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泉 文一郎 院長の独自取材記事

いずみ整形外科・せぼねクリニック

(広島市中区/広島駅)

最終更新日:2024/07/17

泉文一郎院長 いずみ整形外科・せぼねクリニック main

広島市の中心部から車で約10分、住宅街が広がるエリアにある「いずみ整形外科・せぼねクリニック」。院長である泉文一郎(いずみ・ぶんいちろう)先生は、前院長である理事長の方針を受け継ぎ、側弯症を含む背骨に関する治療に特化した診療を行っている。診療に際しては患者自身が自分の体の状況を把握できるようにと、丁寧でわかりやすい説明を徹底。治療と併せて筋肉をつけたりストレッチをしたりするなどのリハビリテーションの指導も行い、再発予防につながるような「患者のための患者による治療」を実践する。移転リニューアルをして利便性も高くなったクリニックで、腰痛や肩凝りなどから側弯症、脊柱管狭窄症、後弯症まで、今後はさらに幅広い診療をしていくと話す泉院長に、患者への向き合い方やこれからの展望を聞いた。

(取材日2024年6月13日)

側弯症の専門家として早期発見・早期治療に尽力

今年5月に移転リニューアルされたばかりだそうですね。

泉文一郎院長 いずみ整形外科・せぼねクリニック1

移転前は道を挟んで向かいのビルで、同じく整形外科医である父が長く診療をし、ビルの4階という立地ながらも、県内から多くの患者さんにお越しいただいていました。長年、側弯症を専門に診療してきましたが、私が引き継ぐタイミングでもう少し幅広い症例の患者さんも診ていきたいという思いもあり、こちらに移転することにしました。側弯症はお子さんに多い症状ですので、これまでは患者さんの年齢層も低かったのですが、移転してからは一般的な整形外科の診療にも力を入れておりますので、中高年や高齢の患者さんも増えてきましたね。

お父さまの時代から引き続き、背骨を専門に診療されているのですね。

父が側弯症治療の専門家でしたし、私自身も脊椎が専門であるということで、地域の皆さんに認知を深めていただけるように、クリニック名も「せぼねクリニック」としました。側弯症は子どもに多く見られる病気で、100人に1~2人の割合で発症するものです。成長するにつれ背骨が曲がる病気ですが、痛みなどの自覚症状もほとんどなく、後天的に発症することも多く気づきにくいのが特徴です。しかし放置すると内臓が圧迫され、ひどい場合は命に関わることもありますので、早期発見のために学校健診などの際にもチェック項目として挙げられています。広島県内の学校では自宅で簡単にできる側弯症のチェック方法を紹介したプリントを配布していますが、あれは実は父が監修したものです。矯正するには早い段階で見つけることが大事ですので、ご家庭でぜひ参考にしてみてください。

側弯症では、具体的にどのような治療を行うのでしょうか?

泉文一郎院長 いずみ整形外科・せぼねクリニック2

側弯症の原因は、まだはっきりとはわかっていませんが、遺伝の影響があるともいわれています。身長の伸びる速度が速まる思春期に曲がりが急に進むことがあります。われわれの研究では、腹筋力の低下と体の柔軟性の低下が側弯症の悪化に影響していると考えています。全体としては男子より女子に多く、側弯症は背骨がねじれて曲がるので、前屈するとわかりやすいです。ただ、広島県内では側弯症を専門に診るクリニックがとても少ないという現状があり、当院にはさまざまな医療機関から紹介されて患者さんが来られます。曲がる角度が20度以上になると、装具療法の適応となります。装具が必要な場合はエックス線写真を撮って、患者さん一人ひとりに合ったものを当院で作製します。早期発見が重要というのは、50度以上になると手術が必要な場合が出てくるからです。手術自体も大変ですし、患者さんへの負担が大きいという理由です。

背骨を中心に多角的な診療を行い、原因を探る

なぜ背骨に特化した診療をするようになったのですか?

泉文一郎院長 いずみ整形外科・せぼねクリニック3

整形外科というのは基本的に骨を診るところですが、背骨に関しては周囲にある神経もしっかり診察する必要があり、かなり専門性が求められます。神経や反射など細かく診察して、悪いところを類推していくことは時間もかかりますので、実は整形外科の中でも得意な先生が少ない分野でもあります。ただ、理事長である父が側弯症を専門としていたことから、私も使命感を感じて脊椎を専門とするようになりました。背骨、つまり脊椎というのは、神経が通る重要な器官です。そのため「腰が痛い」「首が痛い」などの原因が実は背骨にあった、ということも珍しくありません。長く通院しているのに一向に痛みが引かない、という話を耳にすることがありますが、それは痛みの原因がその部位ではないからかもしれません。その点、脊椎は腰や肩、脚ともつながった部分ですので、脊椎を重点的に診察するというアプローチをすれば原因が見つかることもあります。

先生が整形外科の医師になったきっかけは、やはりお父さまの影響でしょうか?

そうですね。小さい頃から整形外科医としての父の姿を見てきましたので、かなり影響は受けました。小さい頃は週末に家族旅行に行くといっても、前日に手術した患者さんが気になるからと、旅行の前後に病院に寄ることもあったりして、医療に携わる姿を見ることが身近にありました。そういったことからも、医師になるのは自然の流れだったのかもしれません。また大学時代に私自身がサッカーをやっていて、ケガをすれば整形外科にお世話になることも多かったので、そんな経験も整形外科の医師になることを後押ししましたね。父は現在も現役で側弯症を専門に診療しており、私は側弯症の治療継承に加え、大人の患者さんも含めた腰痛など背骨に関わる部分の診療に力を入れています。

患者さんに接するときに心がけていることはどんなことでしょうか?

泉文一郎院長 いずみ整形外科・せぼねクリニック4

大切にしているのは、なぜその症状が出ているのか、ということを突き詰めることです。私は脊椎が専門ですので、骨だけでなく神経も含んだ多角的なアプローチで診療することを心がけています。例えば手がしびれると訴える患者さんが、脳神経外科では異常が発見できないとなれば、整形外科を紹介されることがあります。その場合には当院のように、脊椎の専門知識がある医師が在籍していなければ診断がつかないようなケースもあります。また当院に手足の痛み、しびれを訴えてくる患者さんに対しては、その部分だけを診るのではなく、筋肉の硬さや手足の形なども含め、全身をチェックします。注射などで一時的に痛みの緩和を図るということはほとんどしません。その原因を取り除かなければ症状が長く続いたり、再発したりする恐れもありますので、一見すれば関係なさそうなところまで、丁寧に診察します。

痛みの長期化や再発を防ぐ、患者に寄り添う治療

クリニックの治療ポリシーである「患者さんのための、患者さんによる治療」の意味をお聞かせください。

泉文一郎院長 いずみ整形外科・せぼねクリニック5

背骨を中心とした診療を行う中で「他院で診てもらったが症状が緩和しない」「しばらくしたら再発した」と訴えて来られる患者さんがいます。体の痛みというのは、その原因を正確につかむことが改善の一歩となりますが、もう一つ大切なのは、予防につながるような診療をすることです。中高年の方では肩凝りや坐骨神経痛、高齢の方は骨折などの訴えが出てきますが、これらは薬などで対処するだけでなく、筋肉をつけたり、ストレッチをして体をやわらかくしたりという予防も必要です。そのため当院ではリハビリテーション室を備え、リハビリテーションの指導もしています。また、50代くらいからは骨粗しょう症のチェックをしておくこともお勧めしています。ご自分の体について知っておけば対策も取りやすいですから。

先生ご自身は、休日はどう過ごしていますか?

学生時代はサッカーをしていましたが、ケガをしてはいけないので今はやっていません。もっぱら子どもたちと遊びに出ることが多いですね。写真を撮ることが好きなので、カメラを持って出かけることがリフレッシュにつながっています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

泉文一郎院長 いずみ整形外科・せぼねクリニック6

背骨というのは体の中心であり、さまざまな器官につながる部分です。当院では背骨に注力しながら幅広い診療を行っていますので、なかなか正確な診断がつかずに諦めている方には、ぜひ一度来ていただきたいです。ただの腰痛だと思っていても、中には危険なものもあります。一時的に痛みをしのぐための治療ではなく、原因を見つける診療を行いますので、お気軽にご相談ください。

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