福井 信之 院長、福井 英人 副院長、福井 美典 先生の独自取材記事
福井内科医院
(広島市安佐南区/長楽寺駅)
最終更新日:2023/01/17

アストラムライン長楽寺駅から徒歩7分、駐車場も27台完備と電車・車でもアクセス良好な「福井内科医院」。1980年に福井信之院長が開業して以来かかりつけの医療機関として親しまれてきた。内科・循環器科・消化器科・呼吸器科・放射線科・小児科などを診療し、3階にはグループホームを併設。2019年から長男の福井英人副院長が加わり訪問診療部を併設、緩和ケア内科を開設し定期訪問診療にも注力。さらに2022年には長女の福井美典先生も参入し、日本糖尿病学会糖尿病専門医の外来と美容皮膚科を新たに開設した。建物の周囲は手入れの行き届いた草花を配置するなど、患者が少しでもリラックスできるよう工夫を随所に凝らしている。家族で力を合わせ近隣住民の健康をサポートしていきたいという思い、これまでの道のりなどを詳しく聞いた。
(取材日2022年12月7日)
地域密着型の医療を患者第一主義で40年以上提供
まず、それぞれが医師をめざしたきっかけを教えてください。

【信之院長】数学が得意だったのと“人を助ける”という医師ならではのやりがいに魅力を感じたからです。循環器を専門にしたのは、新しい知識や技術が急増している時代だったので。実は循環器系は得意分野ではなかったのですが、あえて挑戦しました。
【英人副院長】父、祖父母が医師だったこともあり、医師以外の選択肢はないと思って育ちました。大学時代、たまたまプライベートで救命救急センターの方々と話す機会があって興味を持ち、現場を見学させてもらい、そのままその道に進みました。
【美典先生】瀬戸内海の江田島で祖父と病院を営んでいた祖母に小さな頃から憧れていました。外科と皮膚科を専門とする医師だったんです。また、英人副院長の影響も大きいですね。同じ大学に進みましたし、沖縄の浦添総合病院の救命救急センターで経験を積んだのも、兄の背中を追いかけてのことでした。
院長が開業するまでの経緯をお聞かせください。
【信之院長】広島大学病院などに勤務していましたが「もっと直接患者さんと接して治療をしたい」と、思うようになったからです。私は広島生まれではありますが安佐南区出身ではありません。でも、この地域が発展すると確信していました。それで、40年前は周囲はまだ田んぼばかりだったんですが、19床の病床がある病院を建てたんです。めざしたのは、都心部の病院まで行かなくてもここで完結する地域密着型医療。時代とともに人口も急増し、満床となることも珍しくありませんでした。しかし、20年ほど前から今度は高齢化が進んできたので、病床を閉じてグループホームにしています。
副院長のこちらに戻られるまでのご経験を教えてください。

【英人副院長】初期研修後、大阪府済生会千里病院千里救急救命センターで修行をして、日本救急医学会の救急科専門医資格を取得しました。救急だけではなく災害医療の勉強もして、大勢の方が巻き込まれた事故現場へ派遣された経験もあります。その後、沖縄の浦添総合病院の救急救命センターに勤務。ドクターヘリやドクターカーで駆け回り、病院前救急診療や集中治療に携わりました。命を救うための医療に携われるやりがいはとても大きかったです。救急の現場でさまざまな経験を積んだので、どんな状況でも臆せずに落ち着いて対応できるようになったと思います。急変が専門なので大概のことでは動じなくなりましたし、現在、こちらで主力となって取り組んでいる訪問診療でも役立っていますね。
24時間体制の訪問診療に加え糖尿病専門の外来も新設
訪問診療に本格的に取り組み始めたきっかけについて教えてください。

【信之院長】副院長が戻ってきてくれたからです。それまでは、私が昼休みの時間を使って細々と訪問診療をしていました。外来に通うのが難しくなった患者さんがいる施設を回るなどしていましたね。
【英人副院長】そんな院長の活動を聞き、地元に戻る7年前から訪問診療の現場を見学するなど構想はしていました。救急の現場が患者さんの自宅になると考えれば、これまでの経験が生かせると思ったんです。現在、患者さんはがん終末期で自宅での看取りを希望している方などが多いので、訪問診療での緩和ケアを可能にするシステムを構築しました。ご家族の方からも感謝の声を頂いています。当院の訪問診療での一番のこだわりは、いつでも私の携帯電話につながるようにして24時間365日対応している点です。また、過疎地域に積極的に行くことも大事にしていて、車で片道30分のエリアにも出向いています。
美典先生が加わり、今度は糖尿病専門の外来が新設されました。
【美典先生】11年間の沖縄生活で、救急科医をしていると、若い世代の急患で糖尿病がある患者さんを診察する機会が多くありました。予防するすべはないものだろうかと、日本糖尿病学会の糖尿病専門医資格を取得しました。また、糖尿病で血糖値が高いと、血管だけではなくお肌も糖化するので、しみ・しわ・くすみなどが目立つようになるんですね。女性として「どうにかしてあげたい」と思い、美容皮膚科の領域にも興味を持つようになりました。糖尿病専門の外来では内科医の院長の患者さんの中でも重症の糖尿病の方などを診ています。また、近隣の病院からの紹介でいらっしゃる方もいます。私は広島共立病院の糖尿病内科に木曜日だけ勤務しているのですが、そこの患者さんで「クリニックのほうが通いやすい」という方もいますね。逆に入院が必要な場合などは広島共立病院に紹介することも可能です。
美容皮膚科の診療も始まって、クリニックの雰囲気も変わったのではないでしょうか。

【美典先生】そうですね、玄関入ってすぐのところに、私がお勧めする化粧品とサプリメントを紹介するコーナーなどもできましたからね。副院長には「院内の雰囲気が明るくなった」などと言われています。患者さんだけではなく訪問看護のスタッフさんたちにも好評です。でも、美肌を保つには化粧品やサプリメントだけではなく食事も大事。個人的に30代前半の頃に「今、食べたものが5年後の自分を作る」という文章を読んで「今のままじゃいけない!」と、食生活を見直した経験があります。たどり着いたのが栄養学の知識でした。そして「これは、糖尿病患者さんの食事指導にも応用できるのではないか?」と、きめ細かな食事指導にも応用しています。糖尿病の患者さんはもちろん、予備軍の方々の食事内容など生活習慣を見直して、健やかな人生を歩むお手伝いができればと思っています。
外来・訪問・グループホーム。多角的なサポートを重視
外来の患者さんはどんな方が多いですか?

【福井院長】慢性疾患の方が多いですね。現在は新型コロナウイルスの影響もあり、風邪症状の方も少なくありません。開業して40年以上になりますが、当初は40代だった方々も今では80代。基本的に予約なしでいつでも来院できるようにしているので、ご高齢の方も通いやすいのではないでしょうか。外来に足を運ぶのが難しくなってきた方には、訪問診療やグループホームという選択肢も設けています。また、2世代、3世代にわたってかかりつけ医として通ってくださるご家族もいるのはうれしいですね。
グループホームではどのようなことをしていますか。
【福井院長】当院3階の「すこやか すこやか」というグループホームは、認知症の患者さんが主に生活するための施設です。こちらへも副院長が訪問診療を定期的に実施しています。認知症が進行して他の大きな病院を紹介した方でも、このグループホームを希望して戻ってこられるケースもよくあります。私も訪問診療をすることがありますが「先生に来てもらえてうれしい」と言ってもらえたりするのは、私にとっても大きな喜びです。
最後に、今後の展望について聞かせてください。

【英人副院長】これからも、外来診療、訪問診療、グループホームでの診療など、柔軟に対応していきたいです。ご高齢の方はもちろん、近隣のさまざまな方のニーズに寄り添い、さらに地域医療に貢献できるようなクリニックにしていければと思っています。私は曜日限定で広島市立広島市民病院、広島共立病院の非常勤医師としても勤務しているので、入院が必要な場合は紹介も可能です。これからも連携を深め、大きな病院へのハブ機能も持った町のクリニックにしていけたらと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはしわのケア(眉間)/3万8000円