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井之川 宗右 副院長の独自取材記事

井之川眼科医院

(呉市/呉駅)

最終更新日:2023/02/07

井之川宗右副院長 井之川眼科医院 main

呉駅から徒歩3分とアクセス良好な場所にある「井之川眼科医院」は、1955年の開院から長い歴史を積み重ねてきたクリニック。2019年の移転リニューアルを機に副院長に就任した井之川宗右(いのかわ・そうすけ)先生は、2代目院長の井之川廣江先生をサポートしながら、大学病院などで長年研鑽したキャリアを生かし、日帰り手術に力を入れている。患者にしっかり寄り添うため、診療は完全予約制。そのほか、質の高い診療のために先進の機器を導入したりと、クリニックに新しい風を吹き込んでいる井之川副院長。地域住民の目の健康を支える同院の中心的存在で、なんでも相談できそうな温厚な人柄の井之川副院長に、これまでの経験やクリニックの特徴、今後の展望など幅広く話を聞いた。

(取材日2022年11月18日)

眼科の医師としての意識が変わった、ある患者の言葉

2019年6月にリニューアルし、現在の場所に移転されたそうですね。

井之川宗右副院長 井之川眼科医院1

前のクリニックから50メートルほど離れたビルの4階に移転しました。手術室を新たに設けたのが大きな変化です。角膜に関しては「大学病院レベルの診断をここでも実現したい」という思いがありましたので、新しい機器も導入しています。また、患者さんが待ち時間を退屈せずに過ごせるよう、待合室にテレビを置き、窓に面したコンセントつきのカウンター席を設置しています。診療中に荷物を持ち歩かなくても済むように鍵つきのロッカーも備えました。カフェで過ごすようにリラックスしてお待ちいただけるとうれしいです。

医師になった経緯と副院長就任までのご経歴を教えてください。

私の家系には多くの医療関係者がいて、ここも祖父が開院した眼科医院なんです。その環境もあって小学生ぐらいから自然と医師をめざすようになっていました。眼科を選んだのは母の影響もありますが、学生時代の私は目が見えなくなるのは死ぬことより怖いことだと思っており、「それなら目のことで悩んでいる患者さんを助けよう」と決めたんです。大学卒業後に眼科に入局し、経験を積むうちに角膜に興味を持つようになったので、角膜移植の研究のために東京歯科大学市川総合病院へ2年間国内留学しました。その後、大学に戻り角膜専門外来のチーフや医局長を務め、当院を手伝うために地元に戻りました。その間広島大学でも角膜疾患を中心に診療を続けながら、当院の移転に向けてリニューアルオープンの準備をして、移転開院のタイミングで副院長に就任しました。

これまでの経験で印象に残っていることはありますか?

井之川宗右副院長 井之川眼科医院2

先ほどお話しした、目が見えなくなるのは死ぬより怖いと思っていたことに関連するのですが、私が医師になったばかりの頃、若くして病気で失明してしまった子に出会いました。後日、目が見えなくてどんなことで困っているか尋ねると、その子は「別にない」と言ったんです。あれ?と思いましたね。「本は点字で読めるし、パソコンで音声も聞けるし、天気も匂いでわかります」と言うんです。衝撃でしたね。学生時代の自分の考えだと、病気とはいえ患者さんの目が見えなくなってしまうことがとても怖かったのですが、その言葉がきっかけとなって意識が変わりました。たとえ治療のかいなく視力を失ったとしても、それに応じた生活の仕方があるのであれば十分リカバリーできるし、私がフォローできることもある。「だから一緒に頑張ろう」と患者さんに話せるようになりました。ただ、恐怖心が消えたわけでなく、視力回復に向けて尽力することは変わりません。

一人ひとりに合わせたオーダーメイドの治療を

完全予約制にしている理由は何でしょう?

井之川宗右副院長 井之川眼科医院3

以前は、薬がなくなったら来てくださいと患者さんにお伝えしていたのですが、ここに移ったタイミングで完全予約制にして、定期的に受診していただくシステムに切り替えました。そうすることで患者さんの変化を確実に診ていくことが目的です。最初は困惑された患者さんも少なくなかったのですが、定期的に受診することの重要性をだんだんわかっていただけるようになりました。

地域柄、ご高齢の方がよくいらっしゃるのでしょうか?

地元の方が多いのですが、ご高齢の方が7割ぐらいを占めています。少し離れた江田島から来られる方もいますね。祖父・母・私と3世代にわたって診させていただいている患者さんも少なくありません。私は角膜とドライアイが専門で、近隣の病院から紹介を受けることもあります。

診療で大切にしていることをお聞かせください。

精度の高い診断をするためにしっかり検査をすることと、患者さんの症状から原因を探るためにじっくり話を聞くことです。治療においては、「患者さん一人ひとりに合ったオーダーメイドの治療」がモットーです。同じ症状でも患者さんの社会背景や家庭環境によって、必要な治療法など微妙にさじ加減が違ってきますから、その方に合ったものを適切に提案することが一番大切ですね。当院では、患者さんと時間をかけて話をし、適した治療法を探し、治療計画を立てていきます。そして、ご自宅で目薬を忘れずに使っていただいたり、定期的に通っていただいたり、患者さんにも協力をお願いします。「一緒になって治していきましょう」という当院のスタンスをご理解していただくことも診療では大事だと思っています。

日帰り手術も行われています。

井之川宗右副院長 井之川眼科医院4

移転前は手術に対応していなかったのですが、私自身勤務医時代に数多く手術をしてきましたし、診断・手術・術後のケアという流れの中で手術だけほかの医療機関に委ねることはしたくなかったので、白内障、翼状片、眼瞼下垂、眼瞼内反症、結膜弛緩症などの日帰りの手術に対応することにしました。患者さんに安心して手術を受けてもらえるよう、スペースを広めに取り、トラブルがなるべく起きないよう設備の拡充にも力を入れています。ただ、入院設備を整えるまでは難しかったので、どうしても入院が必要な手術の場合は近くにある済生会呉病院で私が執刀します。患者さんも前に診察した医師に手術してもらったほうが安心できるのではないでしょうか。角膜移植や緑内障、網膜剥離など高い専門性を要する手術は、他の医療機関を紹介しています。

日帰り手術を手厚く。医院のレベルアップをめざす

今後の展望を教えてください。

井之川宗右副院長 井之川眼科医院5

手術にはこれからも力を入れていきたいですね。大学病院でずっと専門にやっていた角膜移植をできるようにしたいと考えています。日帰りでもできる分野の角膜移植があり、数は少ないですが実際に行っている施設もあります。当院で対応できないのはやはり心残りで、それなら環境を整えよう、ということですね。また最近、介護タクシーとの連携を始めました。地域柄、現状では手術を受けられるのは70代~80代の方が多いです。呉市内はお一人暮らしの方もいらっしゃいますから、付き添いが難しい方にはこれまで近隣病院へ入院をしてもらっていました。一人暮らしの方でも入院することなく安心して住み慣れた家に帰ってもらえるよう、準備を整えています。

スタッフさんを含め、クリニック全体でのレベルアップをめざされているのですね。

現在では、看護師5人、視能訓練士1人、事務3人、医療補助1人が日々協力をしてくれています。スタッフの皆さんにも眼科の疾患についてしっかりと知ってもらい、患者さんに安心して過ごしてもらえるための協力をしてもらっています。例えば、視力が落ちている人と、視野が狭くなっている人とでは、検査室や診療室までの誘導の仕方も違いますから。クリニック内の移動や、書類の記入など、皆さんが安全に過ごせるための指導は日々行っています。また、患者さんの中には、私には言えないこともスタッフになら話せるという方もいらっしゃいます。スタッフが患者さんとのコミュニケーションをしっかりとってくれると、時間が限られる中でも患者さんの本音がわかったりします。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

井之川宗右副院長 井之川眼科医院6

今後も、患者さん一人ひとりに合ったオーダーメイドの治療を行うと同時に、治療の質も向上させていきたいです。「患者さんに負担をかけず長く続けられる治療」をしっかり見極めながら、一緒に治療に取り組んでいくのが当院の診療スタンスです。また、当院が専門としている分野の患者さんを他の医療機関から紹介してもらったり、逆に当院から紹介できたりする、スペシャリストたちのネットワークを築きたいです。そのほうが患者さんが安心して手術や治療に望めますからね。そういう意味でも私自身、勉強を重ねてその一員で居続けられるようにしていきます。何かお困りのことがあれば気軽にお越しください。

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