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奥窪 明子 院長の独自取材記事

奥窪耳鼻咽喉科

(西宮市/甲子園駅)

最終更新日:2020/01/27

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阪神甲子園駅から歩いて4分ほど。住宅街の一角にある「奥窪耳鼻咽喉科」は、西宮市内で親子2代にわたって続く耳鼻科クリニック。院内の随所に昔ながらの雰囲気が残り、新旧が入り交じったような様子が印象的だ。「今どき受付に引き戸の小窓があるのも珍しいでしょう」と、にこやかな笑顔で迎えてくれたのは、院長を務める奥窪明子先生。明るく優しい人柄から、近隣に住む子どもや母親から慕われていることが容易に見て取れる。そんな奥窪院長に、医院のこれまでの経緯や現在の診療状況、患者との向き合い方から医師会での活動まで、人間味あふれる話をじっくり聞いた。
(取材日2019年12月11日)

診療とともに子どもたちの成長を見守っていきたい

こちらの医院はずいぶん古くからあるそうですね。

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父が鳴尾に前身となる医院を開いたのが1970年で、現在の甲子園に移ったのが1984年。私がここで診療をするようになったのは11年前からです。造り自体は父の時代とほぼ変わっていません。いつも全体が見渡せて、患者さんに何かあればすぐに気づけますから、私にとって安心できる環境なんです。診療自体は地域のかかりつけといいますか、中耳炎や鼻炎などのごく一般的な耳鼻科の診療が中心です。あと、鼻や喉が痛いといった風邪のような症状で来られる方もよくいらっしゃいます。高熱や腹痛があれば内科や小児科ですが、喉が痛いだけ、鼻水が出るだけという場合は耳鼻科を選ばれる方も案外多いようですね。

院長先生がこちらで診療を始めた経緯は?

私は近畿大学医学部を卒業後、神戸大学医学部の医局に入り、その後は大学の人事で兵庫県内のいくつかの病院に勤めていました。勤務医の仕事は楽しく、継承や開業は特に考えていませんでしたが、やはり父が高齢になり一人では大変そうだと感じたので、ここで一緒に診療をすることになりました。その直前の10年間は西脇市や加西市などの播州地区の病院に勤務していましたが、町自体に耳鼻科クリニックが少なく、そのせいで病状が進んでから来られる方が多かったですね。中耳炎などの診察や治療も常にやっていましたから、その経験がここですごく役立っているんです。

現在、小児の患者さんも大勢来られるそうですね。

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お子さんの数は非常に多いですね。私自身、高校までずっとこの町で過ごしましたが、今は幼稚園や保育園も充実していて、非常に子育てのしやすい町だと思います。やはり西宮って住みやすいんでしょうね。学生時代の友人もみんな残っていて、私がここに戻った頃はよくお子さんを連れて来てくれました。私、お子さんを診るのも大好きなんです。「○○ちゃん、今日はどうしたの?」と、いつも声をかけていると、そのうちに一人で診察室に入ってくれるようになります。診察のたびに泣いていた子がだんだん大きくなってちゃんと座れるようになり、さらに中学、高校と成長していく姿を見ていると、ずっとここでやっていきたいと思いますね。

自分自身の入院体験が医療の道を選ぶきっかけに

院長先生が耳鼻科の医師をめざした理由は?

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私は子どもの頃、ずっと小児喘息に苦しんでいて、小学校低学年の時に入院したことがあります。呼吸をするとヒューヒューと音がする、それを聞かれると退院できないと思い、先生が診察に来ると息を止めて我慢したものです。もちろん全部お見通しで、「お医者さんってすごいな」と子ども心に感心したことが印象に残っています。耳鼻科をめざしたのは父の影響もありましたが、これも私自身の入院体験からです。大学4年生の時に首の腫れがあり、それが次第に大きくなって、とうとう大学の病院で甲状腺手術を受けることになったんですね。入院すると先生や看護師さんがすごく優しくて、それで私も耳鼻科でやってみようと思ったのが直接のきっかけです。耳鼻科の診療は、患者さんを自分の目で直接見て、その場で診察していける部分が魅力ですね。

耳鼻科の医師として、何かアドバイスしたいことはありますか?

まず耳掃除ですが、基本的には必要ありません。耳垢は自然に外へ出る仕組みになっていますし、掃除しすぎると逆に耳の中を傷つけてしまったり、耳垢を押し込んでしまったりすることがあるんです。やるとしても1ヵ月に2回ぐらいにとどめておいたほうがいいでしょう。鼻のほうでは鼻血の止め方ですね。鼻血が出ると、鼻背の上のほうを押さえて上を向く方が多いのですが、基本的に小鼻を押さえて下を向くのが適切な止め方です。鼻血が出やすいのは鼻の穴の入口から1cmぐらいのところですから、小鼻を押さえると止血しやすいというわけです。特に子どもの場合、風邪をひいたり鼻炎があるだけで鼻血を出すことがあります。突然出るとびっくりしますが、これを知っていればあまり慌てずに済むでしょう。

院長先生は医師会での活動も精力的にされているそうですね。

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はい。西宮市医師会で広報活動を担当しています。いわば医師会と市民の皆さんのパイプ役で、毎年恒例の市民フォーラムなどを開催しています。認知症や在宅医療、緩和医療などのシリアスなテーマですが、皆さん興味を持って聞いてくださり、講演後によくわかったとおっしゃっていただくと、やって良かったと感じますね。また、兵庫県医師会の女性医師の会で、医療現場で働く女性の働き方や働きやすさなどをテーマに活動をしています。女性の場合、育児休暇や産後休暇などでしばらく休むと職場復帰が難しくなるものですが、その再開にはご主人やご家族、上司の理解や協力が不可欠で、決して女性だけでどうこうできるものではないことを念頭に置く必要がありますね。

みんなが笑顔になれる診療をめざして

院長先生は子どもの頃どのように過ごされましたか?

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私は4人きょうだいの一番上で、どちらかといえばお転婆なほうでした。学校から帰ると男子に混じって草野球をしたり、ずっと外で遊んでいるような女の子でしたね。高校では吹奏楽部に入ってパーカッションを担当していました。ドラム、シンバル、トライアングルから木琴、鉄琴まで打楽器全般です。すごく楽かったですし、今となってはいい思い出です。

日々の診療で大切にしていることは何ですか?

やはり笑顔を絶やさないことでしょうか。患者さんが安心して受診し、明るい気持ちで帰っていただけるよう心がけています。以前、患者さんからお手紙を頂いたことがありまして、そこに「私が診察に行った日、もしかしてすごく怒っていましたか?」と書いてあったんです。思い返してみたら、その日はたまたま私の誕生日で、たぶん不機嫌なはずはないんですね。自分としては普通にしていたつもりでも、患者さんはそう捉えられることもあるのだと、はっと気づかされました。それからはさらに気をつけて、患者さんがどんなに些細なことでも気軽に聞けるような雰囲気づくりを忘れないようにしています。やはり人と人ですからコミュニケーションは非常に重要です。そこが医療の大切なところ、難しいところだと思いますが、患者さんも私もお互いに笑顔でいられるような診療を続けていきたいと考えています。

最後に、読者へ向けたメッセージをお願いします。

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最近はインターネットでご自分で調べられますから、それでかえって不安になって相談に来られるお母さん方がよくいらっしゃいます。メディアに載っていることすべてが正しいわけではありませんから。気になることは全部聞いていただければ、「それはそうですね」「それはちょっと違いますね」と説明させていただきます。あと、耳や鼻、喉は、顔あるいは顔の近くにありますから、耳鼻科の診療はどうしても怖いというイメージを持たれている方がおられます。何をされるかわからなくて不安という声も多いのですが、難聴や喉の痛みなどは、なるべく早く治療したほうがいい病気もありますから、気になることがあればどうか怖がらず、早めに受診していただければと思います。

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