杉原 雄策 院長の独自取材記事
すぎはら眼科内科
(倉敷市/茶屋町駅)
最終更新日:2026/04/24
倉敷市茶屋町の県道74号線沿いにある「すぎはら眼科内科」は、親子2代で地域住民の健康を見守り続けているクリニック。現在は、消化器内科と眼科を中心に、一般内科や循環器内科、呼吸器内科、婦人科など、時代とともに多様化する患者のニーズに応えた診療を提供している。杉原雄策院長がめざしているのは、困ったことを真っ先に相談しようと患者に思ってもらえるかかりつけ医。柔軟な対応力と長年培ってきた信頼のもと、一人ひとりの患者に日々真摯に向き合っている。これまで出会った多くの恩師から得たものを糧に、患者に最善を尽くしていきたいと語る杉原院長。柔和な岡山弁が親しみやすい杉原院長に、クリニックの診療方針や地域への思いなどを熱く語ってもらった。
(取材日2026年3月17日)
専門領域にとらわれることなく患者の症状と向き合う
この地で30年にわたり診療されているそうですね。

循環器内科の医師であった僕の父が、ここから少し離れた小さい建物で開院したんです。開院当初から、眼科を専門とする母と一緒に診療していました。両親が医師として日々診療にあたっている姿を見て育ったので、僕も気がついたら医師をめざしていましたし、いつかは継ぐものとぼんやりと考えていたんです。循環器内科と眼科の両方を標榜しているクリニックでしたが、実際は専門にとらわれすぎることなく、一般内科疾患など幅広く診ていました。2019年にここに移転し、僕がバトンタッチして院長に就任してからも同じ方針を継続しています。
地域に密着したクリニックということで、近隣から来られる患者さんが多いのですか。
米子や福山から来られる方もおられますが、地元の患者さんがほとんどです。当院以外にも内科のクリニックがあり、皆で協力しながら地域医療に貢献している、といった感じですね。母がまだ現役で診療しているので、眼科と内科を併設しています。糖尿病診療など目の疾患に関わりのある内科疾患は少なくないので、眼科の患者さんを内科でも診察する、あるいはその逆のケースもありますね。「内科の診察の際に眼科検診も受ける」といった診療も可能なので、患者さんにもメリットがあるのではないでしょうか。
幅広く対応しているので医院名に「眼科内科」とあるのですね。先生のご専門は消化器内科と伺いました。

はい。学生時代から、画面を見ながら内視鏡を操作することに惹かれるものがあり、胃がんや大腸がんの早期発見・早期治療につながる点にもやりがいを感じたことから、消化器内科に進みました。大学卒業後は内視鏡のエキスパートである先生方のもとで初期研修を受け、その後も複数の病院にて、さまざまな先生方から胆膵や大腸、胃など、消化器全般について一通り学びました。そのため当院では、内科のうちでも消化器内科については特に専門的に診ています。もちろん、循環器専門の先生に週に1度来てもらっており、循環器内科も以前と同様に高い専門性があります。
患者を尊重し気持ちを解きほぐす全人的医療を提供
先代の診療方針を受け継がれているとのお話がありましたが、クリニックの理念を教えていただけますか?

「地域の皆さまに全人的な医療をやさしく提供すること」をコンセプトに掲げています。「この治療だけ行います」「専門の診療科以外の疾患は診ません」ということはせず、患者さんのためにできることはなんでもする、ということですね。父は特に理念などについて言葉にはしていませんでしたが、昔から方針は変わっていないはずです。このようなスタンスを貫くのが内科医、とりわけ患者さんに身近な存在である実地医家の務めだと僕は考えます。地域の皆さんにとっての「go-to doctor」でありたいです。「go-to」は「困った時に頼りになる」という意味のくだけた英語表現。気になることがあれば、いつでも気軽に来てもらえるかかりつけ医をめざしています。
全人的医療の提供にあたり、クリニックではどのような工夫をされているのですか?
往診に対応しているほか、家族が婦人科の医師なので婦人科診療を月に数回行っています。体重やBMIが気になる方に対して、筋肉不足を解消するための体づくりなど、生活習慣の改善を指導することも可能です。僕は筋力トレーニングが趣味なので、一緒にスクワットしながらアドバイスすることもありますよ(笑)。検査については、できる限り院内で治療できるよう臨床検査技師を2人体制とし、2台の腹部エコーや動脈硬化の程度を評価するABI検査装置など、医療機器も折を見て増やしています。血液の病気などを診断するCBC検査も可能です。現在、23人のスタッフが、僕と同じ気持ちで一生懸命頑張ってくれています。先代の時代からのスタッフも多く、短時間の朝礼で十分に意志の疎通ができるので頼もしいですね。管理栄養士や内視鏡検査担当の後輩医師など外部スタッフも含め、全員で協力しながら診療しています。
患者さんと接する上で意識していることを教えてください。

患者さんを尊重することです。「あなたはそこにいる。それは素晴らしいことです」という人間賛美の気持ちで、患者さんと接しています。気持ちがふさぎ込んだり、過剰に不安になったりすることが病状の悪化につながってしまうことは意外と多いので、気持ちを解きほぐしてあげることは本当に大事です。ですので、できるだけ気持ちが軽やかになってもらえるような診療を心がけていますね。症状や検査結果によっては、さらに詳しい検査が必要と判断した場合の対応も、当院の役割の一つ。信頼している適切な医療機関を紹介するので、安心してお任せください。
すべてにおいて最善を尽くすクリニックであり続ける
今後、さらに力を入れていきたいことは何ですか?

これまで築き上げてきた地域の皆さんとの信頼関係をもとにした、地域に根差した診療の拡充に取り組んでいきたいですね。かねてより往診や訪問診療にも対応していますが、超高齢社会に突入し、体制強化など質を高めていく必要があると考えています。時流や社会の変化に伴い疾患が多様化しているので、先進の医療機器を引き続き積極的に導入していくつもりです。その一方で、在宅で最後まで過ごしたいとの思いを持たれている方にもよりそった、心の通いあう医療も体現していきたいと思っています。時代とともに変わっていく地域社会のニーズに、しっかりと応えていきたいです。消化器内科としては、一般内科などに定期的に来てくださっている患者さんを中心に、胃や大腸内視鏡検査の受診を引き続き提案していきます。がん化につながる小さいポリープを早期に見つけるために、特に症状がなくても40歳以上であれば、ぜひ一度は受けてもらいたいです。
これからも持ち続けていきたい、医師としてのモットーを教えてください。
これまで数多くの恩師との出会いに恵まれました。以前、尊敬する教授が研究会での会話の中で話していた、「ピンチはチャンス」という言葉が、本当にシンプルですが心に残っています。その言葉を胸に、診断が難しい局面もポジティブに受け止めるようにしているんです。最近心に留めている詩は、「Do better if possible, that is always possible.」というフレーズ。「最善を尽くすことは、常に可能である」という意味で、これこそ僕がクリニックの医師としてあるべき姿だと感銘を受けました。今までも、そしてこれからも、患者さんに対して、クリニック全体で最善を尽くしてまいります。
最後に、読者に向けて一言メッセージをいただけますか?

ちょっとした症状や体調の変化と向き合うことが大事です。疾患の予兆なのか、逆になんでもないことなのかは、診てみないことにはわかりません。ですから、「どの診療科に行けば良いのかわからないので来ました」といった不定愁訴を相談してもらえると、本当にありがたいです。そして、誰でも仕事や家庭のことなど悩みを抱えているはずで、実際に「職場で強いストレスを受けていて調子が悪い」などの相談も結構多いです。診療を通して、そういう思いを解きほぐすのも僕たちの役目だと考えています。「こんなことで診察してもらっていいのかな」などと心配せずに、取りあえず行ってみれば何とかなる、という気持ちでいらしてください。

