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福井 康二 院長の独自取材記事

福井耳鼻咽喉科クリニック

(松山市/衣山駅)

最終更新日:2020/04/01

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地域のかかりつけ医として、開業から4半世紀を迎える「福井耳鼻咽喉科クリニック」。院長の福井康二先生は、当時耳鼻咽喉科が少なかったというこの地域で1995年に開業。以来、子どもから高齢者まで幅広い地域住民の耳・鼻・喉の悩みや不調に向き合っている。耳鼻咽喉科の幅広い症状に加え、アレルギー科としてさまざまなアレルギー症状の診断・治療も行う。さらに近年めまいの症状を訴える患者が増えていることから、専門の機器を用いた診療も実施。「患者さんの話をよく聞いて、正確な診断から的確な治療に努めたい」と語る福井院長に、地域医療への思い、開業からこれまでの変遷などじっくり話を聞いた。
(取材日2020年1月27日)

耳鼻咽喉科を必要とする地域の人々のために

耳鼻咽喉科医師になるまでの経緯から教えてください。

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そもそも医師をめざしたのは、人のために働きたい、役に立ちたいと思ったからでした。それで自治医科大学へ進学したのですが、同大学は過疎地などへの地域医療の提供を目的として設立されたので、総合的に診る医師を養成する意味合いが強く、患者さんの体を全体的に診療するための経験を積めたことが今の基礎になっています。大学卒業後は愛媛に戻り、愛媛県立中央病院で2年間研修をしたのちに南予の診療所で地域医療に携わりました。そこで患者さんを診る中で、当時は耳鼻咽喉科や眼科の医師が少なかったことから、そこに必要性を感じたのです。愛媛大学医学部の耳鼻咽喉科で日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医の資格を取得し、松山赤十字病院の耳鼻咽喉科での勤務を経て、開業することを決めました。

なぜこの場所に開業したのですか?

私は今治市で生まれ、学生時代は松山市内で過ごしましたが、安城寺町には縁がありませんでした。なのにどうしてここに開業したかというと、耳鼻咽喉科が不足している場所で役に立ちたいと考えたからです。当時は開業医が松山市内中心部に集中していて、郊外は全体的にクリニックが少なかった。なので郊外に住む方はバスや電車を乗り継いで、大変な思いをされて通うという状況だったのです。やはり医師としては困っている人を助けたいという思いがありますから、当時耳鼻咽喉科がほとんどなかった安城寺町を選びました。

患者さんの年齢層や受診理由は開業されてからの25年で変わりましたか?

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開業当時は中耳炎などの感染症を訴えて来られるお子さんが多かったのですが、この25年で随分変わりましたね。最近の傾向としては、感染症の患者さんが減少する一方でアレルギーのご相談が増えました。これには衛生状態が良くなっていることや、小児健診の受診率が高まったことが理由として考えられます。1歳半健診などで早期発見し、症状が悪くなる前に対処することができているのだと思います。成人も花粉症などアレルギー症状を抱える方が多いですが、近年めまいに悩む方が増えています。高齢者でもめまいや老人性難聴を訴える方が多いですね。

現代人が抱えるめまいの悩みにも積極的にアプローチ

めまいを感じたら耳鼻咽喉科を受診すればいいのですね。

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そうですね。一般的なめまいの約半数は耳が原因ともいわれていますから、まず耳鼻咽喉科を受診いただければ、その原因が耳かどうかの診断は可能です。そこで耳に異常がなければ、脳神経外科などを紹介することもできますから。突発性難聴や自律神経失調症、特に女性は更年期障害やメニエール病の症状でめまいを起こしている場合もありますので、まずはしっかりと患者さんのお話を伺った上で検査を行います。原因不明のめまいに悩まされていても、どの科を受診すればいいのかわからず我慢しているという方も多いと思いますから、そんなときは気軽にご相談いただきたいですね。

めまいの診断や治療はどのように行っているのですか?

ぐるぐる回るめまいやふらふらするめまい、立ちくらみなど、めまいにもさまざまな症状があります。まずは患者さんからどんなときにめまいを感じるか、どんなめまいかなどをヒアリングし、赤外線眼振カメラを用いて目の動きを調べる眼振検査や重心動揺計による体の平衡の検査、聴力検査やエックス線撮影も行います。これらの結果を踏まえて耳に原因があるとわかった場合は、当院での治療をご提案します。内服薬の治療のほか、耳が原因の場合はじっとしておくことが良くないので、できるだけ体や頭、目を動かすリハビリテーションを行っていきます。特にデスクワークなどパソコンの画面をずっと見るような状況でめまいは起こりやすいので、意識的に目や頭を動かすようにしてもらうことも大事です。

めまいを訴える高齢の患者さんも増えているそうですね。

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高齢者の場合は、また少し原因が違うことがあるので診断は慎重に行います。最近増えているのは良性の発作性頭位めまい症。これは耳の中の耳石が骨粗しょう症などの影響で剥がれてしまい、三半規管の中で動くことによりめまいが引き起こされるもの。治療としては剥がれた耳石が元の位置に戻るような頭の運動をしていきます。まためまいは血圧の低下より生じることもありますから、降圧剤などを服用しているかどうかなど、問診の際に既往歴や服用しているお薬のことも細かく伺います。

診療の際に心がけていることはどんなことでしょうか。

耳・鼻・喉の症状やアレルギー症状は、きちんと治療をすれば症状を抑えることもめざせるのですが、その第一歩は原因を確かめることから。初動を誤ってしまうと、治るものも治らないなんてことにもなりかねません。ですから初診では症状を診るよりも先に話を聞くことに注力しています。まずは患者さんの訴えを一つ一つお聞きして、正確な診断につなげていく。また治療法も日進月歩で進歩していますので、現状にとどまらず新たな知識を取り入れ、患者さんに還元できるよう努めています。

早期診断・治療が患者のQOL向上につながる

日々患者さんと接する中で、やりがいを感じる瞬間とは?

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症状が治った、良くなったと言ってくださるときが一番ですね。耳や鼻、喉の不調やアレルギー症状は生活に支障を来すものが多いですから、なるべく早く楽な状態にして差し上げたい。患者さんの生活の不便を解消することが私たち医師の役割ですから、そういった瞬間に感じるやりがいはひとしおです。また、赤ちゃんの頃に中耳炎などの治療をしていた患者さんが、今度はお母さんになってお子さんを連れて来てくれたときも感慨深いですね。長くやってきたなぁと改めて実感する瞬間です。

お忙しい日々だと思いますが、ご趣味などはありますか?

現在取り組んでいることといえばマラソンですね。それまで特に運動はしてこなかったのですが、還暦を目前に控えた5年ほど前、健康維持のために何かしなければと思い立ちまして……、マラソンブームに乗っかりました。それで愛媛マラソンにも挑戦し始めたのですが、2度目の出場で3時間30分を切ることができ、現在はアスリート枠で参加しています。マラソンを始めてからはダイエットにも挑戦し、10キロ痩せることができました。患者さんに一方的に指導するだけではいけないとも思いまして、やはり自分を律することは大事ですね。現在は診療後の夜間にほぼ毎日走っていて、昨日も20キロ走ってきました。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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これからは、耳鼻咽喉科においても予防や早期診断・早期治療がより重要になっていきますから、患者さんの訴えをしっかりとお聞きし、正確な診断からの的確な治療に結びつけていきたいと考えています。高齢の方の老人性難聴など加齢によるものは完治が難しいですが、それでも早めに見つけることで状態を安定させ、進行を緩やかにしていくことは望めますから。地域のかかりつけ医として皆さんの耳・鼻・喉の症状に寄り添い、うまく付き合っていけるような方法を一緒に考えていきたいと思います。ですから、ちょっとした気づきでも、ぜひお気軽に相談していただければうれしいです。

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