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米川 正夫 院長の独自取材記事

消化器クリニック米川医院

(米子市/三本松口駅)

最終更新日:2025/05/23

米川正夫院長 消化器クリニック米川医院 main

鳥取県米子市・県道317号両三柳西福原線(外浜産業道路)に面した一角で診療を行っている「消化器クリニック米川医院」。院長である米川正夫先生の父が1970年に開業した、歴史のあるクリニックだ。米川院長は消化器疾患と肛門疾患の診療に力を入れ、日本大腸肛門病学会大腸肛門病専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医の資格を持っている。診療は原則として予約制で、内視鏡検査は土曜日でも受けることができる。上部内視鏡検査の嘔吐反射が強い場合は静脈麻酔の併用か経鼻内視鏡による検査も可能。患者の話をよく聞き、できるだけ苦痛の少ない治療をめざしているという米川院長に、いろいろと話を聞いた。

(取材日2025年4月8日)

消化器の入り口から出口まで全部の診療をしたい

先生が医師を志したきっかけを教えてください。

米川正夫院長 消化器クリニック米川医院1

祖父が産婦人科医で、戦前から広島市で開業していたそうですが、出雲市の先生が急に亡くなってしまい、しばらくその先生の代わりを務めていたことから、その後自分も出雲市で開業したそうです。それがなければ、祖父は広島の原爆で亡くなっていたでしょうね。父は消化器外科としていろいろな場所での診療を経て、1970年にこの場所で開業しました。祖父も父も医師だったため、周囲は私も医学部に進むと思っていたようですが、自分は当初あまり乗り気ではありませんでした。弘前大学医学部を受験した時も、実は早稲田大学の理工学部に入学が決まっていて、コンピューターを勉強しようと考えていました。ところが予備校の仲間との記念に弘前大学を受験したところ、自分だけ受かってしまい、これは「やはり自分が後を継げということか」と、どこか導かれるように弘前大学へ進学しました。

消化器と肛門科を専門にされたのはどのような経緯からですか?

大学では消化器外科を専門に学びました。私が卒業した頃はまだ現在のような研修医制度はありませんでしたが、当時の東北地方では、東北大学が先駆けとなって「外部の病院で他科を学んでから専門に入る」というやり方をしていました。そのため東北地方には、そういった環境が整った病院が多かったんです。そこで最初の1年は内科、2年目は消化器外科と心臓外科を学んでから、こちらに帰ってきました。学んだ診療科の中でも強く惹かれたのが、消化器内科・消化器外科でした。消化器というのは口から始まって食道、胃、小腸、大腸、肛門と幅広い診療ができることに加えて、消化器内視鏡検査も自分に向いていると思いました。というのも、卒業して最初に行った病院が、弘前市内でも内視鏡検査を積極的に行っている病院だったんです。そこで1年目から多くの検査をしていましたから、経験としては内視鏡検査歴が一番長いかもしれません。

クリニックとしての特徴や、先生がこだわりを持っている診療などはありますか?

米川正夫院長 消化器クリニック米川医院2

消化器の入り口から出口まで、全部対応していることが当院の特徴です。中でも肛門外科は、他の診療科よりも専門性が高いと思っています。肛門外科を専門的に勉強したのは当院を継承してからで、京都の増田芳夫先生から学びました。いろいろな新しい手術のやり方を考案された方で、内痔核を糸で縛って落とす分離結紮術も、増田先生に教わりました。現在はほぼ引退されていますが、月に1回は当院に来ていただき、一緒に手術を行っています。肛門の手術は難しいことが多いのですが、増田先生に教わったことがすごく役に立っています。でも近年では、お通じのコントロールをすることで手術が必要な患者さんはすごく少なくなりました。地域医療を担う身としてはうれしい変化ですね。

胃の内視鏡検査は患者に適した方法の選択を

内視鏡検査も多くされているとお聞きしました。

米川正夫院長 消化器クリニック米川医院3

そうですね。上部内視鏡検査や大腸内視鏡検査を多く行っています。上部内視鏡検査の際に嘔吐反射が強い人には、静脈麻酔を行っています。うとうととしている間に検査を行うことができます。他に経鼻内視鏡という方法もあります。経口内視鏡は、管が舌の奥に触れるために「オエッ」となるんですが、鼻から管を通す方法では、舌の奥に触れないので嘔吐反射が起きづらいのです。最近は経鼻内視鏡の画像もかなり良くなっていて、経口内視鏡と変わらないくらいの画質で撮れますので、静脈麻酔に抵抗のある方は、そちらの方法を選ぶこともできます。また大腸内視鏡検査についても、希望される方には鎮静剤を使用して検査を受けて頂くことが可能です。検査をして内視鏡的な治療が必要な場合は、消化器系の専門病院を紹介するようにしています。

漢方薬の処方にも積極的だそうですが、どのような利点があるのでしょうか。

漢方薬にはいろいろな複数の生薬が含まれているので、幅広い症状に有用なのです。例えば当院では内痔核には、乙字湯という漢方薬を使っています。その人に合えば西洋薬を使うよりも有用なこともあるので、特に消化器・肛門科の分野では、漢方を積極的に使用しています。

患者さんの層や主訴の特徴などはありますか?

米川正夫院長 消化器クリニック米川医院4

一般的なクリニックと比べたら、年齢層は若い人のほうが多い気がします。働き盛りの方が多いと言えるかもしれません。昔は胃潰瘍・十二指腸潰瘍で長期の治療や手術が必要な患者さんもいらっしゃいましたが、ピロリ菌の除菌をするようになってからは、そういった疾患で長く通う必要のある患者さんは少なくなったと感じています。一方で肛門科の患者さんは、お通じのコントロールを長期的にするために、長く通われている方が多いですね。

患者の話をよく聞き、苦痛の少ない治療をめざす

スタッフ体制と患者さんの数を教えてください。

米川正夫院長 消化器クリニック米川医院5

私の他には看護師が常勤2人、非常勤2人、受付が2人の合計7人です。当院は原則として予約制なので、長時間待たなければいけないということはありません。予約なしで来られる方もいらっしゃいますが、そういった方は予約の間に挟むようにしています。基本的に予約優先ですが、痛みがひどいという患者さんなどは、先に診察するなどの臨機応変な対応を心がけています。

診療方針やモットー、今後の展望について教えてください。

患者さんの話をよく聞いて、できるだけ苦痛の少ない治療をめざしています。あとは何でも当院で解決しようとせず、より専門的な治療が必要だと判断した患者さんは、迅速に信頼できる専門の先生や医療機関を紹介するようにしています。今後の展望についてですが、私ももう70歳になりますから、これから何か新しいことを始めようというのではなく、これまでの診療をなるべく長く続けたいなと思っています。

診療に関して読者の方にお伝えしたいこと、知っておいてほしいことなどはありますか?

米川正夫院長 消化器クリニック米川医院6

繰り返しになりますが、昔は痔といえば手術することが少なくありませんでしたが、現在はお通じのコントロールをすることが主流となり、手術はかなり減りました。できるだけ手術しない選択をすることも、当院がポリシーとしていることの一つです。肛門の疾患というと、恥ずかしくて受診をためらう方もいらっしゃいますが、診察しなければ治療もできませんから、ためらわずに受診していただきたいと思います。少ないケースではありますが、肛門からの出血を痔だと思っていたら、実は直腸がんだったということもあります。直腸がんは肛門から指を入れて直腸を触診する直腸診で見つかることが多いので、気になる方は検査を受けてみることをお勧めします。

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