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難波 将史 院長の独自取材記事

なんば内科クリニック

(安芸郡府中町/天神川駅)

最終更新日:2024/04/19

難波将史院長 なんば内科クリニック main

府中町の街中にある「なんば内科クリニック」は1992年の開業。落ち着いた平屋の建物の中に入ると、院内は畳のスペースを備えた居心地のいい空間が広がる。2024年4月に初代院長難波龍雄先生の後を受け、息子で副院長の難波将史先生が院長に就任。難波院長は、これまで総合病院や大学病院に籍を置き、呼吸器疾患や呼吸器がんの治療に従事し、先進の治療から緩和ケアまで広く携わった経験豊富なドクターだ。同院では一般的な内科疾患や生活習慣病、気管支炎、喘息などの呼吸器疾患に対応する他、自宅療養中のがん患者などの在宅診療にも力を注ぐ。「勤務医時代に培った経験を生かしたい」と意欲を燃やす難波院長に同院の診療内容や、専門の呼吸器疾患、力を入れている在宅診療について話を聞いた。

(取材日2024年3月8日/情報更新日2024年4月1日)

府中町で30年近く診療を続けてきた内科医院を継承

医院を引き継ぐまでの経緯を教えてください。

難波将史院長 なんば内科クリニック1

広島大学医学部を卒業した後、呉医療センターの呼吸器内科、安芸市民病院の内科勤務を経て、広島大学病院の呼吸器内科に在籍していました。父は府中町に1992年に「なんば内科」を開業し、以来30年近く診療を続けていましたが、70歳になるタイミングで院長を退きたいという考えで、2023年に僕が副院長として入職。そして2024年4月に院長職を引き継ぎ、院名も「なんば内科クリニック」に改称することにしました。ここ府中町は人口も多いですし、最近は子育てにいい町と言われ注目を浴びています。僕自身ここで育ってきたので、町には愛着を感じていますし、ずっと継ぐつもりでいたので、これから府中町の医療を支えていきたいと考えています。

現在は、お父さまと2人体制で診療をされているのですね。

診療室が狭く1人でしか診ることはできませんので、曜日を分けて勤務することにしました。僕が月~木曜を担当して、週末の金・土曜を父が担当するというスタイルです。父が開業した当初から通っている30年来の患者さんがいますので、そういった方々はやはり父に診てもらいたいと金曜、土曜に来られていますね。なので、患者層は高齢の方が多いです。主訴としては、生活習慣病の患者さんが多いですね。

医師をめざしたのはお父さまの影響ですか?

難波将史院長 なんば内科クリニック2

そうですね。小さい頃から、多分母親がそういう方向にうまく教育したんだと思います(笑)。「お父さんはお医者さんというすごく大事な仕事をしているのよ」といつも聞かされていましたから、自然と「将来はお医者さんになるんだ」という気持ちが育っていきました。無事、医学部にも入ることができ、順当にいったという感じです。

呼吸器疾患からがん疾患まで、外来と在宅診療で対応

呼吸器内科がご専門なんですね。

難波将史院長 なんば内科クリニック3

はい。もともと医師を志した時から開業医になるつもりでいましたから、呼吸器内科であれば、喘息や肺気腫、肺炎、感染症などを診ていくのかなと漠然と思っていたんです。ですが大学病院に勤務した時、呼吸器内科からがん化学療法科(腫瘍内科)に移り、そこでがんゲノム医療に携わり、診断が難しい特殊ながんの患者さんなどの難症例を多く診るようになりました。一方、肺がんや重い呼吸器疾患の患者さんは、皆さん息が苦しいと訴えられるんですね。そんな状態の患者さんが少しでも楽に過ごせるように何かできないかと思い、緩和ケアチームにも入り本格的に経験を積みました。

呼吸器疾患の緩和ケアではどのようなことを行うのですか?

例えば、肺が悪かったら、呼吸が思うようにできず、溺れているような感覚になると思います。また、ほんの少し動いただけで、全力疾走したときの息苦しさ、息切れの状態になったりもします。肺がんに限らず、肺に水がたまった方やがんが肺に転移してしまった患者さんの多くはそういった息苦しさを訴えられます。緩和ケアでは、そのような患者さんに酸素療法を導入したり、苦痛を和らげるために医療用麻薬を用いたりします。そういった処置で期待できる良好な状態は一時的かもしれないですが、少しの間でも楽に過ごせる時間を増やすことができるのであれば、やりがいを感じます。緩和ケアでは、「痛くない、苦しくない、ちゃんと眠れる、食べられる」という、人としての最低限の生活ができるように取り組んでいきます。

訪問診療にも力を入れていらっしゃるとか。

難波将史院長 なんば内科クリニック4

訪問診療は、僕が当院に来てから本格的にスタートしました。在宅療養を希望される方にはがんの患者さんが多くいらっしゃるので、緩和ケアのキャリアを生かせる場面が多いと思います。大学病院や町の訪問看護ステーションから患者さんを紹介してもらっていて、少しずつ数を増やしていっているところです。当院のキャパシティーの問題はありますが、今後はもっと訪問診療を行っていることをアピールしていこうと思っています。

これまでの医師経験の中で印象に残っている患者さんはいますか?

大学病院の患者さんだったんですけど、体の筋肉が動かなくなる難病のALSを患っていた患者さんのことが印象に残っています。お一人で生活されていて、体が動かないのですが、ホームヘルパーさんと訪問の看護師が代わる代わる自宅を訪ねて、食事を介助したり、点滴したりと1日中ずっと誰かがサポートしていました。在宅介護で支えれば全介助状態の難病の方も一人暮らしができるんだと衝撃受けたケースですね。僕たちが行っている訪問診療についても、在宅で過ごしたいという患者さんにしっかりと寄り添って、きめ細かくサポートしていきたいと思っています。

がんや難病の患者も受け入れるクリニックをめざす

あらためて先生の強みについてお聞かせください。

難波将史院長 なんば内科クリニック5

生活習慣病の対応にも力を入れていますが、僕の強みはがん患者さんの治療だと思っています。病院の緩和ケア病棟と同じように外来で対応できれば、他の医療機関で抗がん剤治療中の患者さんが、当院で緩和ケアを受けるというかたちがつくれるのではないかと考えています。病院で働いていた時に感じたのが、がんや難病の患者さんに対応できるクリニックが少ないということでした。結果、がんや難病の患者さんは大きな病院に行かざるを得ない。体が弱っているのに診療の度に毎回長い待ち時間を耐えなければならないというのは、とても苦痛だろうと思うんです。だから、そういった患者さんの受け皿になりたいと思いました。大きい病院で入院治療が必要なレベルなのかどうか、まずは当院で診て判断し、サポートできる部分は積極的に対応していきたいと思っています。

ところで、休日はどのように過ごしていらっしゃいますか?

子どもがまだ小さくて、小学校1年生の双子と幼稚園の年少の子なんですね。なので、その子たちの世話をして、例えば上の子たちが習い事に行っている間に下の子の面倒を見たりして、そんなこんなで休みが終わってしまう感じです。僕の週末の時間はすべてわが家の予定に組み込まれていて、僕がいないと家のことが回らないシステムになっているんです(笑)。父親が育児に関わることができるのは小学生くらいまでのわずかな時間だと思いますし、家事のほとんどは妻に任せっきりではありますが、こうして子どもたちと関わる時間や機会を作ってくれている妻には感謝しています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

難波将史院長 なんば内科クリニック6

府中町全部を網羅するというわけにはいきませんが、僕としては自分が生まれ育った府中町の医療を支えていけたらと考えています。特にがんを中心とした難しい病気で苦しむ人たちにとって最後の砦ではないですが、受け皿となり、緩和ケアや訪問診療にも力を入れ、他の医療機関と連携を取りながら、困っている患者さんに医療を提供していければと考えています。

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