土居 寿之 院長の独自取材記事
土居循環器科内科
(松山市/北久米駅)
最終更新日:2023/03/28
伊予鉄道横河原線・北久米駅の目の前に位置する「土居循環器科内科」は、昨年2022年春に医院をリニューアル。同年秋には初代院長である父から医院を継承した土居寿之先生が院長に就任。新たな体制でスタートを切った。勤務医時代は大規模病院で心臓カテーテル治療などの専門性の高い分野に携わっていた土居院長。現在は当時の知見を生かしながら、高血圧症や糖尿病などの生活習慣病の治療に力を注ぐほか、地域のかかりつけ医として発熱や腹痛など多様な症状に悩む人々にも広く対応している。患者の「健康寿命を延ばす」ことをモットーとし、医院のリニューアルを経て、さまざまな新しい取り組みに挑戦している土居院長に話を聞いた。
(取材日2023年2月7日)
急性疾患の現場経験を生かし、一般内科診療に対応
昨年2022年の5月にリニューアルされたばかりだそうですね。
父がこの地に医院を開院して40年ほどたつのですが、昨年5月に古くなった建物を一新しました。改装後の10月に代替わりして私が院長に就任し、今は私と父の2人で通院患者さんの対応を行っています。リニューアルでは、二診体制用に診察室を改装し、加えて新型感染症に対応できるよう、発熱患者さんのための専用入り口も新しく設置。さらに院内あちこちにバリアフリー設備を充実させましたので、多くの患者さんにとって通いやすい医院になっていると思います。
先生が医師を志した理由や、これまでのご経歴についてお聞きします。
幼い頃からこの地で開業医として働く父の姿を見ていたので、大学受験の際に医師の道を選びました。その後東京医科大学に進学しましたが、将来実家の医院に戻ることを考慮して、卒業後はすぐに愛媛へ戻り、地元のあちこちの医療機関で循環器の医師として研鑽を積んできました。愛媛大学医学部附属病院を経て、西条中央病院で5年、松山赤十字病院で6年務めた後、昨年の10月にこの医院に戻ってきて父の後を継ぎ院長に就任して、今に至ります。
先生の専門分野について教えてください。
勤務医時代は、循環器内科の治療の中でも心臓カテーテルを主な専門分野としていました。循環器内科を選んだのは、尊敬していた先生が循環器内科だったことと、治療結果が目に見えてわかりやすく、医師としてやりがいを感じることも多いに違いないと思ったのが理由です。しかし実際の現場はとても大変で、急性疾患の患者さんを対応するケースも多く、一刻の猶予を争うような状況に直面することも少なくありませんでした。病院の駐車場で、車の助手席に座ったまま意識を失っている患者さんが発見され、運び込まれたこともありました。そういたシビアな状況にも対応しながら、医師として経験を積んできました。
一人ひとりの状況を踏まえた生活習慣病治療に力を注ぐ
こちらの医院で力を入れている治療分野は何ですか?
循環器内科を標榜してはいますが、大規模病院のような専門性の高い治療や診断をしているわけではありません。それよりは地域のかかりつけ医、身近なホームドクターとして、患者さんの抱える内科全般のさまざまな悩みや症状を広く診療しています。また、循環器の疾患については、専門的な治療が必要になる前段階の患者さんや、大規模病院で手術・治療を受けた後のアフターケア段階の患者さんにも対応しています。そういった意味では、これまでの経験とも地続きになるような診療・治療を行っているともいえますね。
通っている患者さんはどのような症状の方が多いのでしょう。
年齢層としては、働き世代やご年配の方が主になりますね。生活習慣病に関する治療で通院されている方が多いです。一口に生活習慣病と言ってもさまざまな症状がありますが、その中でも特に多いのは高血圧や糖尿病、あるいはコレステロール値に関わる病気を抱えている方になります。循環器、いわゆる心臓が悪くなってしまう方は、それらの生活習慣病の悪化が原因となる方も多いため、悪い数値を改善するべく、日頃の生活習慣の改善指導にも力を入れています。
オンライン診療も導入されたと伺いました。
生活習慣病の治療で当院に来られる方の中には、当然継続的に通院される方も多くいらっしゃいます。ですが中にはお仕事が忙しくて通院の時間をつくりづらい方や、地域に住む高齢患者さんの中には外出が負担となっている方もいることでしょう。そのような方々に向けたテレビ電話でのオンライン診療を2023年に入ってから開始しました。多くの方が利用しているSNSを使うため、ハードルも高くありませんし、薬も処方したものは代引きで送ることも可能ですので、自宅で簡単に受け取れる点も便利ですね。まだまだ導入したばかりですが、少しずつこういった便利なシステムを活用し、通院患者さんの負担を減らすことができればと思っています。
病気の治療のみならず、未病から悪化を防ぐ生活指導も
患者さんと接する際に気をつけていることはありますか?
わかりやすくて具体的な伝え方を心がける、ということでしょうか。例えば、当院は循環器内科ですが、一般の患者さんの中には循環器内科といわれても、どんな病気を診る医院なのか、ピンとこない方がいらっしゃるかもしれません。そこでリニューアルで医院の看板を作る際は、心臓の病気や、高血圧症、糖尿病などを診る医院であることをわかりやすく記載しました。診療でも、患者さんにとってわかりやすい伝え方を心がけると同時に、患者さんがいろんなことを尋ねやすい雰囲気づくりも意識しています。常に笑顔でいることや言葉遣いに気を配ること、ゆっくりしたテンポの話し方を心がけるなど、本当に基本的なことばかりですが、無意識の行動が出やすい部分なので気をつけています。
ところで、お休みの日はどのように過ごされているのでしょう。
最近は子どもたちと過ごすことが多いですね。8歳と5歳の女の子、4歳の男の子がいるので、休みの日は遊び相手になったり、仲良く遊んでいる子どもたちを見て楽しんだりしていることが多いです。上2人の女の子はよくお喋りをしますし、年齢的にもまだまだ幼く元気な盛りなので、わが家はいつもすごくにぎやかです。働いている時より、ひょっとしたら休みの日のほうが大変かもしれません(笑)。
最後に読者へのメッセージをお願いいたします。
当院では、通院患者さんの「健康寿命を延ばす」ことに重きを置いた診療を行っています。高血圧症や糖尿病などの症状改善はもちろんですが、そういった病気になる前に、症状が悪くなるのを食い止めるための生活改善指導にも力を入れていますよ。日々の生活の中で体に小さな不調や違和感に気づいたり、健康診断などで再検査を受けるように指摘されたり、どんなことでも構いませんので、健康面で気になることがあれば気軽に当院に悩み事を相談していただければと思います。体質や生活背景など、一人ひとりの患者さんのパーソナルな部分にも寄り添いつつ、健康を維持するお手伝いをさせていただきたいですね。