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明渡 寛 院長の独自取材記事

あけどクリニック

(宝塚市/小林駅)

最終更新日:2024/02/29

明渡寛院長 あけどクリニック main

阪急今津線・小林駅から徒歩10分。内科・外科・消化器内科・循環器内科・肛門外科を標榜する「あけどクリニック」。1973年に「田中クリニック」として開業した同クリニックを、2012年に明渡寛(あけど・ひろし)先生が継承、院長に就任。移転を機に名称を変更した。クリニック内の待合室は、シックで落ち着いた雰囲気がある。気さくで親しみやすい語り口の明渡院長は、学生時代から合唱に取り組んできた影響か声に張りがあり、63歳には見えない若々しい印象だ。患者に寄り添った診療を心がけているという明渡院長に、院長に就任するまでの経緯や、できるだけ患者の負担を少なくすることを重視しているという診療内容などについて詳しく話を聞いた。

(取材日2019年12月11日(情報更新日2024年1月18日))

心臓外科から出発し、幅広い地域医療の道へ

大学を出られてからのご経歴をお聞かせください。

明渡寛院長 あけどクリニック1

1985年に大阪大学を卒業し、研修医として心臓外科や一般外科などを幅広くできる大阪大学医学部の第一外科を選びました。もともと学生実習の時に外科の手術を見学し、「手術が終わったらその後の過ごし方は自由」だと思っていたのですが、実際やってみると全然違いましたね。私が研修医の頃はICU(集中治療室)の数も少なく、術後にICUに入れない患者さんは研修医がずっと張りついて様子を見ていなければいけませんでした。だから週に何日も家に帰れないということが多かったです。その頃はそれが当たり前だと思っていたので不満もありませんでしたが、働き方改革といわれている今では考えられないような状態でしたね。ただ、いろいろな経験を積むのにはいい環境だったので、当時学んだことは今の診療にも生きていると思います。

その後、どのような経緯でこのクリニックの院長に就任されたのでしょう。

もともと妻の父がこのクリニックをやっていたので、それを継承したかたちになります。私自身は心臓外科をしばらくやっていて、総合病院の外科部長なども経験しました。ただ、だんだん年齢的にも体力的にも緊急手術がきつくなってきたので、40歳を過ぎた頃から義父のクリニックを継ぐことも視野に入れて一般外科を中心に診療していました。一般外科に力を入れたのは、消化器や呼吸器など、さまざまな疾患をオールラウンドに診られるようになりたいという思いがあったからです。クリニックを継ぐ時は、週に1回義父が診察をし、徐々に私だけが診察にあたっていくというようなかたちで患者さんを引き継いでいきました。初めはそうやって、前から通ってくださっている患者さんを丁寧に診させていただくというところから始めました。

来院される方の年齢層、また主訴はどのようなものですか?

明渡寛院長 あけどクリニック2

この地域は高齢の方が多く、通院してくださっている患者さんの半数ほどを後期高齢者の方が占めています。関西学院大学が近くにあるので、この辺りで下宿している学生さんなども来院してくれるのですが、若い方は毎月通う必要がないことも多いので、いつも通ってくださる患者さんとなるとやはり高齢の方が多いですね。近隣の方がメインですが、駐車場も多いので宝塚の少し遠い方面から車で来院される方もいます。主訴は、高血圧や何となく体がだるい、おなかが痛いなどの症状でいらっしゃる方が多いです。

患者の負担軽減を第一に考える

患者に負担が少ない検査や治療に力を入れているそうですね。

明渡寛院長 あけどクリニック3

症状によってできるだけ早く超音波検査や内視鏡検査を行い、手術が必要であれば速やかに病院を紹介するようにしています。超音波検査は、おなかが痛い、胸が苦しいなどの症状の場合に行うだけでなく、予防の意味で首の動脈を検査して動脈硬化の具合を診ています。内視鏡検査は、消化器を専門とする妻が担当していて、今は週に1日だけ実施しています。当院で行うのは、鼻から胃カメラを通すという経鼻胃内視鏡検査です。鼻に局所麻酔をしますし、口から入れるよりも「オエッ」となることが少ないので、患者さんの負担は減らせているかと思います。検査だけ受けに来るというよりは、普段通っている方が検査を受けることが多いですね。また、イボ痔の治療では注射療法に対応しており、入院の必要はありません。日帰りで治療できるという点で、患者さんにとって治療のハードルは低くなると思います。

診察だけでなく、薬の処方においても工夫されていますね。

当院では院内処方を実施しています。今はクリニックで処方箋を出して、薬局で薬を受け取ってもらうという院外処方の方法をとっているクリニックが多いと思います。しかし、そうすると患者さんは体調がすぐれないのにクリニックで診察まで待って、診察が終わったら薬局へ行ってまた待って、ということになるので負担になりますよね。その患者さんの手間を減らせればと思い、院内で薬を出すようにしています。院内処方を行い続けることは大変な面もあるのですが、患者さんに聞くと院内処方がいいという方が結構いらっしゃるので、なかなか院外処方には踏み切れないですね。また、高齢になると薬がいくつもあって、飲んだかどうかわからなくなってしまう人もいるので、朝・昼・晩に飲む薬をまとめる一包化調剤も行っています。

そのほか、何か注力されていることはありますか?

明渡寛院長 あけどクリニック4

在宅医療にも取り組んでいます。ただ、在宅医療といっても、初めての患者さんをいきなり在宅で診察するというのはちょっと違うなと思っています。それまでクリニックに通ってくれていた患者さんがいよいよ来れなくなってしまったというときに、それまでの信頼関係があった上で、じゃあ診に行きましょうかというかたちで在宅医療に入るのが理想だと私は考えています。昔は患者さんが亡くなるのは医療にとって負けのようなイメージがありましたが、あるがんの患者さんと出会って、亡くなる時にご本人も家族の方も満足されているような様子を見て、こういう医療もあるのだという思いを抱いたことが、今の私の在宅医療への取り組みにつながっているように思います。

なんでも相談しやすいかかりつけ医をめざす

診療で心がけていることは何ですか?

明渡寛院長 あけどクリニック5

基本的に患者さんの気持ちになって考えることですね。診察では、この患者さんはどこがどのように痛いのかな、苦しいのかなとか、どういうことをしてほしいのかなということは常に考えるようにしています。クリニックに来てくれる患者さんは断らないようにしているのですが、午前中に来てくれる患者さんが20人くらいだと一人ひとりとゆっくり話せるので理想ですね。なかなかそうはいきませんが、出来る限りで患者さんの話に耳を傾けています。また、自分ができることとできないことを見分けるのがかかりつけ医の大切な役割だと考えています。私の専門外の場合は、患者さんを適切な医療機関へ紹介することも重視しています。

休日はどのように過ごされていますか?

医師会の仕事や勉強会で、なかなか休日が休日にならないことが多いです。ただ、学生時代から男声合唱をしていて、歌うことはストレス発散になっています。小さい頃は、ピアノを習っていた姉の影響で私も習っていたのですが、男の子がピアノをやっているということで周りからからかわれることもあって辞めてしまい、大学から合唱を始めました。合唱ではセカンドというパートを担当しています。ある時、大学時代の合唱団の先輩からOB合唱団のセカンドが弱いから来てくれと言われて、ここ4、5年は土曜の晩にOB合唱団の練習に行って、年に2回ほどコンサートにも参加しています。大学生の時、せっかく総合大学にいるから全学部の学生が入れるところがいいと思って男声合唱団に入ったのですが、卒業した今もいろいろな業種の人との交流の機会になっています。

それでは最後に読者へのメッセージをお願いします。

明渡寛院長 あけどクリニック6

移転も行いましたので更に地域に密着した診療を続けていけたらと思っております。当院が掲げる「人と社会の未来を見つめる、あなたのそばのかかりつけ医」というキャッチコピーのように、地域の方々にとって身近な存在でありたいですね。私は小さい頃からよく風邪をひいていて、通っていたクリニックの先生とはお友達みたいな感覚でした。そういった、いつでも相談しに行けるような場所でありたいと思います。また、当院の特徴として、外科も内科も幅広く診察を行うことが可能です。小さな症状でもいいので、気になることがあればなんでも気軽に相談しに来てください。

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