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苦痛を軽減するための緩和ケアで
肉体的・精神的に患者をサポート

なんば内科クリニック

(安芸郡府中町/天神川駅)

最終更新日:2024/04/30

なんば内科クリニック 苦痛を軽減するための緩和ケアで 肉体的・精神的に患者をサポート なんば内科クリニック 苦痛を軽減するための緩和ケアで 肉体的・精神的に患者をサポート
  • 保険診療

緩和ケアと聞くと、がん末期で、何の治療もできなくなった人に行うものというイメージを持つかもしれない。しかし、ある研究により、早期からの緩和ケアは、生存期間の延長に有用という結果も出ているという。府中町にある「なんば内科クリニック」は、がん患者の診療にトータルに携わるクリニックだが、外来・在宅で、体と心の緩和ケアにも注力している。院長の難波将史先生は、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医の資格を持ち、長年、大学病院などの前線で抗がん剤治療を行ってきた。「当院のモットーである『自分らしく生きる』のとおり、緩和ケアによって、患者さんが納得できる医療を提供したいと考えています」と語る難波院長に、早期から行う緩和ケア、クリニックで緩和ケアを受けるメリット、訪問診療での緩和ケアなどについて聞いた。

(取材日2024年4月11日)

早期からの緩和ケアでQOLの向上を図り、生存期間の延長をめざす

Q緩和ケアとは、どういった医療なのでしょうか?
A
なんば内科クリニック 緩和ケアについて正しい認識を持つことが大事だ

▲緩和ケアについて正しい認識を持つことが大事だ

緩和ケアというと、がん末期の段階のイメージを持つかもしれません。実際は症状に苦しんでいる人の体と心のつらさを和らげることをめざすもので、がんの終末期に限定したものではありません。例えば、がんと診断された時には既に痛みがある方もいるでしょうし、ショックで心の痛みも感じる方もいるでしょう。また、がんと診断されると親しい人にも言えず孤独になったり、自分で調べて不安になったりする人もいますが、人に話すことで気持ちが楽になるかもしれません。がんの患者会の紹介、仕事・育児・家庭などの相談はもちろん、うつ病等の場合は専門家を紹介します。また、心不全でむくみがひどい、呼吸不全で息苦しい等の症状にも対応します。

Q緩和ケアを受けるメリットを教えてください。
A
なんば内科クリニック 緩和ケアに精通した医師が診療にあたる

▲緩和ケアに精通した医師が診療にあたる

ある研究で、がんの患者さんを緩和ケアの有無で2つのグループに分け、経過を観察したところ、緩和ケアを行うことは生存期間の延長に有用なのではないかという結果が出ました。症状の緩和を図れることで、治療に対する意欲が復活したり、患者さんの生活が充実したりしたことが長生きにつながったのではないでしょうか。この研究をきっかけに、緩和ケアは早期から始めたほうが良いと考えられるようになりました。にもかかわらず、緩和ケアがなぜ普及しないかというと、緩和ケアに詳しい医師が少ないからです。最近は、抗がん剤治療を行うには緩和ケアについて専門的に学ぶことが必須になりましたが、それだけだとなかなか難しいのが現実です。

Qクリニックならではの緩和ケアの特徴はありますか?
A
なんば内科クリニック 通いやすいクリニックで相談を

▲通いやすいクリニックで相談を

大きい病院へ行くと長時間待たされ、ただでさえつらい体に大きな負担がかかります。クリニックなら、入院する必要性の有無や、薬で緩和が図れそうかといったことがすぐにお伝えできるでしょう。当院では抗がん剤治療には対応していませんが、副作用に応じた対応はしています。副作用は、吐き気、発熱、下痢、手足のしびれなどが多く、他にも、糖尿病の悪化、肺炎、不整脈などさまざまな症状が現れることもあります。抗がん剤治療を行う医師が緩和ケアに詳しいとは限らないため、吐き気があるのに制吐剤が出ていなかったり、痛み止めの量が適切ではなかったりする場合も考えられます。セカンドオピニオンという意味でも一度相談してほしいですね。

Q在宅での緩和ケアと外来での緩和ケアの違いを教えてください。
A
なんば内科クリニック 在宅での緩和ケアにもチームで対応している

▲在宅での緩和ケアにもチームで対応している

訪問診療は、病院に通うことすらできない患者さんが対象で、終末期の緩和ケアに近い状態です。そのため、病気の早期からサポートするのは外来での緩和ケアになります。なお、抗がん剤治療を受けていた患者さんが終末期に緩和ケア病棟に移る場合、よく知らない医師に看取られるという問題があります。当院なら、治療の始めは外来で、最期は在宅で、私が一貫して診ることができます。在宅で緩和ケアをする場合、患者さんが苦しむ姿を家族が見て戸惑うことがあります。混乱する家族のケアも私たちの仕事です。在宅は、訪問看護師、ケアマネジャーなどさまざまな職種の人が訪れますので、彼らと協力しながら患者さんやご家族の気持ちに寄り添います。

Q緩和ケアで意識していることはありますか?
A
なんば内科クリニック 納得できる医療のため、患者との対話を欠かさない

▲納得できる医療のため、患者との対話を欠かさない

クリニックを継承した時、「自分らしく生きる」をモットーに掲げました。人は、それぞれ病気の受け止め方が違います。そのため、健康な体には戻れないとしても、その人が納得できる医療を提供したいと考えています。本人がやりたいと思うことができるよう、緩和ケアでサポートしたいんです。例えば、抗がん剤治療を一旦やめて、体力があるうちに旅行に行きたいという患者さんがいたら、なるべく希望に沿うよう調整します。また、患者さんの話をよく聞き、彼らのSOSを総合病院の主治医に伝えるのも緩和ケアを行うかかりつけ医の仕事の一つです。

ドクターからのメッセージ

難波 将史院長

がんと診断された患者さんやご家族は、苦しみながらさまざまな治療を続けてこられたと思います。しかし、残念ながら、早期からの緩和ケアの重要性は、患者さんだけでなく、医師にもあまり浸透していません。私は、大学病院などで抗がん剤治療を行ってきた経験があり、がん薬物療法専門医の資格も持っています。そのため、ほとんどのがんや治療法について知識や経験を有しています。がんをはじめとする難病の痛みや苦しみに悩んでいる方のサポートはもちろん、セカンドオピニオンとしてもご活用ください。通院が難しいくらいつらい方は、当院は訪問診療にも力を入れていますので、相談していただければと思います。

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