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楠原 俊一 院長の独自取材記事

楠原内科医院

(丸亀市/岡田駅)

最終更新日:2025/08/08

楠原俊一院長 楠原内科医院 main

琴電琴平線・岡田駅から徒歩約5分。ローカル列車がよく似合う、のどかな田園風景の中に「楠原内科医院」はある。同院の院長を務めるのは、日本循環器学会循環器専門医である楠原俊一先生だ。楠原家は、江戸時代から150年以上続く医師の家系。先祖代々医業に従事し、地域住民の健康を支えてきたという。変わらない景色の中に、変わらない存在がある。「お一人お一人の訴えに耳を傾け寄り添い、応えていきたい」と語る楠原院長に、医院の歴史や現在の診療内容、今後の展望などを聞いた。

(取材日2025年07月03日)

江戸時代から先祖代々、地域住民の健康を支える

とても歴史がある医院だそうですね。

楠原俊一院長 楠原内科医院1

江戸時代後期、安政の時代から代々この綾歌地区で、地域の皆さんの健康を支えてきました。当院の前身は病院です。戦前に祖父が始めた診療所を父が建て直し、1963年に「楠原病院」として開業しました。当時は祖父、伯母、父、叔父の医師4人体制。外科・内科・産婦人科と診療科が分かれており、20床以上の入院施設も備えていました。1978年には、内科医の父と外科医の叔父がそれぞれ独立。1997年に今の「楠原内科医院」が誕生し、現在に至るまで、地域に根差した診療を続けています。そういう家系ですので、私も思春期の頃には医師を志すようになりました。大学卒業後は、岡山大学医学部の第一内科に入局。岡山済生会総合病院や香川県済生会病院などで研鑽を積み、1999年に父から院長を引き継ぎました。現在の建物は、2003年に新築したものです。民家風の切妻屋根を冠した建物は、この町の風景にもなじみます。

患者さんはどのような方がいらっしゃいますか?

小さなお子さんから高齢の方々まで、各年代の方が来院されています。主訴は多岐にわたりますが、糖尿病や高血圧症といった慢性疾患を抱える方が多いです。昔に比べると、「会社の健康診断で再検査になったから」という理由で受診される働き世代の方が増えました。現在、80歳以上の方々は健康診断というものにあまり縁がなかったと思いますが、人生100年時代の今は国も社会も健康維持・増進を呼びかけていますから、個々人の健康への意識も高まっているのでしょう。慢性疾患の予防・管理に力を注ぐため、当院では管理栄養士による栄養指導も行っています。日時が変更する場合もありますが、基本的には毎月第2土曜日と第4木曜日が栄養指導日です。

こちらの診療内容を教えてください。

楠原俊一院長 楠原内科医院2

私の専門とする循環器内科に加え、一般内科や消化器内科、呼吸器内科、小児科の診療が可能です。地域のかかりつけ医として、外来診療や予防接種、往診・訪問診療を行うとともに、学校医や特別養護老人ホームの嘱託医なども務めています。幅広い症状に対応できるよう、院内には各種検査の設備を整えました。心エコー、負荷心電図、ホルター心電図といった心臓の検査の他、腹部エコーや胃の内視鏡検査も実施しています。頭部CTをはじめとした専門的な検査が必要な場合は、近隣の総合病院と連携することが多いです。日頃から密な協力関係を築いているため、患者さんのご案内はスムーズです。手術や入院を要する場合は、県内広域の医療機関と連携し早期治療につなげますし、症状によっては漢方薬も処方できますので、繰り返す咳や更年期障害、心身症などでお悩みの方はご相談ください。

患者一人ひとりの声にしっかりと耳を傾ける

医師として、循環器内科を志した経緯をお聞かせください。

楠原俊一院長 楠原内科医院3

私が医師という職を意識し始めた頃は、ちょうど急激な経済成長によって公害が多発し、社会問題と化した時代です。地域住民の健康を守る医師をめざす中では、明治から大正にかけての偉人たち、具体的には梅毒研究で知られる野口英世や、結核菌を発見したロベルト・コッホなどのような感染症を診る医師が、自分の理想像として捉えられました。循環器に軸を定めていったのは、大学を卒業した1972年以降のことです。大学病院の恩師が高血圧症や脂質異常症などに詳しく、これら慢性疾患が動脈硬化を進行させ、脳血管疾患に至らしめるという話を常々耳にしていました。現在の日本人の死因第1位は悪性新生物、つまりがんですが、当時は脳卒中などの脳血管疾患で亡くなる方のほうが、圧倒的に多かったのです。いずれは家業を継ぎ、地域住民の健康を支えるためならと、専門は循環器内科に位置づけました。

その頃に比べると、医療も様変わりしたのではないでしょうか?

私が医師になってから、すなわちこの50年ほどの医学の進歩は目覚ましいものでした。主に使用する診断機器と言えば、当初は心電図くらいなものでしたが、徐々に普及したエコーは逆流した血流に色彩を宿し、画期的な技術を搭載したCTは転移がんや脳血管疾患を発見。極めつけの心臓カテーテルは検査から治療まで活用され、中でもアブレーション治療は不整脈の方々に大きく貢献しました。昔は発見すらできなかった疾患も早期に発見し、治療につなげられるようになり、そして患者さんとも正面から対話ができるようになったのです。昭和の時代は病名の告知を控える風潮が強く、患者さん本人に病名を伝えられないまま治療に入り、後からご家族に厳しい言葉をかけられることもありました。しかし、時代が変わった今はご本人にもご家族にもしっかりと病名を伝え、一緒に治療計画を立てることができます。それは私たちにとっても、非常に大きな変化でした。

患者さんと向き合えるようになった今、心がけていることはありますか?

楠原俊一院長 楠原内科医院4

お一人お一人の訴えに耳を傾け寄り添い、わかりやすく丁寧な説明を心がけながら、患者さんに納得いただいた上で治療を開始することです。体の不調は言葉にしづらい時もありますので、ご本人の表情や雰囲気、ご家族からお聞きする生活習慣も含めて、総合的に診断するようにしています。すべては患者さんの健康を守るため、そのお力になるためです。できるだけ患者さんを診て差し上げられるよう、平日は休診日を設けていません。診療時間内であれば、急患にも随時対応していますし、ウェブ予約は24時間受付可能です。思い起こせば、済生会病院に勤務していた頃は「海を渡る病院」とうたわれた巡回診療船に乗って、瀬戸内の離島に住む方々の回診も行っていました。定期的な健康管理も、突然のつらい症状も、どうぞ安心してお任せください。

幅広い症状に応えるかかりつけ医をめざして

プライベートの時間は、どのように過ごされていますか?

楠原俊一院長 楠原内科医院5

ドライブを兼ねて美術鑑賞に出かけたり、読書やゴルフを楽しんだりして、気分転換を図っています。畑を持っているので、時間がある時は農作業のようなこともしていますね。心身ともに健康に過ごせるよう、毎日の筋力トレーニングも欠かしません。マシンを使った腹筋のトレーニングが中心ですが、無理はせず体を動かすことを意識しています。

医院の展望をお聞かせください。

いずれは、4代目となる息子が私の後を継ぎます。これからも信頼される医療を提供し、地域の皆さんが安心して通える医院であり続けたいです。この地域には糖尿病などの慢性疾患、そして循環器疾患を抱える高齢の方が多くいらっしゃいます。当院は綾歌地区のかかりつけ医として幅広い診療に対応しながら、皆さんの健康状態をしっかりと見守り、皆さんの日常生活を支援していきたいと考えています。「ちょっと気になるな」「誰に相談したらいいんだろう」という症状がありましたら、いつでもご相談にいらしてください。

地域の方々へ、健康を維持するためのアドバイスがあればお願いします。

楠原俊一院長 楠原内科医院6

健康診断は、できるだけ定期的に受けましょう。そして異常が見つかった場合は、近隣の医療機関で精密な検査を受けて、ご自分の健康状態をきちんと把握しておくことです。現代日本は物があふれ便利な反面、日々の生活習慣や食生活が乱れがちです。食べすぎで肥満になる方もいれば、逆に極端な食事制限に励む方もいらっしゃいます。忙しさで食事がおろそかになる時も多いでしょうが、健康の基本は食事であるということを、今一度思い出してください。「足るを知る」という言葉をご存知でしょうか? あれもこれもと求め続けるのではなく、ある程度のところで満足する。今あるものに感謝しながら、「これで十分」と納得する。そんな心の余裕が、明日の健やかな体、健やかな未来をつくっていくのではないでしょうか。

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