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門脇 泰憲 院長の独自取材記事

門脇内科胃腸科医院

(松江市/松江駅)

最終更新日:2021/10/12

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松江駅から徒歩10分、国道9号線沿いにある1960年開業の「門脇内科胃腸科医院」は大腸内視鏡検査や健康診断に力を入れている内科クリニック。2代目院長の門脇泰憲先生は、東京大学大学院のがんの遺伝子研究からキャリアをスタートし、その後大学病院で大腸がんを専門に診療経験を積み、研究・臨床の両面で大腸がんと対峙してきた。早期発見には大腸内視鏡検査が不可欠だと専門の医療機関で技術を磨き、現在はそのスキルを生かして、短い時間で苦痛の少ない検査に努め、受診率の向上をめざす。「検査がいかに重要かを多くの人に伝え、大腸がんで命をなくす人を一人でも減らしたい」と話す門脇院長に、その考えの背景や同院での大腸内視鏡検査について、たっぷり語ってもらった。

(取材日2021年2月10日/更新日2021年6月5日)

がんの研究を経て、早期発見に導く専門技術を習得

先生が、大腸がん検査、特に大腸内視鏡検査を重視するようになった理由からお聞かせください。

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大学でがん遺伝子の研究をしていたのがきっかけですね。先代の父の影響で自分も医師になろうと入った医学部ですが、入学して初めて臨床のほかに研究を専門とする分野があることを知ったんです。一時期は物理学者に憧れていた私にとってぴったりの分野だと思い、医学部を卒業する頃には「ぜひ、DNAの研究がしたい」と思うように。そして、中でも特に興味を持ったがんの遺伝子の基礎研究をするために大学院に進みました。その一方で、基礎研究をする中で、改めてがんの早期発見やそのための検査の大切さを実感しました。早期発見ができれば、がんは決して不治の病ではありません。中でも大腸がんはその傾向が顕著で、かつ国内で罹患者の多いことから特に注目するようになりました。そこで、がんを早期発見し、多くの人を治癒へ導くために、大腸内視鏡検査を専門にしようと決めたんです。

大腸内視鏡検査の技術を身につけるために神奈川にある専門の医療機関で研鑽を積まれたそうですね。

ええ。大腸はやわらかく複雑な形状のため、大腸内視鏡をスムーズに入れるには熟練した技術が必要となります。大腸内視鏡検査を専門にすると決めた私は、当時在籍していた東京慈恵会医科大学附属第三病院から、内視鏡検査で多くの症例数を手がける横浜市の松島クリニックへ、1年間出向させていただき、研鑽を積みました。その後、遺伝子と消化器内科の両方の研究に力を入れる教授がいらっしゃった島根大学医学部へと移って10年近く勤務し、2009年に当院に入りました。

クリニックの特徴を教えてください。

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大腸内視鏡、胃内視鏡検査によるがんの早期発見に力を入れています。そのため、一般的な内科系の症状で受診される患者さんよりも、健康診断や内視鏡検査のために受診される患者さんが多いですね。がんに限らず病気の早期発見や予防に取り組むことが、町の開業医としての重要な役割だと考えていますので、生活習慣病の予防健診にも力を入れています。

がんに対する「迷信」を払拭。正しい知識を広めたい

なぜ大腸内視鏡検査を受けたほうがいいのでしょうか?

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大腸がんは、10人に1人の割合でかかる可能性があるといわれている、とても身近な病気。そして、大腸がんは初期の段階では自覚症状がないことが少なくありません。何も症状がなくても、大腸がんが体の中に潜んでいることは十分あり得ます。例えば、肛門の近くにできた大腸がんは、目に見える出血や、便秘などの症状が出ることが多いのですが、逆に、盲腸近くの奥のほうにできた大腸がんはかなり進行していてもまったく症状が出ないのがむしろ普通です。だから、大腸内視鏡検査による大腸がんの早期発見が非常に重要になります。

早期発見がその後の治療や経過に大きく影響するのですね。

はい。がんや大きな病気の早期発見のために、健康診断や定期検診の重要性をもっと皆さんに認知していただきたいと思い、日々の診療にあたっています。「がんになったら何か自覚症状があるはず」と思っている方が多いかもしれませんが、これは「迷信」です。がんは治療不可能となるくらい進行が進んでいても、まったく自覚症状が出ないというケースのほうがむしろ普通です。また、「がんは怖い病気だが、珍しい病気なのでそう簡単にはかからないはず」と、ご自分には関係がない病気と捉えている方もいらっしゃることでしょう。日本人の2人に1人が生涯で何らかのがんにかかるとの統計データが出ています。「がんは早期であれば治療できる」「決して誰しもが他人事ではない」と気づきを与え、大きな病気になる前に発見していくことが、地域のクリニックの大切な役割の一つではないでしょうか。

忙しい日々の中でどんなふうにリフレッシュされていますか?

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最近、学生時代にやっていたエレキギターを再開したことでしょうか。大学では仲間とバンドを組んで、海外のヘビーメタルバンドのコピーをやっていたんですよ。私がヘビメタをやっていたなんて、今では誰も信じてくれませんが(笑)。チャンスがあればまたバンドで弾いてみたいですね。そのときに備えて今はひそかに練習に励んでいます。

命を守る検査だからこそ、不安なく受けられる環境を

大腸内視鏡検査を行う際に重視していることは何ですか?

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患者さんの負担をできる限り軽減することです。命を守るとても大切な検査ですが、一度つらい経験をしてしまうと、「もう受けたくない」と思ってしまいますよね。「大腸内視鏡検査は楽だった」と言っていただけるような検査を行うことが、当院だけではなく、日本全体の大腸内視鏡検査の受診率の向上につながると考えています。先ほどもお話ししたように、大腸はやわらかく複雑な形状で、その性質も一人ひとり異なりますから、内視鏡をスムーズに挿入するには、医師の技術力と経験値が試されます。私はこれまで専門の医療機関で多くの症例を手がけ、大学病院では経験の浅い先生への挿入法の指導もしてきました。不慣れな先生だと1時間くらいかかることもあるのですが、臨床経験で得た技術を生かし、できるだけ5分以内で挿入できるよう努めるなど、患者さんの苦痛に配慮した検査を心がけています。

検査時の負担軽減では、そのほかにどんな工夫をされていますか?

検査時にポリープが見つかった場合、大腸がんの芽になる可能性もあるので切除をお勧めしているのですが、その際に時間や下剤服用で負担にならないように、後日ではなく、その場で切除できるようにしています。あと、過去に大腸内視鏡検査を受けて痛い思いをしたという患者さんには、麻酔下での検査にも対応しますね。ほか、検査の精度はもちろん、内視鏡を入れるときの負担を軽減できるよう外径の細い機器などを吟味してそろえ、新しい技術も導入しながら検査を行っています。「検査がつらかったとは言わせないぞ」くらいの気持ちでおりますので、検査について何か不安があるときは、遠慮なくご相談いただけるとうれしいです。

今年5月には大腸内視鏡検査専用フロアを作られたそうですね。

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がんや大きな病気が早期発見される社会の実現には、啓発だけではなく、検査のハードルを下げる環境づくりも大切だと思ったためです。まず、エレベーターを増設し、2階を専用フロアへ。プライバシーへの配慮のために、ロッカーやストレッチャー機能つきベッド完備の個室を設け、そこで更衣をしたり、検査を待っていただけるように。また、内視鏡検査スペースとワンフロアでつなぎ、麻酔希望の方が処置後にベッドで寝たままでも安全に検査スペースへと行き来できるようにしました。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

多くの人は「悪い病気にかかると必ず悪い症状が出る」「そう簡単にはかからないはず」と思っていますが、それは「迷信」です。がんは誰もがかかり得る病気で、自覚症状が出るのを待っていたら手遅れになってしまいます。そういう迷信と闘い、がんに対する正しい知識を広めていくことこそ、私たち開業医の大事な役割。健康で長生きしたいと望むなら「症状がないから健康」「今はなんともないから大丈夫」ではなく、年に1度はがんの検査や健康診断を受けましょう。反対に、「最近慢性的に便秘になった」「よく下痢をするようになった」「下痢便秘を繰り返す」「お尻から血が出る」などの症状があれば、それは体からのサインかもしれません。安心を手に入れるためにも、一度検査を受けてみることをお勧めします。大腸内視鏡検査が初めての方も、過去に検査を受けてつらい経験をした方も、不安なことや心配なことはお気軽にご相談ください。

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