橋本 篤徳 院長の独自取材記事
医療法人橋本外科医院
(鳥取市/鳥取駅)
最終更新日:2026/05/11
鳥取市の中心部から10分ほど車を走らせた場所にたたずむ、れんがタイルの赤色が目を引くモザイク模様の建物。50年以上変わらない「橋本外科医院」のある光景は、近隣住民になじみ深いものになっている。2代目院長を務めているのは、地域のかかりつけ医としてプライマリケアを提供すべく、救命救急の現場で研鑽を積んだ橋本篤徳(はしもと・あつのり)先生。院名の外科だけではなく、一般内科診療からリハビリテーション、デイケア・デイサービスに至るまで、「街の外科クリニック」の守備範囲を超えて患者を支えている。「取りこぼしのない診療」をモットーに、地域に必要な医療や福祉を追求する橋本院長。温かみのある語り口で丁寧に言葉を紡ぎながら、「体調が気になったときに、最初に相談できるクリニック」への思いを話してくれた。
(取材日2026年3月25日)
強みは救命医療で培った幅広い疾患への対応力と診断力
約半世紀にわたり、この地で診療されていると伺いました。

父が当院を開院したのが1978年なので、50年近くが過ぎました。僕が子どもの頃は辺り一面に田んぼが広がっていて、その中に当院がポツンと建ち、周りには牛がいるような風景だったんですよ。隣が自宅で、父が患者さんのために診療にあたっている姿が常に目に入る環境で育ったので、おのずと医師を志すようになりました。当時の患者さんから、「ずっとここで診てもらいたいから頼んだよ」と言われたことを覚えています。父と同じく外科に進もうと思っていましたが、外科を突き詰めていって、将来当院の患者さんの主訴に応えることができるだろうかと疑問に感じ、救急医療の道を選びました。
こちらのクリニックにふさわしい医師になることを前提に、キャリアをスタートされたのですね。
はい。救急の患者さんは疾患の種類や重症度の幅が広く、その患者の緊急性の度合いを即座に判断し、正確に引き継ぎできなければ命に関わることもあります。地域医療では、緊急性の迅速な判別や、専門分野を超えた総合的な対応が必要なので、生かせる部分が多いと思ったのです。この時の経験は今の診療に大いに役立っていると実感しています。さらに、父が漢方内科の診療もしていたので、並行して漢方や東洋医学も学びました。大学におられた専門の先生に定期的に指導を仰ぎながら勉強して、日本東洋医学会漢方専門医を取得しました。
こちらのクリニックではどのような診療を提供しておられるのですか。

これまで学んだ知識や技術を生かし、専門の枠を越えた幅広い分野に対応しており、当院の強みになっています。外科としては、ケガ・できもの・うおのめ・巻き爪といった小外科疾患や日常的・応急的な外科的処置のほか、肩凝りや腰痛などの手術を伴わない整形外科疾患が中心です。大きな手術や、より精密な検査が必要な場合は、病院や専門の医療機関に紹介します。風邪やインフルエンザなどの急性疾患、生活習慣病などの慢性疾患といった内科診療や、漢方を用いた治療も対応可能です。外科に限らず何でも相談してほしいですね。患者さんの年齢層はかなり広く、若い方から中高年の方まで相談に来られます。多い層としては、デイケアとデイサービスを利用される世代の方が比較的多いのに加えて、最近では女性の患者さんを中心に漢方の処方を希望される方も増えていますね。
検査からリハビリ、介護まで手厚いトータルケアを提供
クリニックの診療方針について教えてください。

先代が理想に掲げていた「千手観音のような取りこぼしのない診療」を受け継いでいます。患者さんの言葉を傾聴し、見落としがないように丁寧に診察して治療方針を立てる、または、他院と連携するように心がけています。患者さんに納得してもらえるよう、わかりやすくご説明するのも基本ですね。地域のかかりつけ医として、ファーストタッチをするのが当院の大きな役割。皆さんがどの診療科に行けば良いのか判断できないとき、「取りあえずここに相談してみよう」と足を運んでくれる場所でありたい、その思いは継承時からまったく変わっていません。
院内を拝見し、豊富な機器類が印象に残りました。
患者さんがあちこちの医療機関を回らなくても済むように、できる限り院内で診療を進めることができる体制の整備にこだわっています。医療機器については、CT検査装置や超音波診断装置、血管の詰まりを調べる血圧脈波検査装置などを導入しています。先進の採血検査機器を使用しており短時間で結果が出るので、その日に薬の調整までできるのが便利ですね。初診の精度を高めることにもつながるので、医療機器やスキルは常にアップデートが必要だと考えています。
入院設備やリハビリルームも備えておられるのですね。

先ほどふれた通所サービスの他、入院やリハビリにも対応しています。近年は、総合病院での手術後に施設の入所を待機している方や、急性期は過ぎたものの自宅療養は困難な患者さんが入院されることが多いです。この辺りは入院施設を備えた医療機関が少ないので、地域の皆さんのお役に立てていければと考えています。リハビリについても、当院で治療された患者さんだけではなく、他の施設でリハビリ期間を終えたものの、もう少し続けたいと希望する声も多くいただいています。リハビリを通して身体の機能維持をめざすことで、地域の皆さんの健康寿命の延伸につなげる……といった良い循環をつくっていけたらうれしいですね
診療そのものだけではなく、「受診のしやすさ」も意識されているそうですね。
特にケガなどの外科疾患の治療では、「次回の治療までに2日間空いてしまうのがつらい」という方がいると思います。そのため当院では、土曜日も16時まで診療し、大型連休のときなどは祝日の中日に数時間開けるなどして診療時間を確保しています。緊急時の電話は看護師につながるようにしているので、何かあったら迷わず電話してもらいたいですね。ただ、予約制を取っていないので、その点では心苦しさを感じています。当院では、さまざまな領域に対応している分、患者さん一人にかかる時間の予測が難しいのです。当院では来院順に診察しているので、お待たせすることもあるかと思いますが、その分、お一人お一人にしっかり対応することを心がけています。
認知症への関心を啓発し、地域の健康寿命に貢献
多岐にわたった対応をしている分、スタッフの皆さんが果たす役割も大きいのではないでしょうか。

そのとおりです。看護師や受付スタッフだけではなく、理学療法士や作業療法士、管理栄養士、ケアマネジャーと、専門に特化した仲間がそろっています。スキルについては信頼していますし、患者さんに優しく接してもらっていて接遇の面でも安心して任せています。地元出身のスタッフが多く、患者さんと「そろそろ田植えのシーズンだからお忙しくなりますね」なんて世間話を交えてコミュニケーションしているのをよく見かけますよ。
かかりつけ医として、地域の皆さんにどんなことを伝えていきたいですか。
デイケアを提供していることもあり、初期の認知症や認知症予防についての意識を高めていければと考えているところです。「思いあたる症状があったけれど、元気だからとそのままにしていて、いつの間にか進行してしまっていた」といった事態を防ぐために、きちんと定期的に健康診断を受け、症状をかかりつけの先生に相談してもらいたいです。また、運動習慣をつけることも認知症予防につながると考えています。ハードな運動ではなく、毎日8000歩を目安に散歩をする程度で構いません。そして、家族や友人といろいろなことを楽しんで、多くの人とふれあうことで、日々の喜びや生きがいを得たり、生活にメリハリをつけたりしていただけたらと思っています。普段から地域コミュニティーとも積極的につながり、困ったときは地域の包括支援センターのサポートもぜひ活用してほしいです。
最後に、今後の展望を教えてください。

デイサービスなどで入浴中に「本人も気づいていなかった巻き爪が見つかる」ということもあるので、最近はフットケアの領域に関心を持っています。処置には専門的な知識・技術が必要なので、私が学ぶことで、そうしたお悩みにお応えできるのではと考えています。他に、クリニック全体としては、現状を維持しながら引き続き地域に貢献していきたいです。体調面でどこに相談すれば良いかわからず困っている方はもちろん、「こんなことで診療してもらっても良いだろうか」と悩んでいる方は、ぜひ一度当院に足を運んでみてくださいね。
自由診療費用の目安
自由診療とは巻き爪の治療/4500円~
※巻き爪の治療は、保険診療と自由診療のものがあるので、詳しくはお問合せください。

