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久保 俊彦 副院長の独自取材記事

久保内科循環器クリニック

(松山市/伊予和気駅)

最終更新日:2021/10/12

久保俊彦副院長 久保内科循環器クリニック main

松山市の城北エリア、旧北条市方面に向かう国道196号線沿い、住宅街の一角にある「久保内科循環器クリニック」。約50年前に前身の久保内科クリニックが開業し、地域住民のかかりつけ医的存在として頼りにされてきた。基幹病院の循環器内科で活躍してきた久保俊彦先生が副院長に就任するのを機に、2019年に、久保内科循環器クリニックとしてリニューアルオープン。現在90歳を超える父である院長との2人体制で、内科全般の診療に対応している。終始笑顔を絶やさない明るく気さくな久保副院長に、クリニックの特徴やこれからの展望などを語ってもらった。

(取材日2021年1月28日)

90歳を超える父と二人三脚で地域医療に貢献

医師になったきっかけやこれまでの経緯を教えてください。

久保俊彦副院長 久保内科循環器クリニック1

父がここで約50年前に久保内科クリニックを開業して、自宅もこの裏にありました。そういった環境で、物心ついた頃から父の背中をずっと見てきましたから、父の影響が非常に大きいと思います。父はもう90歳を超えているのですが、今も現役で頑張っています。もうすぐ交代をする予定ですが、現時点では父が院長で私が副院長なんです。リニューアルして、私のもともとの専門が循環器内科ということもあり、「久保内科循環器科クリニック」という名称にしましたが、医療法人名は「久保内科クリニック」のままなんです。名前を残したかったんです。こちらで診療するようになって感じたことは、昔父が診ていた患者さんのご家族が新規でおみえになるというケースが多々あって、父は地域に密着して地道にやってきたんだなということです。今さらながら改めて思います。

患者層はどういった方が多いですか?

地域のクリニックですので、やはり近くにお住まいの方が多く、幅広い年齢層の患者さんが来られています。それと、私が松山赤十字病院に長くいたものですから、そこからのご紹介の患者さんも多くおられますね。赤十字病院のような地域の基幹病院は、今の時代は急性期病院という位置づけなので、患者さんは、「かかりつけ医を別につくってください」と言われることがあります。そんなときに、かかりつけ医として依頼されるケースがあるんです。それと、私が赤十字病院で診ていた患者さんが通える限り診てもらいたいと来られるパターンもありますね。

赤十字病院ではどのような経験をされましたか?

久保俊彦副院長 久保内科循環器クリニック2

専門の循環器内科に18年くらいいました。救急なので、心停止で搬送された患者さんが、歩いて帰っていかれる姿を見るのは非常にやりがいがありました。私が主にやっていたのは心臓疾患のカテーテルでの治療。虚血性心疾患や不整脈、心不全など、心臓の病気でお困りの患者さんを診ていました。遠くの患者さんもたくさん来られてダイナミックな経験を多くさせていただきましたし、非常に良い環境でした。ただ、父をずっと見てきましたから、「いつかは継がなければ」とずっと思っていて、どこかで辞めなくてはと考えていたところ、幸い優秀な後任が来てくれたので、2019年にこちらに戻ってきたんです。

ちょっとした不調でも気軽に受診してほしい

大きな病院とクリニックでは、やはりかなり異なりますか?

久保俊彦副院長 久保内科循環器クリニック3

そうですね。患者さんへの接し方などは基本変わることはなく、スタンスはずっと「患者さんファースト」です。ただ、赤十字病院では狭いところを深く診るという感じだったのですが、こちらでは広く診ないといけない。想定内のことではあったのですが、自分自身「知らないことが多いな」ということは感じます。今は父が開院してからずっとそうしていたように、地域に根差した、患者さんがいつでも気楽に受診できるようなクリニックをめざしています。大規模な急性期病院でのダイナミックなやりがいとは異なりますが、こういうクリニックはクリニックで別のやりがいがあります。患者さんの生活が見えるというか、患者さんのより身近なところで頼りにされているなといった実感が、今のやりがいになっています。

病院とクリニックでは役割が違うということですね。

ここは、「何でもできます」という場所では当然ありません。手術もここでは対応していません。今の私の使命は、地域の患者さんの「健康の門番」です。最初のとっかかりとして、ちょっと調子がおかしいなという患者さんを診て、治療が必要な患者さんを早めに見つけて、ここでは対応が難しければ、しかるべきところにご紹介する。そこでの治療が終わったらまたこちらでメンテナンスさせていただく。しばらくしてまた何かおかしなことが起こりそうなら、再度ご紹介する。そんな橋渡しの役割というか、それも立派な仕事だと思っています。「見立て」と言えばいいのでしょうか。基幹病院と連携させてもらいながら、そういった部分でお役に立てればと思っています。長く病院にいたものですから、幸い知っている先生も多い。これが私のストロングポイントの一つかなと思っています。

勤務医の頃と比べてご負担はいかがですか? リフレッシュはできていますか?

久保俊彦副院長 久保内科循環器クリニック4

むしろ病院のほうが負担は軽かったですね。病院だと他の先生と手分けしてできるけど、こちらはやることがいっぱいある。全部自分でやらないといけないですから。友人や開業医の先輩もたくさんいますが、勤務医時代からいろいろな話をよく聞いていたのですが、実際自分がそうなって、初めてわかることがたくさんあります。リフレッシュになるようなことは特にはしていないですね。当クリニックの上が自宅なので、上に上がって眠るくらいです。

こちらでは睡眠時無呼吸症候群の検査もされているんですね。

トロント大学に留学していた時があるのですが、そこでやっていたんです。睡眠時無呼吸症候群は心臓の病気のもとになることが多々あるので、注意する必要があります。スクリーニング検査をして、必要があればCPAP(シーパップ)療法で対応します。CPAP療法とは睡眠時に鼻にマスクを装着して気道を開く治療法です。睡眠時無呼吸症候群は本人は気づかないことが多いんですが、いびきが大きいなど、ご家族が気になることがあれば、まずは検査を受けていただければいいと思います。

症状だけに着目するのではなく「人」を診る診療を

新型コロナウイルス感染症の流行もあり、感染症対策も大変ではないですか?

久保俊彦副院長 久保内科循環器クリニック5

そうですね。去年の今頃は、普通にインフルエンザの対応をしていて、マスクをしていない患者さんも受診されていましたね。ところが、今は風邪の患者さんがすぐにクリニックに入ることが許されない。「熱など何か症状はありませんか」と聞いて、症状があるようなら、他の患者さんにうつさないよう十分対応しなければなりません。発熱の方に待機していただくために、外にテントを設置しています。今は皆さんおちおち風邪もひけない状況です。一人ひとりが十分な感染対策をすることは非常に重要ですが、お互い監視し合うような空気はつらいですよね。もちろん当院では感染症対策は徹底していますので、調子が悪ければ安心して受診していただければと思います。余談ですが、コロナ禍で皆さんの移動が減っていることや、マスク、アルコールなど対策の成果もあってか、インフルエンザは確実に減っているのを感じます。

今後の展望は?

勤務医時代の救急医療の経験をこのクリニックならではの形で生かしていけたらと考えています。体制も整っていないのでまだ具体的には申し上げられませんが、超高齢社会の中で状況に応じた役割を果たしていけるようにいずれはなりたいと考えているんです。それともう一点。勤務医時代は患者さんを手術したらそこで完了だったのですが、今は医療の窓口として診療し、必要に応じて病院へと連携。そこで手術が終わったら戻ってきていただいて、と患者さんとは長い付き合いになります。だからというわけではないのですが、患者さんとは真摯に向き合って、症状だけではなくその人自身を診る医療を提供していきたいのです。その見本である父のように患者さんと良い関係性を築いて、長く診療を続けていければなというのが今後の目標です。

読者へのメッセージをお願いします。

久保俊彦副院長 久保内科循環器クリニック6

ご相談いただければ、お悩みに応えるためできる限りの努力をいたします。内科全般を診ていますが、例えば専門の循環器でいうと、動悸や息切れ、めまいなど、何かおかしいと思ったらすぐにご相談ください。これくらいでは受診しにくいとためらわれる方もおられますが、クリニックというのはそういうものを見つけるのが大事な役割です。まずは気軽に来ていただければと思います。

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