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大内 武 副院長の独自取材記事

北陽クリニック

(出雲市/武志駅)

最終更新日:2024/03/21

大内武副院長 北陽クリニック main

出雲市荻杼町の住宅地に立つ「北陽クリニック」は、もともとは1962年に循環器内科医の初代院長が原田医院として開業したクリニックだ。2代目院長である大内啓司院長が1996年の継承時に「北陽クリニック」と改称。さらに祖父や父の姿を見て育ち、大学病院などの循環器内科で腕を磨いてきた大内武副院長が2023年に同院の診療へ加わり、啓司院長との二診体制で再スタートした。60年以上にわたり地域の健康を見守ってきた建物は老朽化が進み手狭になったため、2024年2月に新築移転を行った。リニューアルのコンセプトや、同院で対応できる疾患、今後の展望について武副院長に話を聞いた。

(取材日2024年01月22日/更新日2024年3月1日)

クリニックをリニューアルし地域医療への貢献をめざす

クリニックの概要を紹介していただけますか?

大内武副院長 北陽クリニック1

院長と私の二診体制のもと、院長の専門である整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科と、私の専門の内科・循環器内科の領域に対応しています。院長は腰や肩、膝などの痛みや交通事故によるケガなどの診療の他、0歳からを対象とした小児整形外科診療も行っています。私は総合的な内科診療に加えて、高血圧症、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病から、心筋梗塞、狭心症、心臓弁膜症、心不全などの心疾患を診療します。

さまざまな検査も受けられるのですね。

整形外科ではエックス線検査機や骨密度測定装置をそろえ、マイクロ波やホットパックによる温熱療法、各種注射による治療を行っています。一方、循環器内科では超音波検査の装置やAED、自動血圧計の他、急性心筋梗塞、不整脈、心肥大などを検出する12誘導心電図検査機、不整脈や狭心症を検出する24時間心電計、動脈硬化の程度を調べるABI検査装置を導入。精密な検査や治療に必要な機材をそろえました。睡眠時無呼吸症候群簡易検査では、患者さんに検査キットを自宅に持ち帰っていただき、睡眠時にどの程度呼吸が止まっているかを調べることも可能です。高血圧症の方は高い割合で睡眠時無呼吸症候群を合併しています。適切な治療で睡眠時の呼吸の改善を図ることで、高血圧の改善や心疾患の予防につなげられます。いびきがひどい方や、睡眠中呼吸が止まっていると指摘されたことがある方は、一度検査を試してみることをお勧めします。

2024年2月に新築移転し、新クリニックでの診療を開始されたとお伺いしました。

大内武副院長 北陽クリニック2

はい。より良い治療を提供するために従来の建物からの新築移転を行うことにしました。2024年2月から診療を開始する新しい建物は、地域のランドマークとして住民の皆さんの印象に残ればと考えて、クリニックらしくないポップな外観にしました。北陽の名にちなんだ太陽のロゴマークは、実は私の似顔絵でもあります(笑)。クリニックや私のことを覚えてほしい、親しみを感じてほしいとの思いは、リニューアルの統一のコンセプトですね。また、院内は開放感を重視して、外観同様に白をベースに、ビビッドな青や赤、オレンジなどのカラーをポイントで使用しました。診察スペースには、2つの診察室と予診室、発熱患者用の待合スペース、処置室、エックス線室があります。どの部屋も広々としており、発熱患者用の待合スペースは、専用の出入口から直接入れるようになっています。

他にこだわった点はありますか?

院内の待合スペースには大きな本棚を置き、私や妻が読んで皆さんにお勧めしたいと思った本を並べています。実は当院のSNSでは、本棚の本の感想なども紹介しています。患者さんが来院する楽しみの一つになったり、待ち時間を少しでも快適に過ごしていただけたりしたらうれしいですね。

循環器内科の専門性を生かして質の高い医療を提供

どうして循環器内科医をめざそうと思われたのですか?

大内武副院長 北陽クリニック3

初代院長である母方の祖父は循環器内科の医師でした。その祖父や父の姿を幼い頃から見て育ち、自然に医師の道を志すようになりました。循環器内科医を選んだのは、循環器内科に入局した時に先輩方がとても楽しそうだったからという理由が一つ。もう一つは、循環器に精通すれば内科医としてのアドバンテージになると考えたからです。虚血性心疾患の中でも心筋梗塞は緊急性が高く、すぐに処置をしなければ命に関わる病気です。例えば、心筋梗塞の急患が運び込まれてきた時に、循環器に強くなっておけば一分一秒を争う救急医療の場面でも慌てずに対処ができると考えました。ですから当時は苦手意識のあった循環器内科をあえて選び、専門にしていこうと決めたのです。

入職するまでの経歴を教えてください。

北里大学医学部を卒業後、北里大学病院で初期研修を終えて循環器内科に入局しました。その後、町田市民病院や静岡市立清水病院での出向勤務も経験し、入職以前は島根大学医学部附属病院に勤務していました。勤務医時代は一貫して循環器内科を専門に研鑽を積み、中でも心不全をメインに診療を行ってきました。入職を決めたきっかけは子どもの存在でした。勤務医時代は医局の人事異動で約2年に1度のペースで転勤がありましたので、これを機に地元に定住して子育てをしたいと思ったからです。ただ、いつかはこのクリニックに戻りたいと考えていましたので、今後は地域のかかりつけ医として、患者さんの健康維持や予防に注力していきたいです。

クリニックに入職して新たに心がけるようになったことはありますか?

大内武副院長 北陽クリニック4

長く勤務していた北里大学病院の場合、患者さんの年齢層も当院より10歳ほど若いでしょうか。当院はご高齢の患者さんがとても多く、70歳以上の患者さんが主で、中には90歳代、100歳代の患者さんもいらっしゃいます。ですから高齢の患者さんに対しては、特にゆっくりとした口調で大きな声で会話するよう気をつけています。ご高齢になるほど、循環器だけでなく全身の状態が悪化しているケースが多く、より手厚いケアが必要です。とりわけ高血圧症や糖尿病といった基礎疾患をお持ちの場合は継続して通院していただく必要がありますので、優しくお声がけして再診を促すように心がけています。

健康診断後のフォローや生活習慣病の相談にも注力

どのような人に受診してほしいですか?

大内武副院長 北陽クリニック5

病気の早期発見と重篤な病気の予防という観点から、30~50代の働き盛りの世代にももっと頻繁に受診してほしいという思いがあります。健康診断を受けても、その結果に注意を払わずにそのまま放置してしまっている方も多いのでは。高血圧症や高コレステロール血症、糖尿病などの生活習慣病は自覚症状がないため、自分から積極的に行動しないことには治療が始まりません。放っておくと動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な病気を引き起こしてしまう恐れもあります。とはいえ、経過観察で問題がないのか、すぐに治療が必要なのか、患者さんご自身では判断がつきかねる場合もあるかと思います。当院では、患者さんの身体の状況を一元管理できるように、新たにカルテを電子化したほか、健康診断後のフォローアップにも力を入れて、適切な治療につなげていきたいと考えています。ぜひ気軽に受診してほしいですね。

今後の展望についてお聞かせください。

新たに内科と循環器内科の診療を始めたことを地域の皆さんにもっと広く知ってもらい、内科と循環器内科についてもっとご相談をいただけるようにしていきたいです。今後の展開としては、2024年の夏には隣地に薬局が完成予定です。薬局が完成すれば駐車場も今より広くなり、処方できる薬の幅も広がります。高血圧症の治療薬もそうですが、心不全の治療も年々目まぐるしく変化しています。患者さんに合わせた先進的な治療を提供し、動脈硬化や心筋梗塞といった重大な循環器疾患を、この地域からできる限りなくしていきたいですね。

読者の方にメッセージをお願いします。

大内武副院長 北陽クリニック6

せっかく健康診断を受けたのであれば、その結果をきちんとご自身の健康管理に役立てて、健康診断の恩恵を受けてほしいと思います。患者さんの中には、高血圧症の治療薬に対して「一度飲み始めたら一生飲み続けなければいけない」というイメージを持つ方も多いと思いますが、有酸素運動や食事制限に取り組むといった頑張り次第で薬の量を減らしていくことも可能です。しかし、運動習慣を高齢になってから身につけるのはなかなか難しいもの。ですから若いうちから健康診断をしっかりと受けて、高血圧症の方であれば運動を含めたケアに努めてほしいですね。現在、当院は予約制ではないですし、午前中のピークタイムを外していただければ比較的すいておりますので、気軽に立ち寄って相談していただければと思います。

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