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森 正和 副院長の独自取材記事

森クリニック 内科・血液内科

(松山市/山西駅)

最終更新日:2024/02/29

森正和副院長 森クリニック 内科・血液内科 main

松山市別府町にある「森クリニック 内科・血液内科」は、2023年10月に前身となる竹内内科胃腸科から大幅リニューアル。以前の医院の約30年に及ぶ歴史を継承しつつ、新たに副院長に就任した森正和先生を中心とした新体制へとかじを切った。これまでどおり、地域のかかりつけ医としての役割を果たしながらも、大きく変わったのは森先生の専門分野となる「血液内科」の診療が加わったことだ。外来診療のみならず、自宅での輸血処置をはじめとした訪問診療も始まり、これまで以上に幅広い患者へのサポート体制を取れるようになっている。今回は新しく診療を担うこととなった森先生に、現在の医院の特徴や、血液内科というあまり身近でない専門分野についてなど、多彩な話を聞いた。

(取材日2023年12月21日)

地域住民の健康を守り続けながら、新たな専門性を提供

2023年の10月にリニューアルを行ったそうですね。

森正和副院長 森クリニック 内科・血液内科1

当院はこれまで竹内内科胃腸科として、30年以上にわたり地域の人々の健康を守り続けてきました。院長の竹内一彰先生は私の義父にあたります。私自身はこれまで、愛媛県立中央病院で血液内科の医師として勤務していたのですが、今回院長より声をかけていただいたことがきっかけで、10月に当院の副院長に就任しました。今後の診療をメインで任された形となっています。それに伴って、診療体制や、医院の建物自体も新しくリニューアルを実施し、これまで以上にさまざまな患者さんに利用していただきやすくなるようにしました。

建物をリニューアルする際にこだわられたポイントを教えてください。

森正和副院長 森クリニック 内科・血液内科2

これまでどおり通常の一般内科診療を行うのはもちろんですが、私の主な診療分野が血液内科であるため、外来患者さん向けに輸血を行うためのリクライニングチェアを、数台新たに導入しました。個人医院ではかなり珍しい設備だと思います。また、発熱のある患者さん専用の診察室も新しく設置しました。新型コロナウイルス感染症のみならずインフルエンザなどの感染症の際にも活用できますからね。発熱以外の患者さんとの接触を避けた動線の他、ウイルスが室内に長時間とどまらないように空調設備もこだわったものを導入しています。

そもそも、先生が血液内科の医師を志された経緯についてお聞かせいただけますか?

高校の頃にドラマを観て医師を志したのですが、血液内科というややニッチな選択をしたのは、大学時代に出会った血液内科の教授の影響が非常に大きいかもしれません。講義での教え方も上手でしたが、何より人柄がとても魅力的な方で……。先生のような人になりたい、こんな医師になりたい、という思いが血液内科へ進んだきっかけでしたね。大学卒業後は主に母校である高知大学医学部の付属病院に勤めました。ただ当時は患者さんの治療の選択肢の狭さに、葛藤を感じることも多かったですね。とりわけ、血液にまつわる病気は在宅で可能なケアが少なく、終末期の方に至っては「自宅に帰りたい」という願いをかなえられないケースが大半だったんです。そんな方々の治療の選択肢を増やしたいという思いが、今回病院での勤務医からの方向転換を、大きく後押しした形でしたね。

貧血から白血病まで、血液にまつわる病気を診る

現在の診療体制について教えてください。

森正和副院長 森クリニック 内科・血液内科3

主に、午前中は外来診療を行い、午後は松山市周辺のさまざまな地域で訪問診療を行っています。先述のとおり、私の専門分野が血液内科となるため、以前の医院と比較して、特に血液にまつわる病気に関して、より高い専門性を持って治療することが可能になりました。症状によっては輸血を必要とする方も多いため、外来のための設備のみならず、訪問診療の際に自宅でも輸血処置を行えるように環境を整えています。もちろん、通常の一般内科診療も行っていますので、体調不良や発熱などの症状の際も気軽に頼っていただいて大丈夫です。30年間継承されてきた医院の歴史をしっかりと受け継いで、引き続き地域の皆さんの健康を守る、かかりつけ医としての役目も果たしていきます。

血液内科とはどのような症状を診る科になるのでしょうか?

わかりやすく言えば、血液を構成する血球、つまり、赤血球、白血球、血小板の数値に異常を起こす病状を主に診る場所になります。具体的な病気でいうと、代表的な貧血疾患である鉄欠乏性貧血をはじめとして、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫といった血液がんも診療の対象です。来院のきっかけは、健康診断で血液に関する数値が引っかかって、という方が多いですね。病状によってはそういった方々を総合病院へ橋渡ししたり、逆に大きな病院での手術・治療を終えて経過観察となった方のフォローを行ったりするケースが多いです。

訪問診療についても力を入れていると伺いました。

森正和副院長 森クリニック 内科・血液内科4

血液系の病気は、進行すると各血球の数値がずっと下がるような状態になるので、端的に言えば常に輸血が必要な状態になるんです。当然、設備の充実した総合病院のほうが輸血を行う環境を整えやすいのですが、先ほども少しお話ししたとおり、特に終末期を迎える患者さんの中には「自宅で最期を迎えたい」とおっしゃる方も大勢います。そういった方々の願いをかなえるために、これまでの経験を活用し、自宅でも輸血をはじめとした血液系の診療・処置ができる体制を今回整えました。在宅で輸血が可能な対応を行える医療機関は、四国はもちろん、全国的に見ても十分普及していないのが現状です。

自宅での輸血処置という選択肢を愛媛にも広めたい

日々の診療の中でどういった瞬間にやりがいを感じられますか?

森正和副院長 森クリニック 内科・血液内科5

外来診療と訪問診療では行っていることが異なるので、それぞれの診療スタイルでやりがいを感じる部分はちょっとずつ違うかもしれません。ただ、やはりこれまでであれば病院で診るしかなかった患者さんを地域で診られるようになって良かったな、と思います。まだ副院長に就任して3ヵ月ではありますが、徐々に総合病院からのご紹介で来院くださる方や、訪問診療の相談にいらっしゃる方も増えている状況です。当院の存在が病気と闘う患者さんの選択肢を増やせているのであれば、うれしいなと思いますね。

多忙な毎日かと思いますが、お休みの日はどのように過ごされていますか?

もともと映画館へ足を運んで映画鑑賞をするのが趣味でした。以前は年間50本近く映画を観ていたのですが、コロナ禍以降はすっかり足が遠のいてしまっていますね。その代わりというのもなんですが、まだ子どもが小さいので、最近の休日は一緒に過ごす時間がほとんどです。よく公園に遊びに行ったりしますよ。元気があり余っている年頃なのでなかなか大変なんですけれどね(笑)。

最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。

森正和副院長 森クリニック 内科・血液内科6

一番は、当院のように自宅でも輸血が可能な医院が愛媛にもある、ということを大勢の方に知っていただければと思います。現在、血液にまつわる病気を治療している方や、健康診断で血液の数値に異常が見つかってどうしよう、と悩んでいる方にとって、気軽に相談に来ていただける場所になればうれしいですね。大きな病院に行くのはハードルが高いと感じている方も多いでしょうからね。もちろん、日頃の些細な体調不良などもぜひご相談ください。大きな病気を防ぐには、やはり早期発見が何よりの鍵になると思っています。

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