありますから、痛くない範囲でどんどん動くのがいいと思います。それから、市区町村が実施している骨粗しょう症の検診を受けてみてください。骨粗しょう症の検診の受診率は低く、東温市では12~3%くらいだったと思いますが、全国的には5%程度といわれます。検診で骨の量の数値が悪いと専門の医療機関を受診することになります。その場合は、まず背骨のエックス線写真を撮って、気づかないうちに背骨が折れている、いわゆる「いつのまにか骨折」がないかどうかをチェックします。もし骨折が見つかれば、それは骨粗しょう症ですから、そこですぐに治療を始めます。当院でもそういった患者さんに対応しています。

Access