今井 崇勝 院長の独自取材記事
今井耳鼻咽喉科
(広島市佐伯区/佐伯区役所前駅)
最終更新日:2026/04/27
広電2号線の佐伯区役所前電停からほど近く、区役所やスーパーといった生活施設が集まる落ち着いた住宅地の一角にある「今井耳鼻咽喉科」。現院長・今井崇勝先生の祖父の代から地域に根差した診療を続けてきた同院は、新型コロナウイルスの流行時に移転したことをきっかけに院内設計を一新。開放感のある空間に加え、発熱患者専用の待機室や動線分離など、感染対策と患者の不安の払拭の両立を図っているのが特徴だ。今井院長は、「患者さんに理解して帰っていただくこと」を大切に、検査画像を用いた丁寧な説明を徹底。アレルギー疾患や睡眠時無呼吸症候群など幅広い診療に対応しながら、患者一人ひとりに合った選択肢を提示する姿勢を貫いている。そんな今井院長に、診療への思いやクリニックの特徴について話を聞いた。
(取材日2026年3月27日)
地域とともに続く、耳鼻咽喉科医院の3代目
院長のご経歴と地域との関わりについて教えてください。

自宅がすぐ近くということもあり、この地域との関わりはもともと深いですね。うちは祖父の代から耳鼻咽喉科をやっていて、父も同じく耳鼻咽喉科の医師でしたので、私は3代目になります。以前は向かい側の宮島街道沿いに旧クリニックがあり、そこで長く診療を続けてきました。医療に携わる家系の中で育ったこともあって、自然とこの道を志していたというのが正直なところです。広島に戻ってきたのは、父が病気をしたことがきっかけでした。気がかりだったので、一度戻らないといけないと考え、大学にお世話になりながら帰ってきたという経緯があります。
クリニックを移転された背景と院内設計のこだわりを教えてください。
もともと祖父の代から続いていた建物が築50年ほどたっていたので、老朽化が一番の理由ですね。ちょうど土地のご縁もあって移転することになりました。設計についてはかなりこだわっていて、図面も何十回も描き直しています。特に新型コロナウイルスの流行と重なったこともあり、開放感や風通しを意識した造りにしていますし、発熱の方に対応できるように待機室も設けました。もともとスタッフの休憩室も広く取っていたんですが、待機室を作るために削った部分もあります。外をぐるりと回れる動線にしたり、できるだけ圧迫感が出ないようにしたりと、患者さんが安心して来院できるような空間を意識して設計しています。
発熱患者専用の外来の体制や、院内の工夫について教えてください。

発熱のある方には専用の待機室を用意していて、現在もそのスタイルで運用しています。来院されたら一度お電話をいただいて、「何番の部屋に入ってください」という形でご案内していますが、番号だけでなく「黄色の扉」「青い扉」といった色で伝えることで、電話でもわかりやすいようにしています。新型コロナウイルスの流行中は不安を抱えて来られる方も多かったので、あまり重々しい雰囲気にならないような色使いにしたという面もあります。また、廊下には換気扇を設けず、各部屋に高性能の換気設備を入れることで、空気の流れをコントロールしています。完全な陰圧ではありませんが、できるだけ外に広がらないような工夫をしています。
理解して、納得して帰ってもらう診療
医師をめざしたきっかけは何だったのでしょうか?

医師をめざしたきっかけについては、何か特別な出来事があったというよりも、やはり環境の影響が大きかったと思います。祖父の代から耳鼻咽喉科をやっていて、父も同じ仕事をしていましたので、日常的に医療にふれる機会が多かったんですね。そういった中で、自然と医療というものを見る・ふれる機会があり、いつの間にか志していたという感覚のほうが近いです。家業を継ぐという意識を強く持っていたというよりも、気がついたらこの道に進んでいた、という流れでした。
これまでのご経験について教えてください。
帝京大学の医学部を卒業した後は広島に戻り、大学病院で臨床研修を受けました。その後、帝京大学に戻って、当時取り組まれていた睡眠時無呼吸症候群について学ばせてもらいました。もともと呼吸器内科の先生で、睡眠時無呼吸症候群に非常に熱心な方がいらっしゃって、耳鼻咽喉科や口腔外科、外科と連携して診療するスタイルを教えていただいたのがきっかけです。また、沖縄でも2年ほど勤務し、学んだことを実際の現場で試すような経験もしました。沖縄は広島大学からの派遣がきっかけでしたが、その流れで少し残って勤務することになり、自分なりに実践を積んできた形です。
診療において大切にされていることは何ですか?

一番大切にしているのは、患者さんに「理解して帰っていただく」ということですね。画像を撮った場合はできるだけその場でお見せして、今どういう状態なのかをご説明するようにしています。薬を出して終わりではなくて、なぜその治療をするのかを納得していただいた上で帰っていただきたいと思っています。説明に時間がかかることもあり、待ち時間の面でご負担をおかけすることもありますが、このスタイルは崩さずに続けていきたいと考えています。また、受付は最初と最後に患者さんと接する場所なので、スタッフには「クリニックの顔」であることを意識してもらうようにしています。来られたときも帰られるときも、安心していただけるように対応することを心がけることが大切だと思っています。
幅広い症状に応え、選択肢で支える医療
どのような症状やお悩みで受診される方が多いのでしょうか?

やはり近隣の方が中心で、年齢層も0歳のお子さんから90代の方までと非常に幅広いですね。耳鼻咽喉科ですので、風邪をひいた、喉が痛い、咳が出るといった急性の感染症で来られる方が多いですし、アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患やめまい、難聴のご相談もよくあります。検査については、耳や鼻、喉の状態をカメラで撮影してその場でお見せしたり、CTやエックス線、聴力検査なども院内で行っていますので、結果を見ながらご説明しています。また、指先からの採血で複数のアレルギーが30分ほどでわかる検査も導入しています。なお、花粉については花粉観測機器を10年ほど前から設置していて、この地域の花粉の動きを参考として発信しています。
特に力を入れている診療について教えてください。
力を入れているのはアレルギー疾患と睡眠時無呼吸症候群ですね。アレルギーについては、薬だけに頼るのではなく、まずはアレルゲンをできるだけ吸い込まないことが大切だとお話ししています。症状がひどくなってから薬を使ってもなかなか効果につながりにくいので、軽いうちにコントロールを図る意識が重要です。その上で、薬の治療やレーザー治療、注射、舌下免疫療法など複数の選択肢がありますので、患者さんに合った方法をご提案しています。睡眠時無呼吸症候群については、機械で空気を鼻から送り、睡眠中の呼吸を安定させるためのCPAP(持続陽圧呼吸療法)に加えて、必要に応じて専門医療機関への紹介も行っています。補聴器についても、医師が関わりながら中立の立場でご説明できることが一つの特徴だと思っています。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

今後については、クリニックを大きく変えていくというよりも、これまで大切にしてきたスタイルを続けていくことが一番だと思っています。患者さんに寄り添い、この地域を支えていくということを軸に、理解して帰っていただく診療をこれからも続けていきたいですね。一方で、利便性の面では改善も進めていて、予約体制を見直し、これまでの窓口での順番取りとネット予約を一元化し、朝6時からオンラインで予約できる仕組みに変更します。また、発熱者専用の外来は別の枠で対応する体制にし、さらに一時中断していたオンライン診療も再開する予定です。睡眠時無呼吸症候群の治療や舌下免疫療法など、継続的な治療が必要な方にとって、より通いやすい環境を整えていきたいと考えています。気になる症状がある方に気軽に相談していただけるよう、引き続き、身近な地域のクリニックとして機能していけたらと思います。

