伊藤 仁 院長、伊藤 尚志 副院長の独自取材記事
伊藤内科医院
(広島市安佐南区/伴中央駅)
最終更新日:2026/04/24
広島市安佐南区、アストラムライン伴中央駅から徒歩3分の場所にある「伊藤内科医院」。1974年の開業以来、地域のかかりつけ医として世代を超えて親しまれてきた。穏やかに寄り添う姿勢の伊藤仁院長と、はっきりとわかりやすく伝えることを大切にする伊藤尚志副院長という対照的な二人三脚の診療スタイルも特徴だ。同院では、循環器疾患や生活習慣病の診療を軸に、外来から訪問診療まで行う。また、クリニックの上階にある通所リハビリテーション施設と連携し、介護と医療を横断して患者をサポートしている。患者が自らの病気を理解し、主体的に健康と向き合うことを重視し「健康寿命を延ばしたい」と語る2人。地域医療を支え続ける同院の取り組みについて話を聞いた。
(取材日2026年4月3日)
地域に根差し、世代を超えて信頼関係を築く
クリニックの成り立ちと、先生方のこれまでの歩みを教えてください。

【仁院長】当院はもともと父が1974年に開業した伊藤病院が始まりです。はじめは結核を専門とした病院だったため、当時は山間部にありましたが、1979年にクリニックとして移転し、その後2013年に現在の場所でリニューアルしました。私は1971年に東邦大学医学部を卒業し、国立病院機構東京病院などで研鑽を積んできました。1982年に広島へ戻り、院長として当院を引き継ぎ、長く地域の方々に支えられながら診療を続けてきました。
【尚志副院長】私は2004年に同じく東邦大学を卒業し、大学病院や関東の医療機関で循環器内科を専門に経験を積みました。2016年に広島へ戻り、しばらくは他院勤務と並行して当院を手伝い、2021年に副院長として本格的に加わりました。現在は院長である父と親子2代で診療を行っています。
長く地域医療を続ける中で、どのような患者さんが多いですか。
【仁院長】開業当初から通ってくださっている方も多く、患者さんの年齢層は比較的高めです。親子、時には3世代にわたって通ってくださるご家庭もあり、地域に根差した医療機関としての役割を感じています。
【尚志副院長】現在は平均年齢が65歳を超えていますが、最近では近隣に住宅地や大学が増えたことで、若い世代の患者さんも少しずつ増えてきています。当院は中学生以上を対象としており、風邪などの一般的な症状から生活習慣病まで、幅広い相談に対応しています。
クリニックの雰囲気や特徴について教えてください。

【仁院長】落ち着いた雰囲気の中で診療を行っています。長年勤務しているスタッフが多く、患者さんのことをよく理解してくれているのが特徴です。
【尚志副院長】当院では院長と私で診療スタイルが少し異なります。穏やかに話を聞いてほしい方は院長、はっきりと説明を受けたい方は私を希望されることも多いですね。受付で希望を伺うことで、それぞれの患者さんに合った診療ができる体制になっています。設備は24時間ホルター型心電図、エックス線検査、超音波エコーなどの検査機器をそろえています。
スタッフや他職種とも積極的に連携し、患者を支える
日々の診療では、どのような疾患に対応されていますか。

【仁院長】専門である循環器疾患を中心に診療していますが、地域のかかりつけ医として、内科全般に幅広く対応しています。特に高血圧症や糖尿病といった生活習慣病の相談が多いですね。また高齢の方の認知症や、定期的な健康診断などにも対応しています。
【尚志副院長】心不全や不整脈、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞など、血管に関わる疾患を診ています。状態によっては緊急性が高い場合もあるため、必要に応じて速やかに基幹病院へ紹介するなど、適切な判断を心がけています。また、基幹病院でカテーテル治療を受けた方のアフターフォローも行っています。
診療において大切にしていることを教えてください。
【仁院長】かかりつけ医としてさまざまな主訴の患者さんがいらっしゃいます。診察を行った上で、専門外のことは速やかに適切な医療機関へつなぐことを大切にしています。患者さんにとって最善の選択をすることが重要だと考えています。
【尚志副院長】私は、患者さん自身に病気を理解してもらうことを重視しています。長く通院していても、実際には自分の病名や状態を十分に把握していない方も多いんです。なぜその病気が起きるのか、日常生活で何に気をつけるべきかまで丁寧に説明し、患者さんが主体的に健康管理できるようサポートすることを大切にしています。
医療と介護の連携についても取り組まれているそうですね。

【仁院長】私たちは医療分野だけでなく、福祉分野にも携わっており、当院では上階にある通所リハビリテーション施設と連携を取っています。高齢の患者さんが多く、ニーズに応えるために、自然な流れでこうした体制になりました。必要に応じて施設の紹介や短期入所の提案も行っています。医療と介護の両面から支えることで、安心して生活を続けていただけるようにしたいですね。
【尚志副院長】訪問診療も行っており、通院が難しくなった患者さんを継続して支えています。在宅医療では病気の治療だけでなく、生活面のケアも重要になってきます。そのため医師だけでなく、介護職などの他職種が連携しながら、患者さんの生活全体を見ていくことが大切です。医療と介護の距離が近いことは、当院の強みだと思います。
スタッフとの連携についてはいかがでしょうか。
【仁院長】看護師、事務ともに長年勤務しているスタッフが多く、患者さん一人ひとりの背景までよく理解しています。日常の会話から得られる情報も多いため、助かっています。
【尚志副院長】スタッフとの距離が近く、自然と情報共有ができているのが特徴です。患者さんの生活状況や性格など、医師だけでは見えにくい部分を補ってくれており、チームとして診療ができていると感じます。患者さんにとって、まるで仲の良いご近所さんのように親しみを持って接してくれていますね。
健康寿命を延ばすために、患者とともに歩む
循環器内科の医師としてのやりがいはどこに感じていますか。

【尚志副院長】循環器の分野では、重い状態であっても、治療を開始すると一気に回復することが望める場合も多く、その変化に立ち会えるのが大きなやりがいです。例えば、心不全で入退院を繰り返していた方に、病気について理解していただき、投薬も行った上で、運動や食事などの基本的な生活改善を徹底していただいたところ、1年以上入院せずに過ごせるようになることが望めるケースもあるのです。
【仁院長】急性心筋梗塞など、時間との勝負になる場面も多くありますが、適切な対応で回復していく姿を見れたら、医療の力を実感できますね。
今後の展望についてお聞かせください。
【仁院長】大きく何かを変えるというよりは、これまで通ってくださっている患者さんを大切にしながら、今の体制を維持していきたいと考えています。
【尚志副院長】外来診療と訪問診療の両方をバランスよく続けていきたいですね。地域のニーズに応じて、柔軟に対応できる体制を整えていくことが目標です。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

【仁院長】私自身は高齢になってきましたが、できる限り地域医療に関わっていきたいと思っています。気になることがあれば、遠慮なく相談していただければと思います。
【尚志副院長】健康で長く生活するためには、「よく食べて、よく動く」ことが基本です。そのためにも、まずはご自身の病気を正しく理解することが大切。私たちはそのためのサポートをしていますので、どんな小さな不安でも気軽に相談してください。一緒に健康寿命を延ばしていきましょう。

