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中川 真吾 先生の独自取材記事

中川循環器科内科

(松山市/粟井駅)

最終更新日:2021/10/12

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松山市旧北条地区にある「中川循環器科内科」。1982年の開業以来、地域の人々の健康を守り続けてきた存在だ。同院では睡眠時無呼吸症(SAD)の検査・治療を行うためのOSAD(閉塞性睡眠時無呼吸症)専門の部門を設けており、中川真吾先生はその部門長を務めている。睡眠時に呼吸が止まることは心臓や脳にも負担がかかり、高血圧や心疾患、脳血管疾患などにつながることも。そのリスクを防ぐために、中川先生はSADの検査・治療を予防医療として捉え、診療に注力。先進の医療を提供するため、現在も虎の門病院睡眠呼吸器科の非常勤嘱託医も務めている。今回は、そんな中川先生の睡眠時無呼吸症の治療にかける想いについて、自身のダイエット体験談も交えながら話してもらった。

(取材日2019年12月24日)

睡眠時無呼吸症の早期発見・早期治療に尽力

先生が睡眠時無呼吸症に取り組み始めたきっかけを教えてください。

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私は1998年に埼玉医科大学を卒業後、虎の門病院麻酔科に勤務したのですが、そこで呼吸器内科の先生に出会いました。当時の私は体重が140キロほどあったので、「君は睡眠時無呼吸症だろう」と言われました。1998年に睡眠時無呼吸症の主な治療法であるCPAP(シーパップ)療法が保険適用となり、私が呼吸器内科で研修をしたのはその翌年だったので、ちょうど検査や治療が普及し始めた時です。その頃は週に10人弱の患者さんを診ていました。

そこからこちらのクリニックでOSAS部門を開設された経緯とは?

虎の門病院では麻酔科ながらスーパーローテート時代には内科や外科などさまざまな科を回ったので、その経験を地域医療に生かせればと考えました。帰郷後、まずは松山市の愛媛生協病院に勤務し、内科や小児科の経験を積みました。そこでは健康診断も担当していたのですが、睡眠時無呼吸症の疑いがある方が結構多かったんです。それで紹介できる病院を探したのですが、当時の愛媛県では専門に診療されている先生があまりいなかったこともあり、自分が検査・治療を担当させてもらうことになりました。それから当院での勤務を始め、2003年にOSAS部門を開設。早期診断からの適切な早期治療をめざしています。

早期診断・早期治療が大切なのですね。

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東京時代に日本医科大学付属病院で救命救急医療に携わっていたのですが、救急搬送される患者さんの原因には睡眠時無呼吸症が潜んでいることが少なからずありました。というのも、睡眠時無呼吸症を放置しておくと高血圧や狭心症、心筋梗塞、脳梗塞など命に関わる合併症のリスクが高まってしまうのです。もっと前の段階、救急車で運ばれる前にリスクが抑えられるのであればそれが一番ですから、この治療は予防医学の一つであると考えています。

睡眠時無呼吸症にはどのような症状がありますか?

いびきや無呼吸になっているのはご家族に指摘されない限り自覚できないですよね。意外と初期症状がないのがこの病気の欠点でもあるのですが、自覚症状としては昼間の眠気や夜間頻尿、胸焼け、特に下の血圧が高い高血圧、高尿酸値などが挙げられます。私が問診を大切にしているのは、それらの症状を聞き漏らさないため。何が関連しているかは聞いてみないとわからないので、既往歴も含め患者さんの状態をしっかりと把握し、血液検査、簡易検査を行った上で睡眠時無呼吸症の疑いがある場合は脳波の精密検査をします。

働き盛りの壮年・中年期がターニングポイント

睡眠時無呼吸症の患者層で多いのは?

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私が取り組み始めた20年ほど前は罹患数はまだ少なく、100人いたら3人くらいの割合でしたが、今は男性は4人に1人、女性なら5人に1人くらいといわれています。睡眠時無呼吸症と聞くと、肥満男性のイメージがあると思いますが、実は年齢や性別に関わらず、子どもでも若い女性でも、誰しもがなる可能性があります。それでもやはり多いのは中年層以降の男性。私としても、働き盛りの40〜50代男性をメインターゲットに診ていきたいと考えています。

そこをターゲットとしているのはなぜですか?

働き盛りの男性はどうしても仕事優先になってしまい、自分の健康状態に無関心な方が多いと思うのですがそれはとても危険なこと。気がつけばメタボリック症候群に陥り、睡眠時無呼吸症を放置している可能性も十分にあり得ます。睡眠時無呼吸症は生活習慣病との関係がとても深いため、中高年より前で症状を食い止めることが非常に重要。だから私はお忙しい方でも精密検査を受けられるように、夜に入院して翌朝には帰ることのできる精密検査態勢を整えました。院内の2階に設けた個室の「スリープラボ」で一晩休んでいただき、その様子を夜通しモニタリングします。翌朝にはある程度の結果をお伝えできますから、時間的なご負担も軽減できるのではないかと思います。

どのような治療内容があるのでしょうか?

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睡眠時無呼吸症の原因の7割は肥満、残り3割は骨格などの遺伝とされており、遺伝的原因でない場合、まずはダイエットを提案します。体重が減ることで一番最初に落ちるのが中性脂肪。これは食生活を変えたら割とスムーズに落ちます。次に高血圧や糖尿病の症状が改善されていきますが、実は最後まで残るのが睡眠時無呼吸症なんです。それほどこの治療には時間がかかるということですが、適切に継続すれば長く付き合っていく疾患ではありません。専門の治療としては、軽症ならマウスピース型器具を用いる方法、中等度以上になると鼻から空気を送り込んで気道を確保するCPAP療法が一般的です。

前向きな医療で患者とともに挑む

先生ご自身もダイエットを経験されているそうですね。

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虎の門病院研修時代の指導医から「患者の模範であれ」と言われ、ダイエットを決意しました。それまでにCPAP療法で治療をしてきましたが、3年間変わらなかったという背景もあったので。2008年に最初のダイエットを行ってから、これまでに減量とリバウンドを繰り返しながら5回挑戦しています。1回目のダイエットでは140キロから70キロ落としました。現在は5回目ですが、60キロ台の現状を維持する方向性で取り組んでいます。ダイエットの基本はインを減らしてアウトを増やす。まず食事療法である程度体重を落としてからウォーキング。それから体重が減るにつれて自転車移動を増やし、走れるようになり、今ではトライアスロンにも挑戦しています。

診療において大切にしていることはどんなことですか?

前向きであることですね。気持ちを折る医療はしたくないですから、できるだけ患者さんのモチベーションを上げていくことに気持ちを傾けています。特にダイエットに関しては、メンタル面も重要になってきます。見た目ではそれほど変わっていないように見えても、食事療法を続けていれば体重は減りますし体調も改善されます。ですからどこまで体重を落とせばいいのか、一人ひとりにとっての適性体重を見極めていかなければと考えています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

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アメリカの教科書に「この病気は20世紀最大の発見だが、これほど深刻な病気はない」と掲載されていました。この病気は睡眠中という自分の気づかない間に呼吸が止まってしまっている病気なので、まずはそこに自分の意識を持っていただくことが大切。ですから、私たち医師は問診から検査・治療までとことん患者さんとコミュニケーションを重ねてどこに原因があるか探り、一緒に治療に臨んでいきたいと考えています。少しでも疑いを持ったり、不安を感じたりというときは、ぜひ一度受診していただければ幸いです。

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