岡本 茂樹 院長の独自取材記事
岡本眼科クリニック
(松山市/大手町駅)
最終更新日:2024/10/09
伊予鉄道大手町駅から徒歩1分、JR予讃・内子線の松山駅からも徒歩5分という利便性の高い場所にある「岡本眼科クリニック」。大学病院や基幹病院での豊富な診療実績に加え、岡本茂樹院長は、早くからエキシマレーザーを用いた屈折矯正手術を取り入れたり、角膜移植手術を行ったりするなど、先端医療を提供してきた。同院は特に専門性の高い外科的治療を得意としており、近年は多焦点眼内レンズを用いた白内障手術と屈折矯正手術に注力している。同院が提供する先端医療と、それを安全に行うために整えた設備とスタッフについて、岡本院長に詳しい話を聞いた。
(取材日2023年2月2日)
先進の機器を導入し屈折矯正白内障手術に注力
医療の進歩に伴って新しい治療を導入されてきたそうですね。
当院は松山で眼内レンズ手術を取り入れた「幸塚眼科」を引き継ぐかたちで始まりました。幸塚先生が行っていた白内障手術を継承するとともに、私の専門が角膜疾患でしたので角膜移植、それに加え、近視の治療である屈折矯正手術をメインとしていました。当院が開院した2000年に日本での使用が認可されたエキシマレーザーを使用したレーシックも、その年から行っています。屈折矯正に関しては、レーシックが受けられない強度近視の方や角膜の薄い方にも有用な有水晶体眼内レンズも取り入れていますし、レーシックや有水晶体眼内レンズといった外科的治療をせずに視力矯正をめざすオルソケラトロジーという治療にも早くから取り組んでいます。現在、特に注力しているのは、屈折矯正白内障手術です。
屈折矯正白内障手術とはどのような治療ですか。
白内障手術では濁った水晶体を砕いて吸い取り、眼内レンズを挿入します。保険診療で使用するのは1ヵ所にピントを合わせる単焦点レンズですが、屈折矯正白内障手術では多焦点レンズを用います。多焦点レンズはいわゆる遠近両用で、乱視対応のレンズもあるので、白内障の治療と同時に近視、乱視、老眼の矯正にもつながります。
白内障手術と同時に行う緑内障手術にも対応していると伺いました。
当院では、眼内ドレーンと呼ばれる器具を挿入して行う緑内障の手術も行っています。極低侵襲緑内障手術(MIGS)の1つであるこの手術は、白内障手術と一緒にすることで保険適応になります。緑内障の患者さんは何種類もの目薬を毎日点眼することを続けなければなりませんが、この治療を行うことで点眼の負担軽減がめざせます。
先進の治療機器や検査機器の導入にもこだわりを感じます。
患者さんにとって、手術を受けるということは重大なことですから、安全かつ高度なレベルで行えるような体制で取り組まなければならないと考えています。検査の設備は、屈折矯正手術に欠かせない角膜形状の測定装置3種類と前眼部OCT、主に白内障手術をする際に用いる眼軸長測定装置は3種類、広角眼底カメラなど、先進の機器をそろえています。屈折矯正手術で使用するエキシマレーザー、白内障の治療に使うヤグレーザー、糖尿病網膜症や網膜裂孔などの治療を行うためのパターンレーザーなど、レーザー治療機械も多彩です。白内障手術の眼内レンズの度数を術中に決定することができる装置や、3次元の画面を見ながら手術をするヘッドアップサージェリーなども導入しています。いずれも、精密な検査と、安全性に配慮した患者さんに負担の少ない手術を実現することにこだわる中で整えた機器です。
チームでめざす、良質でホスピタリティーあふれる治療
県内では数少ない、入院施設を備えた眼科クリニックですね。
そうですね。日帰り手術のみで対応している眼科クリニックが多いですが、当院の場合、宇和島市や伊方町、八幡浜市、大洲市などの遠方から手術のために来院される方も多いため、入院にも対応できるようにしています。入院施設は19床あり、そのうち半分以上が個室で、個室以外は2人部屋です。2泊3日の入院期間を快適にお過ごしいただけると思います。
医師4人体制で診療されていると伺いました。
私を含めて常勤の医師2人、非常勤2人の4人体制です。白内障、緑内障、屈折矯正、網膜疾患など、それぞれの専門分野に分かれて診療しています。また、当院は医師・看護師・検査員がチームを組んで治療に臨んでいます。先進の技術を学んだ専門性の高いスタッフがそろっていなければ、先進の医療は提供できませんから、5人の看護師と6人の検査員が4人の医師をサポートする体制を取っています。チーム全員が専門性を発揮し、連携しながら、患者さんにとって良い治療結果が出ることをめざしています。
チームの皆さんが診療において大事にされていることは何ですか。
私が院長に就任してから、職員みんなで考えた当院の行動理念があります。患者さんを第一に考え行動するということ、科学的に正しい医療を行うということ、そして他では受けられないオンリーワンの医療サービスをめざすということの3つです。これに基づき、努力を積み重ねていくことが大事だと考えています。技術や知識を高めていくだけでなく、患者さんに対し親切に、温かく、丁寧に接するといったことも心がけています。
愛媛で約30年、病院並みの高度な医療の提供をめざす
眼科の医師になった動機をお聞かせください。
私は外科に行きたいと考えていました。私が医師になる頃は、顕微鏡手術が始まり、眼内レンズが登場し、近視の手術が行えるようになるなど、眼科の治療は技術革新と言っていいほど著しく進歩する時期でした。そこに魅力を感じたのが、眼科へ進んだ理由です。進歩や新しさに惹かれる志向は今も変わらないですね。先進の機械や技術は取り入れて、大学病院に負けない先端医療を提供することへのこだわりも強いですからね。
大阪府ご出身ですが、愛媛には縁があったのでしょうか。
愛媛に来るきっかけをつくってくださったのは、大阪大学眼科学教室時代の先輩で、当時愛媛大学医学部の教授だった大橋裕一先生です。アメリカ留学から日本に帰るときに、愛媛大学医学部の講師にと誘ってくださったのです。角膜と免疫の研究をしたいという思いもあり、愛媛に来ました。松山で幸塚眼科を引き継ぐかたちで開院したのは、亡くなられた院長が大阪大学眼科学教室の先輩だったというご縁があったからです。愛媛に来たのは1994年ですから、まもなく30年ですね。
最後に読者へのメッセージをお願いします。
今回は手術についての話を中心にしてきましたが、当院は眼科全般の疾患に対応していますので、目に関するお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。例えば屈折矯正の治療についても、一般的な眼鏡やコンタクトレンズを使用する方法、昼間は裸眼で生活し、就寝中に専用のコンタクトレンズを装着するオルソケラトロジーなど、患者さんに合った治療方法をご提案します。疾患の種類によっては、その分野の専門性が高いドクターをご紹介します。
自由診療費用の目安
自由診療とはオルソケラトロジーレンズ/初年度22万円、有水晶体眼内レンズ/82万8000円、多焦点眼内レンズ(選定療養)/16万5000円~38万5000円、レーシック(両眼)/36万3000円~