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阿部 博章 院長の独自取材記事

阿部クリニック

(米子市/岸本駅)

最終更新日:2026/02/09

阿部博章院長 阿部クリニック main

米子市福市(ふくいち)、中心部の南の郊外に「阿部クリニック」はある。阿部博章(あべ・ひろき)院長は、1996年の開業から約30年、小児科医の阿部紀子副院長とともに、この地で診療を続けてきた。阿部院長の専門は耳鼻咽喉科で、医局では耳の手術とめまいについて学び、さまざまな種類の症例を経験してきた。耳の手術は同院開業後も継続。山陰労災病院と連携し、慢性中耳炎や中耳真珠腫、全中耳再建の手術にも対応してきた。めまいでは耳だけではなく、脳に原因があるケースを含め、幅広い領域を学んできた経験を生かして診療にあたる。「丁寧に問診を行い症状を診てから、疑いのある疾患をある程度絞った上で検査することが大事」と話す阿部院長に、同院の診療内容や、耳鼻咽喉科の代表的な疾患のことなど、詳しく話を聞いた。

(取材日2023年5月1日)

父と同じ耳鼻咽喉科の道を進み、地域に貢献

医師をめざした理由を教えてください。

阿部博章院長 阿部クリニック1

父は耳鼻咽喉科の医院を開業していました。自宅も医院と同じ場所にあったので、父の働く姿を目にして育ちました。当時住んでいたのが朝日町というところで、生活に根差した商店が立ち並ぶ小さいコミュニティーでした。人と人との交わりが密で、地域の人々の温かい目に見守られて育ちました。そんな期待に応えたいという気持ちもありましたが、何よりも父の姿を見て医者になろうと思いました。

大学卒業から開業までの道のりを教えてください。

卒業後は、母校の日本大学医学部板橋病院の耳鼻咽喉科学教室に入局しました。板橋病院といくつかの関連病院で勤務した後、米子へ戻ってまいりました。最後に勤務した東京都保健医療公社東部地域病院では耳鼻咽喉科の医長と、母校の兼任講師を務めさせていただきました。小児科医の妻は東京出身で、彼女の祖父が設立した病院に勤務していたこともあり、向こうに残る選択肢もありました。ただ、父は息子が米子に帰ってくることを希望していましたし、子どもを育てるにも、長く住むにも米子のほうが好ましいという思いもあったので、こちらに戻り、妻とともに耳鼻咽喉科と小児科を標榜するクリニックを開業しました。

患者さんは、どういった方々から来られていますか?

阿部博章院長 阿部クリニック2

米子市をはじめ、広い範囲から来院されています。岡山県の北部には耳鼻咽喉科の医院が少ないようで、県を越えてこちらまで来られる方もいますね。父が開業していた角盤町の医院には弓ヶ浜半島から通院されていた患者さんも多くいらっしゃって、父が2003年に閉院してからは、その方たちは当院へ通って来られています。年齢層では、お子さんとお年寄りの方が多いです。こちらには小児科もありますので、お子さんの症状で小児科か耳鼻咽喉科か迷われた際も、気軽に相談していただけたらうれしいです。

めまいと耳の手術が専門

先生のご専門は何ですか?

阿部博章院長 阿部クリニック3

大学では幅広く耳鼻咽喉科領域の診療や治療に携わってきましたが、特にめまいの治療・研究と、耳の手術を専門に取り組んできました。当時の指導医はめまいと耳の手術の両方を専門としている方で、直接手ほどきを受けることができました。めまいに関しては、その指導医の師匠にあたる方が埼玉医科大学の教授をされていたので、そちらにも勉強にも行っていました。そこで「神経耳科学」という分野の存在を知り、脳に原因があるめまいについて学ぶことができ、いろいろな珍しい症例を経験させてもらいました。その時に学んだ知識が、今とても役に立っています。

めまいの原因は幅広いんですね。

めまいは大きく分けて、末梢性という耳が原因の場合と、中枢性という脳が原因の場合があります。グルグル回るようなめまいの場合多くは末梢性で耳が原因ですが、中には中枢性のものもありますので判別が必要です。まず患者さんから症状をしっかり聞き、疑われる病気が何かを考えます。嗅覚と視覚、目の動き、顔の触覚や喉の動き、嚥下など、脳神経所見も確認します。耳鼻咽喉科の医師はもともと鼻や喉を診るのが専門で、視覚を除いて他の脳神経所見を診ることができるのは耳鼻咽喉科だけです。それから眼振という眼球の動きを診ます。さらに診断を証明するために必要な検査があれば画像検査などを施行します。中枢性が考えられる場合には神経内科医に紹介することもあります。やみくもに検査をするのではなく、必要とされる検査をピンポイントで、あるいはこういう症状があればどこに異常があるかを考えた上で検査を行い、診断することが大切だと考えています。

開業後も、耳の手術を行われてきたそうですね。

阿部博章院長 阿部クリニック4

はい。鼓室形成術の場合は設備の都合もあり、連携する山陰労災病院で対応していました。慢性中耳炎や中耳真珠腫、小児中耳真珠腫、全中耳再建術を行いました。現在はチューブ留置以外の耳の手術は行っておりませんが、術後の耳の管理に関しては長けております。扁桃腺の裏側に膿がたまる病気「扁桃周囲膿瘍」の切開は外来で行っています。耳は基本的に顕微鏡でしか見ません。耳の処置や小手術はビデオカメラを利用しリアルタイムで患者さんに画像を供覧しながら行っています。当院では耳や鼻の手術後のフォローにも対応しております。

患者さんに対して、日頃から注意してほしいことなどはありますか?

皆さん、お忙しい中かと思いますが、気になる症状があれば相談に来ていただき、症状が軽いうちに早めの対処をしていただきたいです。例えば、花粉によるアレルギーの症状などは、治療によってしっかり抑え込むことをめざしています。アレルギー性炎症は「火事」みたいなもの。シーズンが来て花粉を吸うと火事が起きます。「大火事になってから水を掛けるのではなく、火がつく前から水を掛けておく」ように、花粉シーズン前からの早期治療をお勧めします。また、耳の聞こえに関してはさまざまな原因で問題が起こります。原因によって時間がたつと治療困難になるものも。2〜3日中には受診することが大切です。少し前から予約システムを開始しております。医院のホームページから予約を取ることができますのでご利用ください。耳鼻咽喉科は待ち時間が長いイメージがあるかもしれませんが、平日午後の早い時間帯は比較的余裕があります。

耳鼻咽喉科ができる社会貢献を考える

近頃気になっている症状などありますか?

阿部博章院長 阿部クリニック5

難聴についてです。耳はいろいろな原因で難聴になります。老人性難聴のケースが多いですが、耳垢や、鼓膜の奥に水がたまって起こるものも。これらの難聴は治療することができます。難聴を放置するとMCIや認知症になりやすいというデータも出ています。年を取ったから聞こえないのは仕方がないと考えることは大きな間違いです。自分の耳がどういう状態か、どういう方法で聴覚を少しでも取り戻すことができるのかを耳鼻咽喉科の医師に相談することをお勧めします。

補聴器の使い方も大切になってきますね。

補聴器をきちんと使えていない人は結構多いですね。耳はいろいろな原因で難聴になるので、難聴だからといってやみくもに補聴器をつけるのではなく、きちんと診断をつけた上で、信頼のおける補聴器店さんと相談しながら細かく調整していくことが大切。補聴器が慣れなくてお困りの場合は、補聴器の調整が正しくできているか、装用がうまくできているかが問題になります。自分の都合で着脱しているとなかなか脳は補聴器を理解できないので、起きている間は常時着用し補聴器を装着した状態が自分の耳であると脳に理解させる必要があります。人間は寿命が延びていますが、耳の寿命はむしろ縮んでいます。原因は昔よりもはるかにうるさい世界に住んでいるから。これから補聴器が必要な人が増えてくるのではと考えているので、こうした情報の発信には力を入れていきたいと考えています。

阿部先生の今後のご展望をお伺いしたいです。

阿部博章院長 阿部クリニック6

医院診療で地域の健康を支えていく一方で、日本臨床耳鼻咽喉科医会の中国ブロック選出理事を務めているので、活動を通して耳鼻咽喉科医がいかに社会に貢献できるかについても日々考えています。「難聴の予防」と「嚥下障害」については、医会としても啓発にも取り組んでいきたいです。

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