藤枝 俊之 院長、藤枝 育世 副院長の独自取材記事
ふじえだファミリークリニック
(四国中央市/伊予三島駅)
最終更新日:2025/01/24

四国中央市の住宅街に位置する「ふじえだファミリークリニック」は、医療機関らしからぬ親しみやすい外観と明るい院内が特徴的な地域密着型のクリニックだ。小児科を専門とする藤枝俊之院長と皮膚科を専門とする藤枝育世副院長が夫婦で診療を行い、専門性を生かした小児科と皮膚科の連携により、幅広い世代の健康を支えている。また、病児保育室の開設や新型コロナウイルス感染症対策としてドライブスルー診療や発熱患者のための外来設置など、時代に合わせた柔軟な対応を実施。生活習慣病や予防接種、健康診断などを通じて全世代の健康管理も積極的に行っている。クリニックには遊び場も併設され、子どもが安心して通える環境が整えられている。今回は、継承開業から20年の節目を迎えた2人に診療やクリニック全体にかける想いをインタビューした。
(更新日2025年1月20日)
世代を超えて通える地域のかかりつけ医として
どんな方が受診に来られるのでしょうか?

【俊之院長】本当に幅広い世代の患者さんが来られていますよ。小児科と皮膚科を併設しているため、風邪やアレルギーなどで来院する子どもたちから、アトピー性皮膚炎やニキビなど皮膚トラブルを抱える若者、さらには高齢者まで多岐にわたります。特徴的なのは、地域の親子3世代にわたって通院してくださる方が多い点です。例えば、母親が子どもの頃に私たちのクリニックで診察を受け、その子どもも現在通院しているといったケースも少なくありません。私たちは単なる病気の治療を超え、患者さんが元気なときにも相談に来られる、いわゆる「地域のかかりつけ医」としての役割を果たしています。これにより、病気の際だけでなく、日々の健康維持や生活習慣に関する相談まで包括的なサポートを提供することをめざしています。
小児科と皮膚科が連携するメリットを教えてください。
【俊之院長】小児科と皮膚科は密接に連携して診療を行っています。特にアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患では、皮膚科と小児科の双方の視点が重要です。これらの患者さんには、皮膚症状だけでなく、喘息や食物アレルギーといった全身の問題を抱える方も多く、相互に連携し、トータルで診療を進めています。
【育世副院長】皮膚科は成人の患者さんも多く、特に若い世代から支持を得ていることは当院の特徴です。親子で通院される方も多く、例えば母親が肌のケアを受けつつ、子どものスキンケアについても相談するといったケースが見られます。このように、皮膚科と小児科が一体となることで、親子3世代を通じた健康の見守りが実現できています。
貴院ではどのような検査ができるのでしょうか?

【俊之院長】当院は、迅速に検査が実施できるようさまざまな設備を整えています。例えば、レントゲン検査はもちろん、呼吸機能検査、血液検査、エコー検査などを院内で完結できるため、診断や治療方針をその場で決定できます。また、乳幼児期の視覚や聴覚を調べる特殊な検査機器を有しています。これらは、子どもの発達段階に応じて早期に問題を発見し、適切に対応するために役立っています。さらに、24時間血圧計やPCR検査機器を複数配置し、子どもから高齢者までの幅広いニーズに応えられる体制を整えています。こうした迅速かつ適切な診断ができる環境により、患者さんやご家族にとって大きな安心感を提供することをめざしています。
子どもたちの総合的な健康管理の場として
クリニックの前も楽しそうな空間になっていますね。

【俊之院長】当院の敷地には、「シテミテひろば」という子どもたちが自由に遊べる広場や「りすバス」という元移動図書館の車両を設置しています。この空間は、ただ病院に来るだけでなく、子どもたちが楽しく過ごせるにぎやかな場所として機能しています。私たちは、医療だけでなく、子どもの健やかな成長を支える環境づくりが重要だと考えています。地域の子どもたちが友達や家族と遊ぶ場所が減少している中、この広場がその代わりになり、子どもたちがのびのびと活動できることで、体力の向上や心の安定につながることをめざしています。また、この場は単に遊ぶだけでなく、子ども同士の交流や、親同士の情報交換の場にもなっています。医療施設に隣接したこうした空間があることで、地域全体の健康を支える一端を担えたらと思っています。
病気のとき以外にも気軽に行けるということですね。
【俊之院長】クリニックの敷地内に遊び場を設置することで、子どもたちが遊べる環境を提供しています。遊び場では一定のルールを設けつつ、自由に遊べることを大切にしています。少しのケガやリスクを許容しながらも、スタッフがすぐに駆けつけられる環境を整えることで、安心して子どもたちが遊べる空間をめざしています。また、遊びの中で自己責任や危機管理能力を育む機会を提供し、「生きる力」を養うことにもつながると考えています。親御さんも医療施設スタッフがすぐそばにいることで、何かあっても迅速に対応できるという安心感を持っていただけるのではないでしょうか。クリニックが病気を治すだけでなく、子どもたちの健全な成長をサポートする場として根づいていければと考えています。
子どもたちも通院が楽しくなりそうです。

【育世副院長】子どもたちにとって、病院は「怖い」「痛い」というイメージがつきものですが、クリニックを楽しい場所に感じてもらう工夫を取り入れています。敷地内の遊び場や診療後の楽しい時間を通じて、「病院=嫌な場所」という固定観念を少しでも払拭できればと思っています。診察が終わった後、遊び場で遊んだり、広場で友達と交流する時間があることで、病院をポジティブな場所として記憶に残してもらえればうれしいです。また、遊びがきっかけで子どもたちが笑顔になり、その笑顔が健康の促進にもつながると信じています。親御さんにとっても、子どもが通院を嫌がらずに、むしろ楽しみにしてくれることで、医療機関との付き合い方がよりスムーズになるのではないでしょうか。
家族や地域を丸ごと支えるファミリークリニックに
診療において大切にしていることを教えてください。

【俊之院長】診療で大切にしているのは、患者さん一人ひとりに寄り添い、その方の背景や生活全体を考慮したケアを提供することです。特に小児科では、子どもたちの成長や発達に合わせた診療を行いながら、親御さんの不安や疑問にもしっかり応えるよう努めています。
【育世副院長】皮膚科と小児科での連携を生かし、アトピー性皮膚炎をはじめ、身体全体の健康と密接に関わる疾患に対してトータルで診療しています。診察室だけでなく、クリニック全体が安心できる空間であることを心がけ、病気の治療だけでなく、日々の健康維持や予防にも力を注いでいます。
医師としてやりがいを感じる場面を教えてください。
【俊之院長】やはり患者さんが元気になり、笑顔で帰っていく瞬間です。特に長年通院してくださっている患者さんが成長していく姿を見るのは感慨深いですね。親子3世代で通っていただける方も多く、地域に根差した医療の醍醐味を感じます。
【育世副院長】私も、子どもたちが最初は病院を怖がっていたのに、通ううちに「ここに来るのが楽しい」と言ってくれるようになると、大きな喜びを感じます。また、診療後に親御さんから「安心しました」と言っていただけると、この仕事を選んで良かったと実感します。地域医療においては、病気だけでなく生活全体を支える存在であることがやりがいの源です。患者さんやご家族が心身ともに健康になっていく過程を見られるのは、本当にうれしい瞬間ですね。
読者へのメッセージをお願いします。

【俊之院長】薬だけに頼るのではなく、運動や栄養、生活習慣の見直しといったトータルケアを重視した医療を提供しています。私たちは、病気を治すだけでなく、病気を予防し、健康を維持するためのアドバイスを通じて、ご家族全員をサポートしたいと考えています。特にお子さんの健康管理は、小さな頃からの適切なケアが将来の健康につながるため、診療だけでなく、生活全般のサポートも含めて対応しています。
【育世副院長】敷地内の遊び場や明るい院内の環境づくりを通じて、病院を嫌がるお子さんでも楽しく通える場所にしたいと思っています。地域全体が元気で笑顔あふれる毎日を送れるよう、これからも「ファミリークリニック」として患者さんに寄り添い、信頼される場所づくりをめざしていきます。病気になった時だけでなく、日々の健康相談やちょっとした体調の変化にも対応しますので、何でもご相談ください。